前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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福井県議会一般質問、新幹線推進意見書にただ一人異議、三国での松本あきら市議の市政報告会

2014年03月06日 | Weblog

昨日は県議会本会議で質問にたちました。また、自民党はきゅうきょ新幹線推進の意見書を提案。私だけが反対して採択されました。私は、建設費負担と北陸線、小浜線の第三セクター化をともなう計画の問題点、県議会審議を欠席して新幹線陳情にでかける問題などを指摘しました。
 夜は三国で坂井市議選勝利めざす松本あきら議員の市政報告会に参加し、安倍政権や県議会の模様などをお話させていただきました。

 一般質問では、消費税、原子力、農業政策、教育文化行政で質問しました。
知事は原発について「なにより県民益がどう確保されるかだ。やみくもに推進する立場ではない」と答弁。しかし、福島をみれば原発ゼロこそが県民益にかなうものでしょう。
 造林事業の債権放棄の問題では「県内金融機関の債権は政府系の高金利のものを借り替えたものだ」と述べ、利息分放棄以上の負担は求めない考えをしめしました。しかし、これでは元本は守られ、「貸し手責任」がまったく問われないのと同様であり、結果的に県民にだけ処理を押し付ける提案に県民の理解は得られないでしょう。

 森近政策幹は、消費税について、「県内企業の滞納について、H24で112億円のうち3.9億円が滞納。納税事業者は22000。公共料金でのアップ分は2900万円。電気料などがかかっており、受益者負担もとめる。H24年度で4800万円収納した。国に対する納税は発生していない」と答え、県民から消費税を4800万円集めておきながら、国には納めていない状況があらためてしめされました。これは消費税法の運用ですが、それなら県として増税分をますます県民に転嫁するような手法は再検討すべきです。
 
 林教育長は、共産党国会議員団がとりあげ政府が是正通知をだした臨時任用教員をいったん年度末で社会保険からはずしている問題で、「臨時任用での継続雇用は265人。今年度末から通知にそった対応をする」と答えました。
 非正規教員にたいする処遇改善の一歩です。しかし、抜本的には正規雇用で必要な教員を確保していくことが求められます。
 また、埋蔵文化財調査についてこの10年間で、発掘調査のうち、開発行為によるものが135件、学術調査が3件、であることも答弁しました。


 以下、私の質問内容です。


日本共産党の佐藤正雄です。

■消費税増税

 安倍政権が選挙で審判をさけた8兆円ともいわれる消費税大増税が目前です。
究極の不公平税制の拡大でますます日本の国は歪んでいくことになるし、輸出優遇税制拡大はこのまま10%以上の増税となれば国際的な貿易摩擦の要因にもなります。

 担税力の弱いところに税負担を増やすわけですから消費税の滞納は国税のなかでダントツです。しかも、一番滞納が少ないのが東京国税局管内であることに象徴されているように、地方は経済が疲弊している分、滞納率も高くなっています。

 たとえば、2011年の地方消費税分をのぞく国税分のデータでは東京国税局管内では現年分の納税申告額が4兆2904億にたいして、新規発生の滞納額は1093億で滞納税額割合は2.54%。
金沢国税局管内では納税申告額が1748億にたいして、新規発生の滞納額は63億で滞納税額割合は3.6%。しかしこれでも12の国税局内では滞納率が低い方です。
新規発生の滞納額は3パーセント時代の平成8年が4300億円で国税の新規滞納にしめる割合は28.1%、それが5%になって3年後の平成11年には6292億円、国税の新規滞納にしめる割合は43.9%です。このような中小企業に負担を拡大するいびつな税金を拡大しても滞納額が増え、疲弊する業者が増え、地域経済はますますだめになります。ますます東京のひとり勝ち状況を税制のうえでも拡大するだけです。
さらに輸出大企業には消費税増税はたんまりと輸出戻し税がころがりこみます。輸出大企業は、国内で払うべき消費税と輸出で戻る消費税還付を相殺して納税するからです。

