日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

最後のランチ(20)

2014-04-23 22:34:38 | B級グルメ
赤坂の職場を離れるにあたり、最後に行きたい珠玉のランチを語るつもりで始めたこのネタも、気付けば延々半年20回の長期連載となりました。営業日にして丸一月分に達したところが潮時です。大トリは「レストラン マガーリ」で締めくくります。
ロウリーズ・ザ・プライムリブ」について語ったとき、最後の五軒のうち四軒まではすぐ決まる、しかし五軒目が横一線で絞れないと申しました。しかし、もしこの店が残っていれば、迷うことなく五軒目に選んでいたでしょう。

赤坂の繁華街を完全に外れ、さらに街路から折れてマンションの敷地を周回する私道をかなり奥へ進むと、およそ飲食店などなさそうな路地裏に、文字通り隠れ家のようなイタリアンレストランがありました。店内は10人少々入れば満席というささやかさながら、白壁を基調にした内装と、昼間からクロスを掛けたテーブル席は上品そのもの。塩味とトマトベースが選べるパスタランチには、焼きたてパンとサラダと食後の飲み物がつき、手本通りのアルデンテに仕上げられたパスタはもちろんのこと、塩味を聞かせたクルミ入りのパンなどがこれまたうまいのです。女性客ばかりだった「京屋」と違い、男の一人客でも気兼ねなく入れたのは、大盛りが無料で選べるのに加え、マダムとシェフが二人で営む家庭的な雰囲気によるところも大きかったのでしょう。「津つ井」と並んで職場から近く、時間がないときでもゆったりランチがいただけるこの店は、五傑どころか「露天」と三傑を争うほどの存在でした。
その後昼時の営業が休止となり、やがては店そのものが移転してしまい、残念ながらこの店でいただくランチも過去のものになってしまいました。しかも、移転先が洗足池などという完全に生活圏外の場所で、どうにも足が向かないのは残念です。しかし、新しい店舗に足を運ぶ機会を密かにうかがってはいます。いつの日か宿願を果たしたとき、マダムがこちらを覚えていてくれれば、再会の喜びもいっそう高まるでしょう。そのような機会は訪れるのでしょうか。

以上をもって、赤坂のランチを語るこの話題もついに完結となります。しかし、終わりそうでなかなか終わらないのがこの話題の特徴です。最後の最後にあと一回だけ、後日談を紹介して締めくくります。お楽しみに(ニヤリ)
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