日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

花見の旅in信州 2014

2014-04-16 22:11:05 | 旅日記
石段を下り、橋を渡って河原の駐車場に戻りました。過去には我が相棒一台きりという状況もあった中、今日はまだ両手に余る数の車が残っています。今夜はそれだけ賑わったということです。満開かつ晴天という絶好の条件とはいえ、平日に来られる人は少なかろうとたかをくくっていたところが、今日の人出は下手な週末以上でした。
日帰りの強行軍に打って出た結果、消化不良を起こしたばかりか、最後は疲労が吹き出し放心状態となって、まとまりという点では今一つの活動でした。しかし、高遠の城址と町内、さらには伊那市街のどこへ行っても桜が満開という状況は、十年通った中でも今日以外にありませんでした。花盛りに重なったという点では、今回が空前絶後の当たり年として記憶されることになりそうです。
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花見の旅in信州 2014

2014-04-16 21:47:39 | 甲信越
一時間あまりの持ち時間は思いの外早く過ぎ去り、消灯の時刻が近付いてきました。あとはわずかばかりの時間を残して、余韻を噛みしめながら山を下り、河原の駐車場に戻るだけです。しかし今年は勝手が少々違います。というのも、日帰りということもあって詰め込みすぎた結果、余韻を噛みしめる余裕もないほどの放心状態なのです。
あまりに急ぎすぎて余韻を噛みしめることもできなかったという点では、初めて道東まで桜を追った四年前が思い出されます。北海道の果てまで桜前線を追いかけたというのに、最後の最後は時間との激烈な戦いに陥り、放心状態のまま新千歳から帰路についたという顛末でした。そのときと同様、疲労感が達成感、満足感といったものに先んじてしまい、余韻の美しさという点では画竜点睛を欠く結果となってしまったのが少々残念です。

達成感、満足感が希薄なのは、疲労感が大きいのもさることながら、周囲の状況にも依存しています。近年は10時の消灯を待たずに見物客があらかた引け、露店も早々と店じまいをして、帰り際には祭りの後というべき淋しげな雰囲気がありありと感じられました。ところ今年は相当数の見物客が残って、露店もまだまだ盛業中です。これで終わりという感じがしないのも、違和感を覚える理由でしょう。
それに加えて、その気になれば今週末も再訪できるという事情があります。金曜を休み、土日を加えた三日の日程で信州に乗り込むという当初の予定が、悪天候との予報に鑑み今回の日帰り活動に振り替わったのであり、多少の悪天候を覚悟すれば、土日に再訪することも不可能ではありません。最低二日はかけるべきところを一日に詰め込んだ結果、かなりの積み残しが出てしまった状況で、その借りを取り返したいと考えるのは人情というものでしょう。
そのような未練もあり、今回はこれが最後と潔く切り上げることができません。歯切れの悪い挨拶ではありますが、来年は必ず、場合によっては今週末にまたお会いしましょう…
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花見の旅in信州 2014

2014-04-16 21:03:47 | 甲信越
腹ごしらえを済ませたところで大トリの夜桜見物に移ります。
天気に大きく左右される昼間と違い、夜桜ならばいつ行っても同じ眺めかというとさにあらず。たとえば三年前は「自粛」のあおりでぼんぼりだけのささやかさ、二年前は本降りの雨で散々でした。三夜にわたって見物した去年も、最初は小雪が舞い降り、次の日は凍えるように寒く、最後は強風で大木が揺れるなど、一度として同じ夜桜はなかったのです。
それでは今年の夜桜はどうかといえば、賑やかという一言に尽きます。要は見物客が多いということです。ただし昼間のような混雑ではなく、華やかな夜桜にふさわしい適度な賑わいです。満開なのもさることながら、暖かくて風もないという、夜桜見物にはこの上ない条件になったのが大きいのでしょう。桜雲橋も見物客で鈴なりになっており、今年はとりつく島がなさそうです。しかし、自粛、雨、寒さといった事情もあって、近年は拍子抜けするほど閑散とした夜桜を眺めてきただけに、ようやく本来の姿が戻ってきたという感はあります。「これが高遠の夜桜だ」と初見の人に紹介するなら、今夜は数年に一度しかない好機といえるでしょう。
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花見の旅in信州 2014

2014-04-16 20:41:55 | B級グルメ
再び石段を上がって高遠城址にやってきました。できれば伊那でローメンをいただきたかったのですが、時間に追われとてもそれどころではありませんでした。空腹感も限界に達してきたため、去年も世話になった露店で焼きそばを買い、三の丸のベンチに腰掛けいただきます。寝食する間もなくなる今こそ、まさに花見の最盛期ということになるでしょう。
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花見の旅in信州 2014

