日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北一周花見の旅 2014二日目

2014-04-27 22:08:31 | 居酒屋
鶴ヶ城を後にして呑み屋街に移動してきました。
順調に北上している桜前線を追って、今季はこちらも粛々と北上として行く必要があり、特に前半でどれだけ駒を進められるかが一つの鍵になる状況です。その状況において悩ましかったのが、二泊目にどこを選ぶかという問題でした。会津、米沢、仙台と北上するのが理想的とは分かっていても、二日目が日曜に重なり、米沢では呑み屋の選択肢がありません。その点会津なら、「麦とろ」が連休中は休みなしで開いています。休肝日をとって先に進むか、一日遅れるのを承知で「麦とろ」に行くかという選択において、ほぼ何の迷いもなく後者を選んだ次第です。
普段は「籠太」の後で軽く一杯ひっかける場所という位置づけに甘んじているこの店ですが、花見の時期はむしろこちらが主役になると前回申しました。というのも、店主が繰り出す品々に、会津の春の季節感に満ちているのです。会津に二泊できる状況ならば、そのうち一泊をこの店に注ぎ込むという選択には迷いがありませんでした。

何度も通った店だけに、店主もこちらも慣れたもので、カウンターにつくやいなや、頼みもしないうちに会津娘が出てきました。それを受けるお通しは菜の花のおひたしで、瑞々しさがそこらのものとは違います。これに身欠き鰊を続け、次は何にするかというところ、こちらの魂胆はお見通しとばかりに、今度は店主がコシアブラを揚げ出しました。今朝西会津で採ってきたというコシアブラの、さりげない苦味と軽い食感は、まさに会津の春の真骨頂。自分はこれを一年間待ちわびていました。
菜の花も身欠き鰊も天ぷらも、一人には十分すぎるほど多いのがこの店の特徴です。胡瓜の浅漬けをいただいたところであらかた腹が満ち、今回もいただこうと思っていた馬刺しの出番は結局ありませんでした。最後は店名の由来でもあるとろろご飯と味噌汁で締めくくります。

今回驚いたのは、カウンターに何と七人組の先客がいたことです。小上がりにも四人組の先客がおり、日曜晩の静まり返った呑み屋街で、この店内だけが別世界のような賑わいでした。普段は遅い時間に訪ねるからでもあるのか、他にお客がいないという場面も多く、これで商売が成り立つのかと勝手に心配していただけに、繁盛ぶりを確かめられたのはよいことでした。
店を続けて四十年という年配の店主と、さらに年配の婆さんが細々と営む店で、跡取りがいるという話も聞かないだけに、いつまでここに通えるのかと考えてしまうことはあります。しかし、この店は「籠太」と並んで愛用してきた、会津の中でもとりわけ思い入れの深い店です。来年もこの店でコシアブラの天ぷらがいただけるのを楽しみにしています。

麦とろ
会津若松市栄町4-9
0242-24-9886
1100AM-1400PM/1700PM-100AM(日曜定休)
コメント

東北一周花見の旅 2014二日目

2014-04-27 21:17:30 | 東北
水入らずの晩餐をほほえましく眺めつつ夜桜見物を切り上げます。今季は信州との兼ね合いもあり、鶴ヶ城の花盛りには間に合わなかったものの、一期一会というべき印象的な夜桜を眺めることができて満足しています。
もっとも、二の丸を除けばさすがにもう潮時という感はあるため、明日は鶴ヶ城には寄らずに先を目指すつもりです。仮にこれが去年のように辛うじて見頃という状況であれば、別れの挨拶などと称して翌日もう一周してしまい、午前いっぱい消費していたでしょう。粛々と北上して行くという大型連休前半の構想からすれば、結果的にはこれでちょうどよかったのかもしれません。
足掛け二日にわたって楽しませてくれたことに感謝します。また来年…
コメント

東北一周花見の旅 2014二日目

2014-04-27 21:07:24 | 東北
今日は二の丸の夜桜を独り占めかと思ったところが、親子三代の家族連れが現れ、芝地の隅にシートを敷いて花見を始めました。桜があらかた散って見物客も去った日曜の、それも消灯間際にやってきたということは、あえてこの時間を狙ったのでしょうか。たしかに、桜の下で水入らずの晩餐をするなら、今夜の二の丸はある意味最高の条件です。こうなると、よそ者が邪魔をしてしまっては申し訳ありません。消灯より少し早めに切り上げて、残りの時間は彼等に心ゆくまで楽しんでもらうことにしましょう。
コメント

