「さゆり食堂」を出てすぐのところにあるのが、知る人ぞ知る紅枝垂の並木道です。かつて熱塩との間を結んでいた日中線の跡地が遊歩道化され、まだ若い紅枝垂の木がその両側に延々と続いています。しかも、ありがたいことには、時間が経つにつれて空がますます晴れてきました。この並木道をとことん歩いてみたいのはやまやまながら、今は先を急がなければならないのが少々残念です。しかし、満開かつ快晴という絶好の条件で、短い時間ながらも会津で最後の花見ができたのはよいことでした。
平日という条件を生かし、二軒目に「はせ川」を狙って乗り込んだところ、さすがに考えが甘かったか、店の外のテントには何人いるかと思うほどの待ち客が。配席の関係上、一人客なら先に通してもらえる場合もあると分かっているとはいえ、時間が徐々に押してくる中、いつ来るとも分からない順番を待つのは許されない選択です。その結果今回は新規開拓に走り、来た道を少し戻って「さゆり食堂」を訪ねました。
三角屋根の簡素な店舗は、暖簾をくぐると左に厨房、右に客席という造りです。手前に四人掛けのテーブルが三つ、奥に六人掛けの小上がり席が三つ、中央に相席の長いテーブルという直線基調の店内は、店構えと同様簡素ながらも清潔で好感が持てます。
注文したラーメンは、大きめの丼にスープをなみなみ満たし、見るからにうまそうな四角いバラチャーシューを三枚、それにメンマとなるとと白ネギを散らせた美しい出で立ちをしており、麺もチャーシューも「ひさじ屋」に通ずるものを強く感じます。しかし、油膜の張った熱いスープはこの店ならではのものです。冒険した甲斐はあったと納得させてくれる名店でした。
★さゆり食堂
喜多方市字清水が丘1-11
0241-23-1317
1000AM-1700PM(火曜定休)
ラーメン600円
三角屋根の簡素な店舗は、暖簾をくぐると左に厨房、右に客席という造りです。手前に四人掛けのテーブルが三つ、奥に六人掛けの小上がり席が三つ、中央に相席の長いテーブルという直線基調の店内は、店構えと同様簡素ながらも清潔で好感が持てます。
注文したラーメンは、大きめの丼にスープをなみなみ満たし、見るからにうまそうな四角いバラチャーシューを三枚、それにメンマとなるとと白ネギを散らせた美しい出で立ちをしており、麺もチャーシューも「ひさじ屋」に通ずるものを強く感じます。しかし、油膜の張った熱いスープはこの店ならではのものです。冒険した甲斐はあったと納得させてくれる名店でした。
★さゆり食堂
喜多方市字清水が丘1-11
0241-23-1317
1000AM-1700PM(火曜定休)
ラーメン600円
喜多方に着き次第即ラーメンという流れは、時間に追われる花見の旅においても例外ではありません。一月少々という短い間隔での再訪だけに、今回は趣向を変えるのが順当でしょう。飛び石連休の谷間という、混むかどうかが微妙な状況の中、「坂内食堂」に長蛇の行列ができているのを見て一瞬不穏な空気を感じながらも、幸いにして「まこと食堂」に待ち時間なしで入れました。
坂内と並ぶ喜多方ラーメンの代名詞の一つというべきこの店ですが、混雑を避けたり閉店時刻に間に合わなかったりで、今回が二年ぶりの再訪です。これだけ間隔が開くと味わいにも格別のものがあります。
★まこと食堂
喜多方市字小田付道下7116
0241-22-0232
730AM-1500PM(月曜定休、祝日の場合は火曜休業)
坂内と並ぶ喜多方ラーメンの代名詞の一つというべきこの店ですが、混雑を避けたり閉店時刻に間に合わなかったりで、今回が二年ぶりの再訪です。これだけ間隔が開くと味わいにも格別のものがあります。
★まこと食堂
喜多方市字小田付道下7116
0241-22-0232
730AM-1500PM(月曜定休、祝日の場合は火曜休業)
