球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

映画メモ:雨を告げる漂流団地【ネタバレあり】

2022-09-25 | 趣味(旅行・娯楽・読書・食)
この間Netflixで観ました。調べてみると最近なんですね。

○どんな話?
あらすじはWikipedia引用させて頂きます。
小学6年生の航祐と夏芽は、まるで姉弟のように育った幼馴染。小学6年生になった二人の関係性は、航祐の祖父・安次の他界をきっかけにギクシャクし始めた。夏休みのある日、航祐はクラスメイトとともに取り壊しの決まった「おばけ団地」に忍び込む。その団地は、航祐と夏芽が育った思い出の詰まった家でもあった。航祐はそこで思いがけず夏芽と遭遇し、謎の少年・のっぽの存在について聞かされる。すると彼らは突然、不思議な現象に巻き込まれる。気づくと団地は大海原を漂流していた。はじめてのサバイバル生活のなかで子どもたちは力を合わせ、もとの世界に戻るための旅に出る。

○どうだった?
最初に言っておかなければならないのは、"わかった"感じで観ることは出来なかったかなということ。メッセージ性があったのであれば、汲み取れている気はしなかったということ。

1.見始め
あらすじには、"団地は大海原を…"という表現になっているが、
実際に漂流したのは団地の中の一棟(112号棟)である。
航祐がどうもモテていること、航祐と夏芽が素直になれずに口喧嘩を
多々していることで、最終的にくっついて終わりそうな雰囲気はビシバシ感じさせた。懐かしくなる。
他にも4人いるが、彼らの本劇中における役割がよく分からなかった。
というのは、主役のほかに2人くらいなら"仲間が巻き込まれた"があるが、
4人もいながら本筋に絡むような行動を誰も取らず、ちょっと持て余し感を覚えたからであろう。皆でアパートにため込んでいた食物を食い潰す。
話の方向性が見えずに、じれったい。

2.中盤
112号棟は難破する。過去に取り壊された建物が海を流れる。
取り壊された建物は、112号棟に乗り合わている誰かの思い出の場所らしい。
市民プール、夫婦げんかのあったデパート…遊園地の観覧車…
次第に食事が無くなっていく彼らは、流れてくる建物から食料を調達しようとするが、危険を冒すために怪我が多発する。満身創痍まであとちょっとというところまで心身ともに追いつめられてしまうメンバー。

3.終盤
のっぽは、この世界に皆を連れてきたのは自分であるという。
しかし、どうやったらこの世界から皆を解放できるのかは分からないという。
視聴者として、航祐と夏芽が彼の前でかつてのように笑い合えたら成仏するように世界が戻るのか?アパート(過去)への未練を捨て去ることで元の世界に戻れるのか?
そんなことを考えながら筋を追っていった。
しかし、そこが結局のっぽの表情からは読み取れないまま、航祐と夏芽が何回かやり取りした時点で
のっぽは"じゃあ、お別れだ"とばかりに皆を現生に送り返してしまった。
そこの条件がハッキリせず、元の世界に戻ることへのカタルシスのようなものはあまり感じることができなかった。安直かもしれないが、何かをフラグにしてのっぽの顔が明るくなったり憑き物が落ちるような描写が欲しかったと思った。
途中から、頭の中で"僕はここにいていいんだ!" "おめでとう" "おめでとう" 
というアニメのことを思い出していたので、おそらく夏芽にとっての
それ相応のイベントがあったはずである。


もう一つ気になった点:キャラの見た目
見た目で言うと、主役格の二人の瞳(虹彩)の色が現実的ではないところが
印象的であった。航祐は青、夏芽は紫。他のキャラはブラウン系統であり、現実に居そうな色合いである。こういう形で見た目で主人公と脇役を分かりやすく分けるようなことなんだろうか、と思った。
自分はボーイッシュなキャラというのにあまりときめかないので、
夏芽にはときめかなかった(どうでもいいね)。


自分にとっての団地とは…
かくいう自分も中学校までは団地育ちであった。
クラスメートもかなりの割合が団地住まいの世帯で占められていた。
劇中の窓から見える風景や、狭い階段、狭い部屋が当時の生活を思い出させた。
団地の描写は自分の記憶をよく呼び覚ましてくれたが、
一点大きく違うのは、自分が住んでいた団地に対する懐かしさはあっても
その当時のときめき、輝かしさは団地とは切り離された記憶である、という点だった。

小学校、中学校の頃のときめきは教室に残したままである。
コメント
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