タイトル:ブーリン家の姉妹 制作国:米英
ジャンル:16世紀イギリス王室ドラマ/2008年/115分
映画館:TOHOシネマズ梅田アネックス9(269席)18:XX~、150人
鑑賞日時:2008年10月25日(土)
私の満足度:75%
オススメ度:75%
【冒頭:英文シナリオベースです。】
昼、原っぱ(トウモロコシ畑らしい)、こどもの笑い声。
女の子二人と男の子一人。3人の背丈ほどの草むらの中。名前を呼び合いながら
走り出す。女の子二人に少し遅れて男の子。
※この3人がブーリン家の子供3人。アン、メアリ、ジョージ。
林の中、父母が並んでゆっくりと歩く。
父:アンに正式の結婚の申し込みがあった。ケアリー家からだ。
母:なんて素敵な。
父:断ったよ。
母:えっ。なんですって。(振り返る)
父:それで、メアリを申し出た。アンは、ウイリアム・ケアリーにはもったいな
い。商人の息子よりももっと上手だ。
母:メアリを過小評価しているのではありませんか。
父:そうではない。アンよりやさしいし、きれいだ。
だが、この世界で出世してゆくには美貌とハート以上のものが必要だ。
かけっこは、最初メアリが先頭に立つが、アンが抜き返して、接戦となるが
一番で走ってきたアンが父のところにくる。笑顔で迎える父。
父:ブラボー。アン。
テロップ『10年後』教会の鐘がなる。
部屋の中、花嫁衣装のメアリ(スカーレット・ヨハンソン)。メイドと裁縫師が
着付けをしている。アン(ナタリー・ポートマン)がジョージと共に入ってくる。
ジョージ:ヒュー!
アン:私より若いのに、私より美しい。私より先に結婚して。私は影が薄いわ。
私はだだの、もうひとりのブーリン家の女。
メアリ:そんなことないわ。
ジョージ:これで、不浄な3人組みも終わりだな。
メアリ:違うわ。私は結婚する。それだけ。それ以外は何もかわらないわ。
肩に手を回して抱き合う3人。
【感想1】
映画をみたときには、なんで男の子がはいとんにゃ、アンもメアリも区別つかん
なあ、この十歳にもいかないくらいの女の子に結婚話?と思っているまに通り過
ぎてしまった。だが、あらためてセリフを読むと何と詰まっていることか。
まだ十歳というのに、父はすでに姉妹を駒のように扱ってのし上がろうとして
おり、娘に対する評価や価値観が、この時代のこの映画全体を暗示させる縮図に
なっている。
『美貌とハート』のメアリ。『最初に愛されたのは妹メアリ』というは映画の
キャッチコピーだが、『欲望の塊』ヘンリー8世が『お色気の塊』スカーレッ
ト・ヨハンソンに一目ぼれするのは納得。いままでの映画よりもスカーレット・
ヨハンソンは少し優しく思えました。
一方の、アンは、まさに『それ以上』。タイトルの『ブーリン家の姉妹』は、
日本人向けのタイトルとしてはよくできていると思うけれど、原題は『ジ・ア
ザー・ブーリン・ガール』。私は、有名なアンに対して知られていないメアリの
ことを言っているのだと思っていたのだが、2つめのシーンで自ら自分のことを
『私はだだの、もうひとりのブーリン家の女。』と言っているからアンのことな
のかもしれない。映画としての主演も、あの手この手でのぼりつめてゆき最期は
処刑台に送られるアンと言ってよいだろう。
二人の対照的なシーンとして出産するところ。メアリの出産シーンは、あえぎ
ながらもフェロモン発散。アンの出産シーンは、執念を感じさせられた。いずれ
にせよ、2大女優共演の舞台として、題材といい、海苔巻きのようにキュっと締
めた衣装といい、ストーリーといい、ふさわしいもので大いに楽しませてくれま
した。
もっとも、歴史物語としてみれば『エリザベス ゴールデンエイジ』もそう
だったのですが、たぶんよく知ってる人ほどつまらなかったのでは?人間ドラマ
として見たほうがよさそうです。
【ストーリー:gooより引用】
16世紀のイングランド。新興貴族のトーマス・ブーリン卿は一族繁栄のために才
気あふれる美しい娘アンを国王ヘンリー8世の愛人に差し出すことを目論む。と
ころが、王の心を捉えたのはアンの妹で凡庸だが気立ての良いメアリーだった。
一家は宮中に移り住み、メアリーは王の子を身籠る。一方、妹に栄誉を奪われた
