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もっきぃの映画館でみよう(もっきぃの映画館で見よう)

年間100本の劇場鑑賞、音声ガイドもやってました。そんな話題をきままに書きます。ネタバレもありますのでご注意を。

ザ・インタープリター 興味深い伏線が一杯、ニコール・キッドマンとショーン・ペンのがっぷりよつ

2005-05-29 20:00:05 | その他(洋画)
タイトル:ザ・インタープリター/アメリカ・ユニバーサル映画
ジャンル: インテリジェント・反戦サスペンス/2005年/118分
映画館:<京都>京極東宝3(100席)
鑑賞日時:2005年5月28日(土),13:20~ 20人
私の満足度:75% 
オススメ度:75%
※同名原作本:スザンヌ・グラス著白夜書房2000円<こちらは通訳と企業の医学者の
ラブロマンスだそうです。> 
※同名ノベライズ本:デイヴィッド・ジャエイコブス著、徳間文庫620円

私がはじめて同時通訳を耳にしたのはたぶん1969年アポロ11号の月面着陸。
あのとき3人の宇宙飛行士がいて、ひとりは月面におりなかったと聞いて、
わざわざ月まで行ってどうしておりなかったんだろうと幼心にも
気の毒に思ったものである。当時は知らなかったのだが、その同時通訳を
していたのが今で言えばカリスマ通訳鳥飼玖美子<現立教大教授>さん。
その影響か、通訳という職業にたいするあこがれは、おそらく今の10-20代
よりも30-40代の方が強いのではないだろうか?私も少しそういうところが
あり、あのニコール・キッドマンが実際の国連本部で同時通訳者を演じるのを
楽しみにしていたのでありました。

冒頭

砂埃。かろうじてみえるのは山の輪郭、電線が十分なたるみとともに続く
数本の電柱。はたしてどこまで道がつづいているかも定かでない。
頭の上に荷物をのせてゆっくりとあるく人影がひとりふたり見え隠れする。
『アフリカ・マドバ』
一台の四輪駆動車が現れる。前列に黒人ひとり白人ひとり。後列の白人は
ニコンの一眼レフを構えている。かばんには大学ノートが数冊。
目に絆創膏を十字に貼った通行人に社内からシャッターを切る。
「住民の半分が殺された。」
「残りの半分もか?」

村の入り口らしい木製の門、かなりボロボロ荒れたアーチに文字。
『デドモンド・ズワーニを歓迎する』車は、廃墟のような競技場
の外で止まる。前列の二人につづいて、後列の男も降りようとする。
「フィリップ、2人の方がいい」「ゾーラのいうとおりだ」
車を降りて、競技場へとはいってゆく二人。後ろ姿に車のなかから
シャッターを切るフィリップ。

車からおりた黒人(ゾーラ)「俺が話す」頷きながら息を呑む白人。
通路をぬけてグランドへ、草も生えてあれた地面。
3人の少年が、サッカーをしているが、二人に気づいて振り返る。
慎重な目。『???』『???』(現地語での会話は字幕もなし。)

一番背の高い少年が、別の少年の背中を押すように叩く。
おされた少年は、二人をつれてスタンドの下へと導いてゆく。
暗い通路を曲がって、先を指差す少年。鼻を手首で抑えるゾーラ。
薄暗い部屋の中に、死体が並ぶ。二三十人。壁に『ゾーラ』の文字。
外で少年の叫び声『誰か来る』。走りだす少年、つづいて二人も。
一瞬の空白。誰か?目をあわすゾーラと白人。銃声。前のめりに
倒れるゾーラ。前で銃を腰に構えているのは先ほどの一番背の高い少年。
続いて白人にも。倒れて仰向けになった額に銃口が突きつけられる。
(少年の声)『先生からだよ』再び銃声。

フリップは競技場の外で銃声を聞いて車から飛び降り、草むらに隠れる。
グランドから外へとでてゆく、少年たちの後姿。焦点距離が手前にきて、
サッカーボールにピントがあう。手製の布で作ったサッカーボール。

協議上の外に、車が到着。スーツを着こなした大柄な黒人。つづいて
制服を着た兵士が3人が降りる。草むらからシャッターを切るフィリップ。

(アメリカ・ニューヨーク)
大きな建物と行きかう車。上からのなめるような映像に、聞きなれない
言葉が飛び交う。国連会議室、広い。1900席。壇上で演説する黒人。
『民主主義』『主権国家』『一国が世界の平和を脅かす』
会議場を見下ろすように、通訳ブーズが並ぶ。
字幕は、ずーっと日本語ながら、言語はいろいろと変わり、
ゆっくりと丁寧な口調の英語になったとき、ブースのなかで金髪に
ヘッドフォン姿のシルビア(ニコール・キッドマン)の口の動きと
同調する。


うーん、カッコイイ登場シーン。実際の会議場を効果的に使った
見事な導入部だ。(本当は通訳ブーズだけは実際のは狭すぎるので、
セットだったとあとから知りました。)

ストーリーは省きますが、主演の二人のバランスもよく、
ニコール・キッドマンの映画でも、ショーン・ペン(シークレット
サービスのトビン)の映画でもなく二人の映画になっていたと思います。
1+1が3にはなりませんでしたが2.5ぐらいかな?