東北一周花見の旅 2014二日目

2014-04-27 20:48:47 | 東北
例によって鶴ヶ城を反時計回りに周回し二の丸にやってきました。
ただでさえ花盛り過ぎたところへ日曜という条件も加わり、観光客が集まる天守の周辺を除けば、城内には人影もありません。二の丸も例外ではなく、広い芝地が完全な無人となっています。その状況で眺めると、見上げるような大木が照明に浮かび上がったおなじみの光景も、かなり違った趣に感じられてきます。
今日一日でさらに花が散ったとはいえ、この場所だけはまだ見頃です。この光景を独り占めできる機会はなかなかないでしょう。残り時間はこの場所で一人しみじみ名残を惜しむことにします。
コメント

東北一周花見の旅 2014二日目

2014-04-27 19:56:59 | 東北
会津盆地を周遊し、100kmあまりを走って若松に戻りました。日中25度まで上がった気温は現在15度、空には星が出ています。昨夜と同様風もなく、暑からず寒からず絶妙な塩梅です。今夜も半袖で夜桜見物に繰り出します。
コメント

東北一周花見の旅 2014二日目

2014-04-27 18:57:05 | 東北
周囲が暗くなってきたところで昼の部は終了です。この後は若松に戻って鶴ヶ城の夜桜を見物します。
昨日と今日の様子から、二の丸以外は見頃を過ぎているのが明白だったため、今夜はそれほど深入りする必要もなさそうな気がします。別れの挨拶程度で早めに切り上げ、その分早めに酒場へ入るのも一案でしょう。しかし、往生際の悪い性分からして、結局九時半の消灯まで粘ってしまう可能性は十分にありそうです。
コメント

東北一周花見の旅 2014二日目

2014-04-27 17:44:48 | 東北
どうにか日没までに観音寺川へたどり着き、川桁の駅前から上流に向かって一通り歩きました。会津盆地の桜があらかた散り終わった今なら、ここの桜は今頃満開だろうと思って乗り込んだところが、去年と全く同じ五分咲きだったのは意外でした。かき集めた雪が日陰に積み上がっていることからして、猪苗代では去年並みに寒かったのかもしれません。
気が遠くなるほど長かった夏井の千本桜と違い、ここの桜並木の長さはたかが知れています。下流から上流まで、まっすぐ歩けば10分15分といったところではないでしょうか。しかも下流側では両岸に民家が迫り、電線と電柱が目障りになったりして、撮影対象としては今一つです。それでも今回再訪したのは、ここの桜の情緒に惹かれたからとでも申しましょうか。歌の文句のごとくに雪解け水がさらさらと小川を流れ、その岸で桜が花を咲かせる様子が、雪国の遅い春を否応なしに実感させてくれるのです。
この桜並木でとりわけよいのが、上流から中程の橋にかけての眺めです。中程の橋を過ぎると、狭かった河原が大きく広がり、民家も途切れて視界が広々してきます。その河原に降りて堤の上を見上げれば、茜色に染まった夕空に桜並木が映え、やがてそれらが夕日と重なり、日没まで刻一刻と眺めが変わって、一瞬たりとも目が離せません。夕暮れ時にとりわけ絵になり、そこはかとない郷愁を誘う桜並木という点では、先週訪ねた安曇野の黒沢川と並ぶ双璧だと自分は思います。
その桜並木を、今年も頃よい時間に再訪することができました。残りの時間は河原に下り、心ゆくまで夕景を鑑賞します。
コメント

東北一周花見の旅 2014二日目

2014-04-27 16:52:11 | 東北
県道沿いのお立ち台から磐梯山を望みます。会津からの帰り道に必ず通る道ではありますが、過去二回は日没後だったと記憶しているため、一点の曇りもない山頂を間近で眺めるのは、実は去年の花見以来かもしれません。
ちなみに、「日本一周」の札を掲げたママチャリの旅人が現れ、記念撮影した後若松方面へ走り去って行きました。彼はどこから何日かけて会津にたどり着いたのでしょうか。荷物を満載したその自転車で、いくつ峠を越えたのでしょうか。今日はどこで夜を明かし、明日はどこへ向かって走り出すのでしょうか。想像をかき立てられる光景です。
コメント

