凡凡「趣味の玉手箱」

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対新疆、モンゴル、チベット

2005-10-03 19:18:57 | 読書備忘録
漫画:ジョージ秋山、監修:黄文雄、マンガ中国入門 やっかいな隣人の研究、飛鳥新書(2005年8月15日発行)から
第5章 世界革命から中国覇権へ抜粋:中国関連のニュースを読むときに大変参考になると思います。

1 近代だけでも対外戦争は17回:犠牲者は韓国軍だけでも戦死者41万人、負傷行方不明者42万人

2 目的のためなら人民の犠牲もいとわない:中国は1950年に勃発した朝鮮戦争に北朝鮮政権崩壊阻止目的で参戦。目的のためなら人民の犠牲もいとわない人海戦術を繰り広げた中国軍であったが、連合軍の最新兵器の威力を思いしらされた。アメリカ調査に因れば、中国軍の死傷者約90万人、国連軍の死傷者は韓国軍94万人、米軍が約13万人であった。

3 胡錦濤主席はチベットの支配者だった:1950年中国は農奴解放という大義名分でチベットに侵攻120万人以上のチベット人の命が奪われた。チベットは中国政府の支配下に。1951年中国とチベット政府は平和協定締結。1959年中国はダライラマを中国に招待。だが、ラマを監禁するという噂が広まると数万人のチベット人がポタラ宮殿を包囲。中国と結んだ平和協定破棄、しかし僅か2日で中国により鎮圧される。ダライ・ラマはインドへ亡命。

4 印パ戦争にインドの背後を急襲:ダライ・ラマがインドに亡命を契機に中・印の関係病妙に変化。国境で小競り合い。1962年軍事衝突。人海戦術で中国断然有利、頃合いを見計らって停戦協定提案。東部国境のマクマホン地区をこれまで通りインドに委ねる代わりにラダク地区の実行支配をインドに承認させた。ラダク地区を新疆・チベット道路が通っていて、この地区を初めから欲しかった。

5 三つに分断されたモンゴル帝国:モンゴル人は現在、ロシア、モンゴル国、中国の内モンゴルの三つに分断されている。モンゴル民族は中華民族の一つであるからチンギスハーンは中国人の祖先、中国民族の英雄だと中国側は主張している。新疆は清王朝末期の回乱(イスラム教との反乱)が平定した後で、「新しい領土」という意味で名付けられ新しい行政区に編入されたもの。新疆のイスラム教徒にはチベットの仏教徒とは違いジハード(聖戦)がある。しかも彼ら(イスラム教徒)の心の都は決して北京でない。メッカであるため仏教徒とは違う強さがある。

6 中ソ国境紛争:1969年中国とソ連の国境にある珍宝島で軍事衝突が起こった。当初は中国有利だったがソ連の近代兵器の前に敗戦、軍の近代化の必要性を痛感。

7 懲罰戦争としての中越(中国・ベトナム)戦争:1975年4月ベトナム戦争終結南北統一を機に中国とベトナムの関係は急速に悪化。中国軍はベトナムが米軍を悩ませた戦法に追いつめられ、撤退。

8 軍拡に突き進む本当の狙い:自国の社会主義を守るには軍拡は必要不可欠。軍隊の近代化を積極的に進めるべきとの方針が出された。アジア地域に於ける覇権を握り世界へと駒を進めてゆくという腹。

9 南シナ海は未来の中国にとっての一大戦略拠点:勧告とは大陸棚と経済水域を巡り対立、尖閣諸島では日本と争い、スプラトリー諸島でも経済水域を巡りフィリピンと争い、南沙諸島では南シナ海諸国と争う。特に南シナ海について中国は21世紀の戦略の重点として位置づけている。中国が海に目を向けたのは増え続ける人口が主な理由。資源確保のため海洋資源に着目。南シナ海にある海底油田の原油埋蔵量は350億トンもあり、中国大陸上の三大油田を上回る数百億$の価値があるといわれている。

10 台湾への武力行使:中国政府は台湾が独立宣言したとき、内乱の時、核開発したとき、TMD(戦略ミサイル防衛構想)に参加したとき。今も700機以上のミサイルが台湾に向けて設置してある。

11 核を20発ほど使えば日本を消し去ることができる:日本は審陽地区に実戦配備されている核の射程範囲内にある

12 中国の切り札である武力行使は実行されるのか:台湾海峡でミサイル演習を行ったのは武力による威嚇そのもの。局地的な限定戦争はあり得る。万が一台湾が中国の手に落ちたら次のターゲットは沖縄かモンゴル。今の中国は人口問題、食糧問題、エネルギー問題、環境破壊、民族問題、地域の経済格差、官僚汚職のどれをとっても解決のめどなし。

13 パックス・シニカへの夢:イスラム世界にこびを売り、独・仏・露と同盟を結んでパックス・アメリカーナ(アメリカによる平和)の世界秩序を乱そうとしている。



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