毎度おなじみ雄国パノラマラインのお立ち台から会津盆地と飯豊山を望みます。
自身が立つなだらかな山の裾野に整然とした段々畑が広がり、それが尽きたところで今度はこれまた整然とした会津盆地の田畑が広がり、それらを見守るように飯豊山が鎮座するという光景は、何回眺めても飽きの来ない完成度です。しかも今回は、快晴とは行かないまでも薄日が差すそこそこの好天になりました。過去二回は通過が日没前後となり、去年の花見のときは今にも降り出しそうな曇り空だったため、この絶景を鑑賞に堪えうる条件で眺めるのは、よくよく考えると一昨年の夏以来かもしれません。
手前の山から顔を出した部分に関する限り、飯豊山はまだ全面的に積雪しており、雪の深さは中旬に眺めた立山連峰の比ではありません。次に会津を訪ねるのは、おそらく立秋の直前あたりになるでしょう。この雪はそれまで残っているのでしょうか。
自身が立つなだらかな山の裾野に整然とした段々畑が広がり、それが尽きたところで今度はこれまた整然とした会津盆地の田畑が広がり、それらを見守るように飯豊山が鎮座するという光景は、何回眺めても飽きの来ない完成度です。しかも今回は、快晴とは行かないまでも薄日が差すそこそこの好天になりました。過去二回は通過が日没前後となり、去年の花見のときは今にも降り出しそうな曇り空だったため、この絶景を鑑賞に堪えうる条件で眺めるのは、よくよく考えると一昨年の夏以来かもしれません。
手前の山から顔を出した部分に関する限り、飯豊山はまだ全面的に積雪しており、雪の深さは中旬に眺めた立山連峰の比ではありません。次に会津を訪ねるのは、おそらく立秋の直前あたりになるでしょう。この雪はそれまで残っているのでしょうか。
会津若松を出て喜多方へ向かいますが、さらにもう一ヶ所寄り道します。二年ぶりの再訪となる南原堤の桜です。
雄国パノラマラインを少し外れた山の斜面に、ソメイヨシノと八重紅枝垂が他の木々とともに林立するというのがここの眺めです。県道沿いにある桜まつりの看板を見て、川の堤の桜並木と思い込み立ち寄ったところが、その正体は上記の通り全くの別物で、桜まつりといいながら仮設の駐車場があるだけで見物客の姿もないなど、大いに意表を突かれたという思い出の残る場所でもあります。
市街を離れて標高も上がったため、若松であらかた散り終わっていたソメイヨシノは散り際ながらもまだ見頃、紅枝垂は今まさに満開という状況です。前回訪ねたときと同様、可もなく不可もない曇り空では、せっかくの桜も今一つ絵にならないのが惜しまれるものの、小鳥がさえずる静かな木立で、花びらがはらはらと散る光景が印象に残ります。
ちなみに、前回の経験からして見物客など皆無だろうと思ったところ、一名とはいえ先客がカメラを構えていました。これもある意味意表を突かれる出来事です。
雄国パノラマラインを少し外れた山の斜面に、ソメイヨシノと八重紅枝垂が他の木々とともに林立するというのがここの眺めです。県道沿いにある桜まつりの看板を見て、川の堤の桜並木と思い込み立ち寄ったところが、その正体は上記の通り全くの別物で、桜まつりといいながら仮設の駐車場があるだけで見物客の姿もないなど、大いに意表を突かれたという思い出の残る場所でもあります。
市街を離れて標高も上がったため、若松であらかた散り終わっていたソメイヨシノは散り際ながらもまだ見頃、紅枝垂は今まさに満開という状況です。前回訪ねたときと同様、可もなく不可もない曇り空では、せっかくの桜も今一つ絵にならないのが惜しまれるものの、小鳥がさえずる静かな木立で、花びらがはらはらと散る光景が印象に残ります。
ちなみに、前回の経験からして見物客など皆無だろうと思ったところ、一名とはいえ先客がカメラを構えていました。これもある意味意表を突かれる出来事です。
