球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

読書メモ:道士郎でござる(漫画) 【ネタバレあり】

2022-09-20 | 趣味(旅行・娯楽・読書・食)
いやー、マンガの読書メモが多いですね。
ついでに言うと比較的最近の西森博之の作品も多いですね、ということで…
2004~2006年に(なので天使な小生意気の直後くらい)連載になった作品。

どんな作品?
ネバダ州でフィジカルを化け物レベルに鍛え上げた、
もののふ(侍)の風体を持つ若者道士郎が日本の家族の元へ帰ってきて
周囲を巻き込んだどんちゃん騒ぎ…という感じなのだが、
ちょっとしたきっかけで彼はモブキャラ外見のマジメ高校生、健介に仕えるようになる。
健介は道士郎から殿と担がれ、成り行きで悪の学園の級長を務めたりすることになったりもするが、彼自身が大きく成長し、喧嘩が弱くても道士郎の後ろ盾がなくとも周囲から認められて慕われていくようになる、という話。

どうだった?
直前の2作に比べて大きくボリュームを落とした(全8巻)が、
主要なキャラおよび開久の1-Dのメンツ等(池内とか)愛せるキャラが多数。
笑えるシーンもワクワクする話もそこここにある。
それから恐らくこの漫画のレビューで大半の人が書いていることだが、
主人公の健介の胆力が凄く、後半はこいつの活躍を見たいがために話を読み進めていくようになる。というか自分がそうだった。
もともとのプロットがそうだったかもしれないが、健介が勝手に動いてここまでの存在になった、という感じであって欲しい。
一方で、漫画タイトルの道士郎は、暴力に特化したドラえもんのような一歩引いた存在になっていく。あるいは喧嘩の締めとお笑い担当という感じ。

○ストーリーに関して
多くの彼の作品がそうであるように、ヤクザに喧嘩を売るシーンが出てくる。
まぁ正直「またこの展開か」という気はした。

個人的には健介が級長になるだけでなく、学年を席巻するだけでなく、
開久全体を配下に治めることを期待しながら読んでいたのだが、
実際は学年の中でちょっと知られた存在になったくらいのところでヤクザの方に話が行ってしまう。このあたりではあまり面白くなく思っていた。
しかし、仮に開久全体を配下に置いたとして、その後どうするのか?を考えたときに、
やっぱり悪の開久を配下に置いた次は巨悪(ヤクザ)に勝つという展開になって然るべきなのかもしれなかった。ただ、そのあたりが圧縮されただけなのかもしれないな、
なんで圧縮することになってしまったのだろうか…とか、大人の事情に思いを馳せた。

実際、ささやかな形ではあるが、健介がヤクザに勝ったところで
喧嘩系のストーリーは終わり、彼は警官を志すことになる。この終わり方は恐らく理想形だったのだろうと思う。
自分が思っていたように開久を統べるような立場になったとしても、最終的にはこれと同じ終わり方をしただろう。

主人公が喧嘩が弱いのに持ち前の強運と度胸で何とかする、
という点では特攻の拓やカメレオンを思い出さないでもないが
(どうしようもないくらい年齢が特定される表現)、
自分としては、上にもちょっと言ったように、これが西森風のドラえもんかもしれないというのが最終的な感想。

個人的には前半は微妙だったので、
3巻まで読めたら後は楽しく読めるんじゃないかと思います。
コメント
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