ロシアとの友好運動はかれこれ40年以上となります。貿易に携わったのが28年ですから、
退職、転職しての現在に至るまで友好運動にかかわっています。全国の仲間が集う総会に
遊説・懇談の日程をはずしてもらい、名古屋に出かけました。26日の朝の金沢はやや寒か
ったですが、名古屋は桜が咲き始めていました。
第一目の夜は恒例の歓迎行事。現地の合唱団
の歌声、かわいい子供たちのダンス、そしてモスクワでしっかり実績つまれた若きピアニスト
の演奏披露は旅の疲れをとってくれました。2年前の横浜総会じつは直前に骨折入院となった
ので、4年ぶりに再会の方もいて、懐かしき交流の場ともなりました。
分科会は「日ロ関係の発展めざしてー平和
条約と経済交流」に参加。杉浦名古屋大名誉教授の「ロシア法学の視点から北方領土問題を考
える」はなかなか刺激的。領土問題は解決済みと以前の主張を後退させているロシア側見解に
疑問を呈する形で問題を提起。1993年制定のロシア憲法では、平和、国家間の互恵的協力を
保証するため、「国内法を国際法のスタンダードに合わせよう!」のスローガンのもと、国際
法の「優先的意義または優位の原則」に従い、国内法と国際法をとらえることを主張する。
(「ロシア連邦は、条約上および慣習上の規範を無条件に遵守し、国際法の基本原則である
国際的義務の誠実な履行に忠実であることを確認する」)この立場から、1956年の日ソ共同
宣言(日ソ平和条約締結後に歯舞・色丹を引き渡す)を誠実に履行する国際的義務を負って
いるとして、今後の交渉で双方が受け入れ可能の解決策を探ることを提案しました。
もう一人の在ロシア領事館にも勤務した経験もつ京都経済短大の安木先生のいわゆる北方4島の現
状報告も興味深いものでした。択捉へのロシア政府によるかなりの投資がされていると共に、色丹
近辺での台湾によるサンマ乱獲問題があり、日本とロシアでの共同協力が可能となっており、経済
協力での領土問題アプローチの環境づくりへの示唆もありました。
「新カラマーゾフの兄弟」を語ると題する
亀山郁夫先生(名古屋外国語大学長、元東京外語大学長?文学者)のお話、私にはよくわから
ないなかった。10年以上前に、映画「カラマーゾフの兄弟」をロシア協会で上映し、鑑賞した
。ロシア文学や芸術に流れるロシア正教?による罪論、精神的葛藤をベースにしたものであり、
難解であった。ロシア人に流れるマゾヒズムなどと表現され、ロシア人の文学観を理解するの
は大変と思いながら聞き入った。9.11テロを機に、そして3.11も体験しながら、
舞台を日本に移して、学長としての仕事をこなしながら、400字詰め原稿用紙で3300枚の執筆
に挑戦された先生の執念には恐れ入った。