ここからカナリネタバレ。



伏線がいろいろあるのですが、私が気に入ったのはふたつ。
ひとつめは、はじめてシルビアとトビンが会う場面で、
『”消える”を”死ぬ”と訳したら通訳は失格よ!!』と怒るところ。
もうひとつは、アフリカの習慣として言い伝えられた、遺族が、犯人を
どう処罰するか決めるという話。殺されて一年たつと、川辺で夜通し
お祭りをして、朝犯人は縛られて船から川へ落とされる。遺族は犯人を
溺れさせて一生喪に服すか、助けて喪を解くか選ぶ。助けることで
悲しみを乗り越えてその後も生きていけるという考え。

気になったところは、少しご都合主義かなあと。ショーン・ペンは、妻を
失った直後という究極な状況とまでしなくてもいいのに。そらから、
シルビアの過去が明らかになってくるところで昔の写真がいろいろでて
きますが、あまりにニコール・キッドマンの極めた美しさが残っていただけに、
リアリティがなかったです。それにラストはどうやって???
あと、本編でも字幕をつけていないセリフが予告編では、字幕入りで
流れているのはいかがなものか!?私は予告編を覚えてなくてよかった
と思いました。でも、まあ十分楽しみました。

ザ・インタープリター@映画生活


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7 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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TBありがとうございました (ココ)
2005-05-30 21:42:14
初めまして

この作品、私は85%くらいの満足度でした♪

特にショーン・ペン(トビン)が最初の方でバーからどこかへ電話して留守電を2回聞き、少し笑みをこぼす・・・この場面があとでどういうことなのかわかるのですが、なんか胸にグッときてしまいました。



後はやはり冒頭の場面・・・実際にこういう子供が世界にいるのかと思うと哀しかったです
返信する
ご無沙汰してしまってます~ (chishi)
2005-05-31 00:11:37
こんばんは!

私が一番印象に残ったのは、もっきぃさんと同じあの川の話。

すごく深い話だと思うのです。

本当にあのあたりの地域に伝わる話なのかしら。

それともこの作品の為に作られた話なのかしら…。
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Unknown (もっきぃ)
2005-06-03 00:31:56
ココさんへ

 うーん、思い出せません。そんな意味深なシーンがあったんですね。私は、あの最初のバーのところではコインをカウンターでいじっていて、ミュージックボックスにいって電源抜いて入れて、そのあと曲をかえましたよね。あれれ・・・って感じで。ノベライズ本では別の人が、バーテンダーに職務の邪魔だからと音量を絞らせたとあるのですが、ショーペンの行為も同じ意味なのでしょうか?このあたり理解不足です。



chishiさんへ

 またまたコメントありがとうございます。川の話は、効果的ですし、それだけで興味深い話ですね。
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TB有難うございました (&財)
2005-06-03 08:48:02
クー語は言語学者も携わるほど精巧に作られてるんですね。それが映画に生きているような気がします。
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&財さんへ (もっきぃ)
2005-06-03 23:31:44
映画のためにひとつの言語を考えるなんてすごいですね。語感も自然に関しました。
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Unknown (あずーる)
2005-06-09 22:49:27
はじめまして♪TBありがとうございました。

私は英語関係の仕事してるのでタイトルだけでひかれてましたが、内容はTheがついてるから、シルビィアという通訳者がテーマみたいでしたね。なんか、原作よみたくなりました。



へぇ・・・鳥飼さんが、アポロの通訳してたんですか?そんなお年には見えないけど。NHKで去年してた鳥飼さんの英語講座、内容がすんごく進歩した英語講座でしたよ。



そうそ、映画にもどって、やっぱりニコールは美くしすぎ・・。でも内容が重いから、綺麗な人がでたほうが、いろんな人がみてくれるんじゃないでしょか。私は、おじさんになった冴えないけど、冴えてたショーンペンがよかったです。
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あずーるさんへ (もっきぃ)
2005-06-15 06:53:43
わたしも、タイトルに引かれた部分があります。

残念ながら英語関係の仕事ではありませんが、一時期サイマルアカデミーにかよっておりました。通訳コースではありませんが。英語専修ES1。

鳥飼さんの英語講座、聞いてみたいなあ。





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