日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

散り際が長い件

2015-04-09 22:34:41 | 旅日記
潔く散るのが桜の真骨頂ではありますが、今季の桜は違います。無情の雨が来る日も来る日も降り続き、都内の桜は名実ともに見納めと思っていたはずが、遅咲きの木にはまだこれだけあるかと驚くほどの花が残っていました。散り始めてから既に一週間、これほど長い散り際は珍しいような気がします。
さすがに見頃を過ぎた感はあるものの、依然として花が若葉に勝っており、青空の下ではそれなりの絵になります。加えて紅枝垂は今が見頃、八重桜にいたってはまだこれからという状況です。これならわざわざ信州などへ行く必要はなく、今週末も都内で花見ができそうな気がしてきます。実際のところ、一組とはいえシートを広げて花見をしている人々を見かけており、週末には多少なりとも人出が戻ってくるかもしれません。
信州の花見は自分にとって十年来続いてきた年中行事の一つであり、既に宿も押さえてしまったため、天候にかかわらず決行することになるとは思います。しかし、半月あまりにわたって追いかけた地元の桜が、土俵際で踏みとどまっているのを目の当たりにして、三度目の週末を見届けたくなるのは人情というものでしょう。後ろ髪を引かれながらの旅立ちとなりそうです。
コメント