2014-04-16 20:16:34 | 甲信越
高遠に戻りました。昼間は諸事情により町中の駐車場を使いましたが、夜はもちろんいつもの河原に車を止めました。頭上で煌々と明かりを灯す城址まで、ここから自分の足で上り詰めようというわけです。
10時の消灯まで粘るより、少し早めに切り上げて、余韻を味わいつつ河原へ下りる方が、終わり方としては美しいと分かってきたため、今回も15分ほど前には城址を後にするつもりです。そこから逆算すると、実質的な持ち時間は一時間少々となります。しかし、ほぼ毎年眺めている夜桜だけに、今更シャッターを切りまくるわけでもなく、お約束のアングルを押さえる以外は、どちらかといえば雰囲気を楽しむのが中心となります。その目的の範囲内では、それだけの時間があれば過不足なくちょうどよいでしょう。
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花見の旅in信州 2014

2014-04-16 19:58:27 | 酒屋
急ぎ足で春日城跡を回り、あとは高遠へ急行するかというところ、もう一ヶ所寄らなければならない場所があります。毎度おなじみ「酒文化いたや」です。
一度の旅で酒屋を数軒はしごする会津などと違い、今回立ち寄る酒屋はここだけと決まっています。その結果調子に乗って二本選んでしまうのがここでの常です。前回ここで買い求めて感銘を受けた「翠露」の春しぼりが残念ながら今年はなく、代わってまず目にとまったのは小布施酒造のSoggaでした。しかし、信州の中でも南信中信の地酒をとりわけ手厚く揃える店主の姿勢に敬意を表し、もう一本はそれらの中から選ばなければなりません。以前買い求めた信濃錦の「れとろらべる」が、店主一押しとの触れ込みで陳列されていたため、今回はこちらを選択。もう少し熟考して選びたかったのですが、時間が切迫して冷静な判断ができませんorz

酒文化いたや
伊那市伊那部日影171
0265-72-2331
900AM-2000PM(日曜定休)
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花見の旅in信州 2014

2014-04-16 19:36:24 | 甲信越
高遠の夜桜の終了時刻が気になりだし、思い切って端折るかどうかで逡巡したものの、結局思い切れずに今年もやってきました。春日城跡の夜桜を見物します。小高い山に築かれた空濠のある城址という造りも、見上げるような大木が屋根のように覆い被さるところも高遠によく似ており、双子の兄弟とでもいうべき名所です。やはりここを素通りすることはできませんでした。
この城址がとりわけよいのは夕方から宵にかけてです。傾きだした日差しを浴びて桜が鈍く光る中、東の彼方に仙丈ヶ岳を筆頭にした南アルプスが連なるという光景もさることながら、日の落ちる瞬間がこれまたよいのです。中央アルプスの影が、城址と伊那市街に延びる中、残雪の南アルプスだけが残照を受けて鈍い光を放ち、それが徐々に茜色から紫色へと変わっていきます。その一部始終をお立ち台から眺めていれば、いつしかぼんぼりに明かりが灯って夜桜が始まるという仕掛けです。今年も是非その光景を眺めたかったのですが、時間に追われ完全に暗くなってしまったのが惜しまれます。
ライトアップはごく控えめでぼんぼりを中心にした夜桜は、伊那公園と同じささやかなものとはいえ、向こうと違って淋しい感じがしないのは、敷地が広いのに加えて人出がそこそこ多いのが理由なのでしょうか。それ以上のことを考える余裕が今はありませんorz
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花見の旅in信州 2014

2014-04-16 19:20:42 | 甲信越
残照も次第になくなりつつあり、あとは夜桜を残すのみとなりました。まずはそのまま伊那公園の夜桜を見物します。
昼間は林立する大木に圧倒される伊那公園ですが、夜桜になると一転して侘しくなります。D51のある公園にぼんぼりとごくささやかなライトアップが灯る中、地元の人々が宴会に興じたり、遊具で親子連れが遊んだりしているというのがここの夜桜で、観光客が皆無なのはもちろんのこと、機材を担いで撮影している物好きも自分ただ一人です。客席付きの露店が一軒出てはいるものの、決して賑わっているわけではなく、流れる演歌が侘しさをいっそう引き立てます。今日は開花が絶妙なのに加えて暖かいため、自信が記憶する中では最も賑わっていますが、あくまで「この公園としては」というだけにすぎません。しかし、高遠の華やかな夜桜とは対照的な、この侘しさにもまた趣があり、なんだかんだで毎年立ち寄ってしまうのです。
結局今年の伊那公園は、黄昏時の短時間の滞在に終わってしまい、満開の桜にもD51にも、明るいうちには挨拶ができませんでした。去年も伊那に三日滞在しながら、ここを訪ねた時は曇り空だったため、晴天下での桜は長らくのご無沙汰ということになります。来年こそは日本晴れの空の下で再会したいものです。
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花見の旅in信州 2014

