もっきぃの映画館でみよう(もっきぃの映画館で見よう)

年間100本の劇場鑑賞、音声ガイドもやってました。そんな話題をきままに書きます。ネタバレもありますのでご注意を。

「石内尋常高等小学校 花は散れども」 95歳のエネルギーをいただく

2008-10-27 02:21:00 | その他(邦画)
タイトル:石内尋常高等小学校 花は散れども、
ジャンル:新藤兼人監督作品、本人の自伝的作品/2008年/118分
映画館:テアトル梅田2(60席)14:25~、35人
鑑賞日時:2008年10月25日(土)
私の満足度:65% 
オススメ度:65%(年配の観客が多く、笑いがあちこちで起こって
いたので、とくに年配の方にオススメするのがいいかと思います。)

<冒頭>
女性数人の歌声「高い山からひとしずく 水はくだけて川となる
   学びの庭をとおりぬけ 田畑をうるおし海へとそそぐ
   ああ石内けんじ石内小学校」

コーラスをバックに黒字に白文字で、メインタイトル
つづいて、キャスト・スタッフも黒字に白文字のシンプルなもの

竹の棒が、文字通り真っ黒で木目も見える板の黒板を叩く。二度三度。
教室の一番前の席で、ぐっすりと眠っている少年。まわりの子供
みんながみんながみている。子供は、着物だったり制服だったり。
教壇には背広にネクタイ姿の教師が見下ろしている。
黒板には「伝書鳩」とだけ漢字がかかれている。
先生「コラーッ。三吉、先生の前でいびきをかいて寝るとは何ごとぞ。」
三吉、はっと目をさまし顔を上げる。丸顔、五分刈り頭をかく。素直そうな子。
先生「後ろに行って、防火用のバケツをもってたっとれ」
三吉「はいっ」と言って教室の後ろでバケツを持ってたつ。教室の後ろは
   習字で書かれた「誠忠」の文字がならんでいる。
先生、教室を見渡してみんなの様子をみる。
先生「良人。先生のいっちょることは正しいか?」
良人、立ち上がって「正しいと思います。」
先生、再びみんなを見渡して「みどり。先生の行為は正しいか?」
みどり、立ち上がって
「学校は勉強するところじゃけん。眠ったらいかんと思います。」
先生「そうか。三吉、昨日なにをしとった。」
三吉「はい。あらしがくるというので、稲刈りをしていました。」
   おばあちゃんがちょうちんをもって照らしてくれました。」
先生「おまえは、なにをしとった。」
三吉「稲を刈ってました。」(先生のまばたきをして驚きの表情)
先生「夕食はたべたのか。」
三吉「はい、おにぎりをたべました。」(はきはきと答えつづける。)
先生「米か」
三吉「麦です。」
先生「いつまで稲刈りをしとった。」
三吉「朝までです。」
先生が頭を書く。
先生「先生は、なーんも知らんでわるかった。三吉、席に戻ってくれ。
   思う存分いびきをかいてねろっ。」
教室がわらいに包まれる。大きく口をあけて笑う少年たち。
先生、みんなに向かって叫ぶ「百姓は、米をつくって麦を食っとるんじゃ!」

<ストーリー:gooより>
広島県の山の中にある石内尋常高等小学校。ちょっと破天荒な市川先生は、
授業中居眠りした生徒がいても、田植えの手伝いをしていた事が分かると
咎めず、修学旅行では他人に田舎者と罵倒されると喧嘩する。
教え子の良人、三吉、みどりは大の仲良し。ある日、良人の家が破産し、
村を去っていく。30年後。良人は東京で売れない脚本家となっていた。
村の収入役となった三吉が、市川先生の定年祝いに
かつてのクラスメイトを招集する。
[ 2008年9月27日公開 ]

<感想>
どこまで正確かは疑問が残るのだが、今回ほどスラスラと冒頭がでてくることは
めずらしい、広島の言葉は?だが八割ぐらいあっているのでは?それぐらい、
すーっとはいってくる脚本/映画で、お見事としかいいようがない。

「やじきた道中 てれすこ」の平山秀幸監督は、中村勘三郎のことを日本一の
名優。今回教師役の柄本明のことを、日本一の怪優と言っていたのを思い出す。
そして今、女優で怪優といえば、大竹しのぶではなかろうか?二人の怪優が、
その怪優ぶりをいかんなく発揮している。監督役の豊川悦司がやや控えめに
演出されているように感じたのが印象的。三吉役の六平直政は、いつも以上に
いきいきと演じているようにみえたし、最初のシーンでの若い教師役から、
30年後柄本明の妻を違和感なく演じる川上麻衣子も意外な発見。
この5人が主な登場人物。

このほか、修学旅行の旅先で映画撮影にでくわしたときの監督役が
原田大二郎、助監督役が田口トモロヲ。校長が三谷昇。
30年後の同窓会で戦争を語る、大杉漣、りりィ、などなど豪華脇役総出演。

名演技あり、出会いと別れあり、乱闘あり、名セリフあり、
そしてやはり戦争かなあ、95歳の監督が発散するエネルギーをもらいました。

<最後にひと言>
新藤兼人監督が脚本の東映「おもちゃ」(深作欣治監督)は、私の
ベストムービーです。

石内尋常高等小学校 花は散れども@映画生活


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2 コメント

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TBありがとうございます。 (BCwall)
2008-11-02 13:43:17
TBありがとうございます。
新藤監督の瑞々しい感覚が見事でした。
のっけから、先生の性格や人柄を鮮明に打ち出す、語り口も鮮やかでした。
返信する
BCwallさんへ (もっきぃ)
2008-11-03 02:07:10
コメントありがとうございます。
のっけのシーンは、本当に「つかみはOK」という
感じでうまいなあと思いました。
でも、あの丸顔の少年はとても徹夜したとはおもえないさわやかな顔してますね。
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