東北一周花見の旅 2014二日目

2014-04-27 16:21:38 | 東北
新鶴から短区間だけ磐越道に乗り、磐梯河東で下りました。汗をかき続けて喉が乾き切ったところへ、渡りに船の龍ヶ沢湧水があるため、こちらで喉を潤します。先月はまだ分厚い雪に覆われていた園内に、今は桜が咲いています。それもあらかた散り終わっていた会津盆地とは違う、今まさに満開の桜です。距離にも標高にも気温にも大差はないというのに、状況がここまで一変するとは面白いものがあります。
ちなみに、再び晴れてきたのはよいものの、今度は日が傾きつつあり、否応なしに時間が気になってきます。残り時間は猪苗代の観音寺川へ行こうかと思っています。去年ここで眺めた夕暮れ時の桜は印象的でした。限られた時間ではありますが、その光景の再来を期待しましょう。
コメント

東北一周花見の旅 2014二日目

2014-04-27 15:51:38 | 東北
高田から坂下方面へ県道を北上します。田圃には水が張られ、その向こうには残雪の磐梯山が。会津の春を実感する印象的な光景です。
コメント

東北一周花見の旅 2014二日目

2014-04-27 15:14:03 | 東北
会津高田にやってきたのは、ここを目当てにしてのことでした。宮川の千本桜を再訪します。
川の東の岸に沿ってソメイヨシノが立ち並び、その向こうに磐梯山が鎮座するという絵柄の完成度が高く、会津では鶴ヶ城に次ぐ花見の定番となりつつあるこの場所ですが、あいにく桜は遠目に見ても散ったと分かり、鶴ヶ城と比べても大差がありません。加えて会津高田に着いた頃から日差しが陰ってしまい、磐梯山との組み合わせもぼやけて見えるのが残念です。今回は挨拶代わりに軽く散策して切り上げます。また来年…
コメント

東北一周花見の旅 2014二日目

2014-04-27 14:13:34 | B級グルメ
会津高田に着いたところでお昼をとります。立ち寄るのは駅前の「小林食堂」です。
会津でお昼といえば、普段は当然喜多方ラーメンです。しかし今日は花見が主役で喜多方に寄る予定はなく、代わりの選択肢を考える必要がありました。しかるに、大型連休の昼時という条件も重なって、若松市街の有名店はどこもかしこも行列で取りつく島がなく、結果として会津高田という突飛な選択に至った次第です。
しかし、他に選択肢がなく適当に飛び込んだというわけではありません。実は、以前ここの店主を名乗る人物から、このblogに対するコメントを受け取ったことがあります。もちろん過去この店を訪ねたことはなく、どうやってこのblogにたどり着いたのかは全くの不明ながら、残されたコメントに不思議な縁を感じ、機会があれば立ち寄ってみたいものだと思っていたのです。
そのコメントでにも書かれていた支那そばは、手打ち風の縮れ麺に分厚い巻きチャーシューを二枚、それにメンマ、なると、白ネギに焼き海苔という組み合わせで、味わいも具材も場所柄喜多方に通ずるものを強く感じます。突出した特徴こそないものの、汁一滴残さずいただける安定したおいしさでした。

ちなみに、店を出る間際にblogのことを店主に告げたところ、御礼代わりの土産を持たせていただきました。ごちそうさまです(敬礼)

小林食堂
大沼郡会津美里町柳台甲2329
0242-54-3305
1130AM-1900PM
コメント

東北一周花見の旅 2014二日目

2014-04-27 13:51:56 | 東北
若松市街を離れ、会津高田に向かって移動中です。田畑の中に小さな神社がぽつんと建ち、その両脇に八重紅枝垂が。彼方に鎮座する磐梯山の眺めもたまりません。名もなき小さな桜とはいえ、何気ない光景もまた心惹かれるものがあります。
コメント

東北一周花見の旅 2014二日目

2014-04-27 12:18:49 | 東北
ほぼ想定通りの二時間半で鶴ヶ城を一周し、午前の部はこれにて終了となります。もう少し花が残っていればと思うのは人情ながら、二の丸で見事な花吹雪が見られたのは幸いでした。これで夜桜をもう一回眺められれば十分でしょう。
コメント

東北一周花見の旅 2014二日目

2014-04-27 12:00:02 | 東北
西出丸、二の丸などと並んで鶴ヶ城の中でもとりわけ印象的な場所の一つ、三の丸の競技場を訪ねます。
今回再訪して驚いたのは、競技場が「多目的広場」と名を変えていたことです。スタンドなどもくたびれていただけに、代わりの施設に役目を譲って引退したのでしょうか。しかし、この競技場を一周する桜というのが、鶴ヶ城の中でもとりわけ立派な粒揃いの木ばかりで、その向こうに磐梯山の頂が見えるところなども実に秀逸なのです。新しい施設に生まれ変わるとしても、この景観がそのまま残ってくれることを願って止みません。
コメント