最後は柏屋で職場への土産を買います。
年がら年中旅していると、その都度土産を持参してはさすがに金が持たなくなってきます。休みをもらったときに、御礼代わりに差し入れるという流れが最近定着してきました。そして、職場向けという観点からすると、安くておいしく軽くつまめるここの薄皮饅頭はまことに理想的です。万人受けという点では六花亭のマルセイバターサンドに一歩譲るものの、自分の中では薄皮饅頭こそバターサンドと並ぶ双璧だと思っています。
和洋の違いこそあるものの、瀟洒な造りの店舗、さすがと感服させられる気持ちのよい接客、安くておいしいお菓子など、柏屋と六花亭は様々な点で共通しています。名品がいくつもあると分かっていながら、結局定番中の定番を選んでしまうところも同じです。
★會津柏屋
会津若松市一箕町亀賀字藤原171-1
0242-25-0424
900AM-1900PM
年がら年中旅していると、その都度土産を持参してはさすがに金が持たなくなってきます。休みをもらったときに、御礼代わりに差し入れるという流れが最近定着してきました。そして、職場向けという観点からすると、安くておいしく軽くつまめるここの薄皮饅頭はまことに理想的です。万人受けという点では六花亭のマルセイバターサンドに一歩譲るものの、自分の中では薄皮饅頭こそバターサンドと並ぶ双璧だと思っています。
和洋の違いこそあるものの、瀟洒な造りの店舗、さすがと感服させられる気持ちのよい接客、安くておいしいお菓子など、柏屋と六花亭は様々な点で共通しています。名品がいくつもあると分かっていながら、結局定番中の定番を選んでしまうところも同じです。
★會津柏屋
会津若松市一箕町亀賀字藤原171-1
0242-25-0424
900AM-1900PM
続いては渡辺宗太商店に立ち寄ります。ここでも同じく一回火入れの花泉を選択。今日はおなじみの店主と跡取りに加えて、女将と思しき人物が店先に立っていました。数え切れないほど足を運んだこの店ですが、女将をお見かけするのは初めてのような気がします。
★渡辺宗太商店
会津若松市白虎町1番地
0242-22-1076
900AM-1900PM(火曜定休)
★渡辺宗太商店
会津若松市白虎町1番地
0242-22-1076
900AM-1900PM(火曜定休)
続いて立ち寄るのは関漆器店です。今回は祝いの品を一つ、そして珍しく自宅使いの品を購入。夕食に鍋物が多いこともあってレンゲを選びました。一時帰京したら早速試してみたいと思います。
★関漆器店
会津若松市中央1-4-12
0242-25-0151
900AM-1800PM(不定休)
★関漆器店
会津若松市中央1-4-12
0242-25-0151
900AM-1800PM(不定休)
昨夜の予告通り、鶴ヶ城には寄らずに先へ進みますが、若松を離れる前に済ませておかなければならない用事がいくつかあります。まずは毎度おなじみ植木屋商店に立ち寄ります。
今回はラベルに桜をあしらった一回火入れの会津娘を選択。去年のように十日を超える長旅ならば、会津で要冷蔵の酒に手を出すことはできませんでした。前半後半に分割された今年の花見も、酒の選択肢が増えたという点に関する限り悪くはありません。
★植木屋商店
会津若松市馬場町1番35号
0242-22-0215
930AM-2130PM(日曜定休)
今回はラベルに桜をあしらった一回火入れの会津娘を選択。去年のように十日を超える長旅ならば、会津で要冷蔵の酒に手を出すことはできませんでした。前半後半に分割された今年の花見も、酒の選択肢が増えたという点に関する限り悪くはありません。
★植木屋商店
会津若松市馬場町1番35号
0242-22-0215
930AM-2130PM(日曜定休)
出発します。昨晩世話になったのはもちろん中町フジグランドホテルです。