アンは一時フランスへ追放されるが、やがて呼び戻され、大胆にも王妃の座を
狙って策略を巡らすのだった。
[ 2008年10月25日公開 ]
【感想2】
この頃のイギリスっていったいどうなてるんだ、メチャクチャではないか。とい
うのが、この時代に関する感想。中学校のときだったかに、離婚のために国の宗
教を変えた王様として、ヘンリー8世は記憶に残っています。純情な私は、ひど
いことだけとまあ好きな人のために、偉い王様は、悩みに悩んで決められたんだ
ろうと思ったわけです。それがこの映画をみると、プライドを傷つけられてだだ
をこねたうえに責任転嫁をしながらのやりたい放題。それをエリック・バナが威
厳と風格をもって演じているのも凄いが、実際の王様が40年近くも君臨してい
たというのはビックリですね。イングランド王室史上最高のインテリでスポーツ
も万能との片鱗は映画では、みれませんでした。のっけから落馬ですからね。
話はかなり反れますが、イギリスといえば、もうひとつ昔とイメージが異なる
のがシェークスピアであり、その時代の人たち。一番人気とも言われる『ヴェニ
スの商人』を、小学生のときは、なんとなく金貸しのユダヤ人が生肉1キロを狙
う悪者で、それを知恵と機転で切り抜けてめでたしめでたしという印象を持って
読みました。でも、数年前に主演アルパチーノが金貸しシャイロックを演じる映
画(『ヴェニスの商人』2004年のオススメ作品)を見て、原作を読み返してみると
これはとてつもない差別意識のはびこった悲劇ではないですか。特に、金を貸し
た、シャイロックが命を狙ったとのいいがかりで、財産没収された上に宗教変え
ろとまで言われるのはみておれませんでした。それだけアルパチーノの演技がみ
ごとだったともいえます。シェークスピアは、そんなことお見通しで喜劇とした
のでしょうが、あと百年たったら喜劇と思うひとはいなくなるかも?あるいは世
の中から、こんなに差別的なものはないとして消えてしますかも?と思います。
でも、そのシェークス・ピアが書いた『ヘンリー8世』というのも読みたくな
りますね。このあたりイギリスの世界戦略に乗せられている気もしますが・・。
【最後にひと言】
ハリウッドスターの豪華共演を楽しんだところで、日本で匹敵するような共演は
誰と誰かなと考えて思いついたのが、宮沢りえと松たか子。そしたら、何と来年
早々に舞台では実現するんですね。野田秀樹演出『パイパー』なんでも千年後の
火星で生き延びる姉妹役だとか。あーみたい。でも東京・渋谷だけのようで涙。
・ブーリン家の姉妹@映画生活
・「ブーリン家の姉妹」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
ジャンル:16世紀イギリス王室ドラマ/2008年/115分
映画館:TOHOシネマズ梅田アネックス9(269席)18:XX~、150人
鑑賞日時:2008年10月25日(土)
私の満足度:75%
オススメ度:75%
【冒頭:英文シナリオベースです。】
昼、原っぱ(トウモロコシ畑らしい)、こどもの笑い声。
女の子二人と男の子一人。3人の背丈ほどの草むらの中。名前を呼び合いながら
走り出す。女の子二人に少し遅れて男の子。
※この3人がブーリン家の子供3人。アン、メアリ、ジョージ。
林の中、父母が並んでゆっくりと歩く。
父:アンに正式の結婚の申し込みがあった。ケアリー家からだ。
母:なんて素敵な。
父:断ったよ。
母:えっ。なんですって。(振り返る)
父:それで、メアリを申し出た。アンは、ウイリアム・ケアリーにはもったいな
い。商人の息子よりももっと上手だ。
母:メアリを過小評価しているのではありませんか。
父:そうではない。アンよりやさしいし、きれいだ。
だが、この世界で出世してゆくには美貌とハート以上のものが必要だ。
かけっこは、最初メアリが先頭に立つが、アンが抜き返して、接戦となるが
一番で走ってきたアンが父のところにくる。笑顔で迎える父。
父:ブラボー。アン。
テロップ『10年後』教会の鐘がなる。
部屋の中、花嫁衣装のメアリ(スカーレット・ヨハンソン)。メイドと裁縫師が
着付けをしている。アン(ナタリー・ポートマン)がジョージと共に入ってくる。
ジョージ:ヒュー!