2014-04-16 18:33:14 | 甲信越
夕日はとうに山影へと落ち、空は次第に紫色へと変わり、街には明かりが灯る頃合いですが、往生際悪くまだ撮影を続けます。続いて訪ねるのは伊那公園です。
東の高遠城址、西の春日城跡という双璧に挟まれたのがこの公園ですが、ここの特筆すべきところは木の一本一本が双璧に勝るとも劣らないほど立派だということです。まず二面ある野球場を見事な枝振りのコヒガンザクラとソメイヨシノが取り囲み、スタンドの彼方に中央アルプスが屹立するという絵柄が秀逸。そのグラウンドの脇にはD51を置いた公園があり、やはり見上げるような大木のコヒガンザクラとソメイヨシノが林立しています。
二年前、諏訪に寄って時間を食い、高遠へ着くのが夕方になってしまうという痛い結果に終わったとき、直接の決定打となったのが実はこの公園でした。満開かつ快晴という条件下で立ち寄り、桜の見事な枝振りに圧倒されてすっかり長居してしまい、五年前の荒神山公園の再現となったわけです。今日の昼間は悪魔のささやきを振り切って素通りしたとはいえ、もし立ち寄っていれば、高遠で花見をする時間はなくなっていたかもしれません。
この公園で白眉なのは、天竜川の流れを見下ろす高台から張り出すようにして、他のどんな木よりも背の高いエドヒガンが、三本並んで佇むことです。高台からせり出した桜だけに視界は広く、紫色の空に浮かび上がった姿は様になっています。甚だ簡単ではありますが、今年はこれが伊那公園での唯一にして最大の収穫となりそうです。
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花見の旅in信州 2014

2014-04-16 17:53:33 | 甲信越
夕日は間もなく中央アルプスの向こうへ落ちようとしており、時間はますます切迫してきましたが、最後の最後まで粘ります。わずかな残り時間で訪ねるのは、これまた再訪となる三峰川の桜並木です。17年前から少しずつ植えられているという若い桜並木が、満開の花をたたえています。
この桜並木に初めて出会った四年前は雨上がりのどんより曇った朝方、宿願かなって再訪した去年は逆光の夕方、そして今回も同じく逆光。この桜並木が、残雪の中央アルプスを背に左へカーブしてくるという絵柄は、またしても想像の域を脱することができませんでした。しかし、前回は強い逆光でほとんど絵にならなかったと記憶しています。それが今回、薄雲に覆われた柔らかな西日を受けて、中央アルプスの影がぼんやり浮かび上がるなど、絵葉書的なものとは違う、情緒的な光景が出現しました。これも今日ならではの収穫といってよいでしょう。
それにしても、出会って四年経つというのに、この桜並木が目に見えて成長したようには思えません。しかし、最初に撮った写真と見比べれば、自身気付かなかった成長の跡が記録されているかもしれません。足腰が立つ限りここに足を運んで、この桜並木の成長を年々記録して行きたいものだと思います。
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花見の旅in信州 2014

2014-04-16 17:13:26 | 甲信越
鉾持神社の参道の中ほどから右へ折れ、生活道路を少し進むと現れるのが、一面桜色に染まった高遠城址を左下に、残雪の仙丈ヶ岳を右上に望むお立ち台です。こちらも慣れた写真愛好家が時折立ち寄る程度で、観光客の姿は皆無。去年と違い、薄雲が出て全体にかすみがちなのが惜しまれるものの、今年もこの場所に戻ってこられたことを喜びたいと思います。
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花見の旅in信州 2014