会津に泊まるというと、よそと比べるまでもなく自動的に選んでいるこの宿ですが、かれこれ二十年来利用してきた宿だけに、設備にかけては現代のビジネスホテルに比べて見劣りする場面も多く、有り体にいえば時代遅れに思えるものもあります。その一つが朝食です。
中町でも駅前でも、館内にあるレストランを使い、バイキングではなく一人前ずつ供されるのがここの朝食です。焼魚を中心に、おひたし、玉子焼き、佃煮、漬物、納豆と味付け海苔、それに果物が一口、四角い折に盛り付けられ、ご飯、味噌汁、お茶、お冷やとともに大きなお盆で運ばれてきます。レストランといっても、当然ながら高級ホテルのそれとは全くの別物で、悪く言えばくたびれた喫茶店のようなものです。出てくるものも、味に関していえばスーパーホテルの朝食と大差はありません。しかし、この時代遅れな雰囲気がよいのです。
とかく安いビジネスホテルの朝食というと、朝食無料の看板を掲げるための形ばかりのものが多く、しかもそれがロビーを兼ねた素っ気のない空間で提供され、餌でも与えられているかのようで興ざめすることが少なくありません。その点、ここの朝食には旅人をもてなそうとする心遣いが感じられます。「昭和」の二文字を連想させる古びたレストランで、優雅な音楽を聴きつつ一通り朝食をいただけるこの宿は、今時貴重な存在といってもよいでしょう。
もともと無料の朝食だけに、今以上の内容を期待しているわけではありません。しかし、レストランで一人前ずつ提供するという伝統だけは、これからも守り続けてほしいものだと思います。
会津に泊まるというと、よそと比べるまでもなく自動的に選んでいるこの宿ですが、かれこれ二十年来利用してきた宿だけに、設備にかけては現代のビジネスホテルに比べて見劣りする場面も多く、有り体にいえば時代遅れに思えるものもあります。その一つが朝食です。
中町でも駅前でも、館内にあるレストランを使い、バイキングではなく一人前ずつ供されるのがここの朝食です。焼魚を中心に、おひたし、玉子焼き、佃煮、漬物、納豆と味付け海苔、それに果物が一口、四角い折に盛り付けられ、ご飯、味噌汁、お茶、お冷やとともに大きなお盆で運ばれてきます。レストランといっても、当然ながら高級ホテルのそれとは全くの別物で、悪く言えばくたびれた喫茶店のようなものです。出てくるものも、味に関していえばスーパーホテルの朝食と大差はありません。しかし、この時代遅れな雰囲気がよいのです。
とかく安いビジネスホテルの朝食というと、朝食無料の看板を掲げるための形ばかりのものが多く、しかもそれがロビーを兼ねた素っ気のない空間で提供され、餌でも与えられているかのようで興ざめすることが少なくありません。その点、ここの朝食には旅人をもてなそうとする心遣いが感じられます。「昭和」の二文字を連想させる古びたレストランで、優雅な音楽を聴きつつ一通り朝食をいただけるこの宿は、今時貴重な存在といってもよいでしょう。
もともと無料の朝食だけに、今以上の内容を期待しているわけではありません。しかし、レストランで一人前ずつ提供するという伝統だけは、これからも守り続けてほしいものだと思います。
おはようございます。若松市街は明るい曇り空で、時折薄日も差しています。花見日和というほどではないにしてもそれなりの天候です。もともと雨だと言われていた明日も、時折日差しが出るという予報に変わっており、天気予報が総じてよい方向に振れてきました。
本日は大峠で県境を越え、置賜地方に入ります。上杉神社、烏帽子山といった名所を訪ねて、夜桜見物が終わり次第米沢に投宿して一献傾ける予定です。
本日は大峠で県境を越え、置賜地方に入ります。上杉神社、烏帽子山といった名所を訪ねて、夜桜見物が終わり次第米沢に投宿して一献傾ける予定です。