アン:私より若いのに、私より美しい。私より先に結婚して。私は影が薄いわ。
私はだだの、もうひとりのブーリン家の女。
メアリ:そんなことないわ。
ジョージ:これで、不浄な3人組みも終わりだな。
メアリ:違うわ。私は結婚する。それだけ。それ以外は何もかわらないわ。
肩に手を回して抱き合う3人。
【感想1】
映画をみたときには、なんで男の子がはいとんにゃ、アンもメアリも区別つかん
なあ、この十歳にもいかないくらいの女の子に結婚話?と思っているまに通り過
ぎてしまった。だが、あらためてセリフを読むと何と詰まっていることか。
まだ十歳というのに、父はすでに姉妹を駒のように扱ってのし上がろうとして
おり、娘に対する評価や価値観が、この時代のこの映画全体を暗示させる縮図に
なっている。
『美貌とハート』のメアリ。『最初に愛されたのは妹メアリ』というは映画の
キャッチコピーだが、『欲望の塊』ヘンリー8世が『お色気の塊』スカーレッ
ト・ヨハンソンに一目ぼれするのは納得。いままでの映画よりもスカーレット・
ヨハンソンは少し優しく思えました。
一方の、アンは、まさに『それ以上』。タイトルの『ブーリン家の姉妹』は、
日本人向けのタイトルとしてはよくできていると思うけれど、原題は『ジ・ア
ザー・ブーリン・ガール』。私は、有名なアンに対して知られていないメアリの
ことを言っているのだと思っていたのだが、2つめのシーンで自ら自分のことを
『私はだだの、もうひとりのブーリン家の女。』と言っているからアンのことな
のかもしれない。映画としての主演も、あの手この手でのぼりつめてゆき最期は
処刑台に送られるアンと言ってよいだろう。
二人の対照的なシーンとして出産するところ。メアリの出産シーンは、あえぎ
ながらもフェロモン発散。アンの出産シーンは、執念を感じさせられた。いずれ
にせよ、2大女優共演の舞台として、題材といい、海苔巻きのようにキュっと締
めた衣装といい、ストーリーといい、ふさわしいもので大いに楽しませてくれま
した。
もっとも、歴史物語としてみれば『エリザベス ゴールデンエイジ』もそう
だったのですが、たぶんよく知ってる人ほどつまらなかったのでは?人間ドラマ
として見たほうがよさそうです。
【ストーリー:gooより引用】
16世紀のイングランド。新興貴族のトーマス・ブーリン卿は一族繁栄のために才
気あふれる美しい娘アンを国王ヘンリー8世の愛人に差し出すことを目論む。と
ころが、王の心を捉えたのはアンの妹で凡庸だが気立ての良いメアリーだった。
一家は宮中に移り住み、メアリーは王の子を身籠る。一方、妹に栄誉を奪われた
アンは一時フランスへ追放されるが、やがて呼び戻され、大胆にも王妃の座を
狙って策略を巡らすのだった。
[ 2008年10月25日公開 ]
【感想2】
この頃のイギリスっていったいどうなてるんだ、メチャクチャではないか。とい
うのが、この時代に関する感想。中学校のときだったかに、離婚のために国の宗
教を変えた王様として、ヘンリー8世は記憶に残っています。純情な私は、ひど
いことだけとまあ好きな人のために、偉い王様は、悩みに悩んで決められたんだ
ろうと思ったわけです。それがこの映画をみると、プライドを傷つけられてだだ
をこねたうえに責任転嫁をしながらのやりたい放題。それをエリック・バナが威
厳と風格をもって演じているのも凄いが、実際の王様が40年近くも君臨してい
たというのはビックリですね。イングランド王室史上最高のインテリでスポーツ
も万能との片鱗は映画では、みれませんでした。のっけから落馬ですからね。
話はかなり反れますが、イギリスといえば、もうひとつ昔とイメージが異なる
のがシェークスピアであり、その時代の人たち。一番人気とも言われる『ヴェニ