2014-04-16 16:58:56 | 甲信越
四年前に発見して以来、何度か立ち寄っているおなじみの場所、鉾持神社を訪ねます。
高遠の街角の桜がよいと申しましたが、何の変哲もない町中の桜だけに、電柱やら電線やら建物やらが重なって、散策するにはよいものの、写真写りは今一つというものが少なくありません。その点ここは写真に撮っても絵になる場所の一つです。石段の参道の中ほどに鳥居が建ち、それを囲むようにしてコヒガンザクラが咲く様子が絵になっています。しかもひとたび城址を離れると見物客は皆無。この静かな雰囲気がまたよいのです。こんな穴場が他にも隠れているのでしょうか。今回の持ち時間では、既出の場所を再訪するのが精一杯ですorz
ちなみに、城址と町では高度が違うため、桜の開花もわずかに違ってきます。城址が満開のときには、市街の桜は得てして散りかけていることが多いものです。しかし今回、城址はもちろんのこと、参道の桜も今を盛りと咲き誇っています。開花状況に関する限り、今年はあと一日早くても遅くてもいけないという、まさに最高の時期に重なったようです。
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花見の旅in信州 2014

2014-04-16 16:30:58 | 甲信越
時間配分の都合上、城址には深入りせず一時間半ほどで終了。只今図書館の駐車場に戻ってきました。引き続きここを拠点にして、高遠の町内を歩きます。
高遠のよいところは、天下第一の桜と称賛される城址公園だけでなく、町中にある桜がこれまた絵になっていることです。城址の南の高遠湖と、その先にある枝垂桜は今回泣く泣く諦めましたが、静かな神社の境内といい、城址の向こうに仙丈ヶ岳を一望する高台といい、見物客がほとんど訪れないような街角にも、思わず足を止めて鑑賞したくなるような光景が点在しています。日没まで限られた時間ではありますが、それらを時間の許す限り訪ね歩きます。その後は伊那市街に移動し、春日城跡と伊那公園の夜桜を申し訳程度に見物した後、高遠の夜桜で締めくくるといった流れになりそうです。
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花見の旅in信州 2014

2014-04-16 15:16:44 | 甲信越
その後例のごとく石段を登って高遠城址に入り、三十分ほどかけて南端の法幢院曲輪にたどり着いたところです。
昨年高遠で花見をしたとき、高遠城址の花見のは起承転結がある、それを楽しみたいなら多少きつかろうとも石段を上るに限ると申しました。しかし今日はその「起」の部分が空振り気味でした。まず、混雑の関係で、普段利用している河原の駐車場ではなく、穴場というべき図書館の駐車場に車を止めたため、低い場所から徐々に高みを目指すという経路ではなくなりました。また、開始が遅れたことにより、振り返ったとき彼方に連なる中央アルプスが、完全な逆光で全く絵になりませんでした。
これまで日中に高遠城址を訪ねるというと、見物客が増え出す前の早朝を狙うのが常で、この時間に来るのはよくよく考えると初めてです。平日だからと悠長に構えていたのが、結果的には仇となってしまいました。去年のように何度か機会があるならともかく、今年は事実上今日一日限りなのですから、やはり諏訪などに寄っている場合ではなかったのかもしれません。
空振り気味なのはただ出遅れたからではなく、今日の天候が最高の状態ではないという理由にもよります。終始晴天ながらも、去年のような紺碧の空ではなく、空全体が薄雲で覆われており、桜の花もやや眠たげに映るのです。その結果、今日はシャッターを切る回数が例年に比べて非常に少なくなっています。
しかし、万全の状態ではないにしても、曇りや雨ではありません。満開と好天が重なったという点で、今日が今季最高の条件には違いないのです。今日しか撮れないものがあるとすれば、西日を受けてほのかに輝く桜でしょう。順光ならば青空に限るとはいえ、半逆光なら今日の天候でも十分戦えます。そんな場面を探し求めて、もうしばらく城址を歩いてみたいと思います。
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花見の旅in信州 2014

2014-04-16 14:08:48 | B級グルメ
高遠城址へ急ぎたいのはやまやまながら、この先長くなると見込んで腹ごしらえを済ませます。平日という条件は去年と同じだというのに、今日の混雑ぶりはかなりのもので、高遠そばの店には例によって長蛇の列ができています。そんなものには目もくれず、こちらは一目散に決まった店へ直行します。訪ねるのは去年も世話になった「みすゞ食堂」、注文するのは桜丼です。
寿司桶にご飯を盛って海苔を散らし、生姜醤油のタレで仕上げた馬刺しを乗せた、直裁ながらも意表を突くこの品ですが、完成された味わいは何度いただいても飽きがきません。これを知らずに高遠そばなど注文している一見客は、確実に損をしていると断言します。

みすゞ食堂
伊那市高遠町西高遠1701
0265-94-2311
桜丼1050円
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