スの商人』を、小学生のときは、なんとなく金貸しのユダヤ人が生肉1キロを狙
う悪者で、それを知恵と機転で切り抜けてめでたしめでたしという印象を持って
読みました。でも、数年前に主演アルパチーノが金貸しシャイロックを演じる映
画(『ヴェニスの商人』2004年のオススメ作品)を見て、原作を読み返してみると
これはとてつもない差別意識のはびこった悲劇ではないですか。特に、金を貸し
た、シャイロックが命を狙ったとのいいがかりで、財産没収された上に宗教変え
ろとまで言われるのはみておれませんでした。それだけアルパチーノの演技がみ
ごとだったともいえます。シェークスピアは、そんなことお見通しで喜劇とした
のでしょうが、あと百年たったら喜劇と思うひとはいなくなるかも?あるいは世
の中から、こんなに差別的なものはないとして消えてしますかも?と思います。
でも、そのシェークス・ピアが書いた『ヘンリー8世』というのも読みたくな
りますね。このあたりイギリスの世界戦略に乗せられている気もしますが・・。
【最後にひと言】
ハリウッドスターの豪華共演を楽しんだところで、日本で匹敵するような共演は
誰と誰かなと考えて思いついたのが、宮沢りえと松たか子。そしたら、何と来年
早々に舞台では実現するんですね。野田秀樹演出『パイパー』なんでも千年後の
火星で生き延びる姉妹役だとか。あーみたい。でも東京・渋谷だけのようで涙。
・ブーリン家の姉妹@映画生活
・「ブーリン家の姉妹」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
私からのTBが不調で申し訳ございません。
本作の宣伝では、姉妹が王の愛を取り合うような内容が全面に押し出されていましたが、
父親や叔父の策略に振り回されたり、姉妹の絆や、
宮廷内の複雑な人間関係があったりと、
予想以上に見応えがありました。
試写会ですか、いいですねえ。都会ですねえ。
こちら福知山では試写会というのは聞いたことが
ありません。私も昔は東京で試写会に行ったり
したものでしたが、そのときもどうも中年男性には
あたりがすくなようで・・・とほほでした。
管理人様、不適切な場合削除お願いいたします。
下記について告知させて下さい。
京都造形大で森崎東監督の未ソフト化映画2本を含む4作品を上映します。
第二回京都造形芸術大学映画祭
≪森崎東の愛と冒険≫
11/22(土)
14:00~
『喜劇 女は度胸』(1969)
15:50~
『ニワトリはハダシだ』(2003)
18:00~
トーク「希望は戦争」
森崎東×赤木智弘×北小路隆志
11/23(日)
14:00~
『生まれかわった為五郎』(1972)
15:55~
『喜劇 特出しヒモ天国』(1975)
17:30~
トーク「女の愛と冒険」
森崎東×緑魔子×林海象
会場:京都造形芸術大学内 春秋座
http://www.k-pac.org/theatre/index.html
通し券 一般2500円/学生・シニア1500円
1日券 一般1500円/学生・シニア1000円
※ 学生・シニアの方は、要身分証明書提示
チケット取扱い:075-791-8240(平日10時~17時)京都芸術劇場チケットセンター
問い合わせ:075-791-8468(平日9時~17時)京都造形芸術大学 映画学科 研究室
『為五郎』と『ヒモ天国』は見逃すとそう簡単には観られません!
当日は豪華ゲストのトークを間近で見られること必見です!
まだ充分間に合いますのでぜひよろしくお願いします!
森崎東監督を生でみれて、緑魔子さんまでこられるとは・・・・。
残念ながら参加できませんが、盛況をお祈りいたします。