 その実態はどうか。全国で消費税収支が赤字になる税務署が10か所ありますが、そのほとんどが輸出大企業をかかえています。
 トヨタ自動車本社がある豊田では納税が266億円なのに、還付金は1360億円。日産のある神奈川では納税が463億なのに、還付金が914億円。マツダのある広島では納税が88億円で還付が356億、シャープの大阪阿倍野では納税が86億なのに還付が227億・・・・。ほかにも村田、パナソニック、キャノンなどをかかえる税務署が赤字です。

このように消費税は庶民や中小業者にはきびしく、輸出大企業にはたいへんおいしい税金なのです。税率があがればあがるほど、さらにおいしさは増します。

このような不公平税制の拡大の中止を国に求めるべきであります。

 県商工会連合会の笠島秀雄会長は福井新聞紙上で「県内中小企業や小規模事業者も非常に厳しい局面に立たされる」と語っておられます。

私も県内経済団体に状況をお聞きしてまいりましたが、懸念される声や数字がでております。たとえば、現在でも採算については、黒字業者はわずか16.7%です。消費税は赤字でも納税しなくてはなりません。3%の引き上げが大きな打撃になることは明瞭であります。

 また、増税後の価格転嫁について、すべて転嫁できると答えたのは約6割です。すなわち4割の事業者は価格転嫁しきれない状況があります。とりわけ、規模別では、51人以上の事業所が73.2%価格転嫁できるとしたのに対し、6人未満の事業所では57.6%にとどまるなど、県内でも規模の格差が不公平税制の消費税による格差を増幅することが懸念されます。
そこで県内の中小業者への消費税増税の影響を考える上で、県として福井県内の消費税滞納の状況をどう把握し、要因分析をおこない、4月からの増税対策を講じているのか、おたずねします。

ところで、県は提案されている当初予算案において公共料金、手数料、使用料にかかる消費税増税分を転嫁しています。消費税導入当初は全国の3割程度の自治体で公共料金などへの課税を見送ったことがあるように、ほんらい行政サービスに消費税は課税すべきではないと考えます。また、県の財政規模からみれば県民へのサービスとして、増税分を県民に転嫁することなくカバーすることは難しいことではありません。

そこでおたずねします。
当初予算案一般会計の公共料金、手数料、使用料にかかる消費税増税分はいくらですか。県民負担を抑制する努力をなぜしないのか、おたずねします。

また2012年度において、一般会計の公共料金、手数料、使用料にかかる消費税分として県民から収納した金額と、実際に国へ納税した金額はそれぞれいくらなのか、お答えください。


■原発

つぎに原子力について質問します。「エネルギー基本計画案」の策定にあたり、経済産業省・資源エネルギー庁は年末年始をはさむという姑息な手法で国民の意見を募り、それでも1万8663件のパブリックコメントが寄せられました。

 この意見について、原発の賛否、再稼働の是非の内訳の公表を求めているにもかかわらず、茂木敏充経産相は「団体も個人の意見もある。数ではなく、内容に着目して整理した」などの理由で内訳を隠しています。許されないことです。

 福島第1原発事故後、当時の政府のもとで国民的議論が行われ、意見公募には約8万9000件の意見が寄せられました。このうち「原発ゼロ」の意見が約9割にも及んだ事実が公表され、政府は「大きな方向性として、少なくとも過半の国民は原発に依存しない社会を望んでいる」との結果を示した経緯があります。

 このような経緯をふまえれば、今回のパブリックコメントの結果を公表しないまま、エネルギー基本計画案をとりまとめたことは、国民の声を無視した計画であることを政府みずから白状しているようなものではありませんか。

  これでは国民の理解は得られません。
 エネルギー基本計画案は、原発を「コストが低廉で供給が安定」している「ベースロード電源」と位置づけることで、原発の恒久化をはかろうとするものとなっていることがそもそも問題です。 第二は、原発は計画案がいう「ベースロード電源」に値しないことが福島の事故でわかったのに、それをまったく無視していることが問題です。
 第三に、政権交代の総選挙では、自民党が「原子力に依存しなくてもよい経済・社会」、公明党が「原発ゼロの日本」をそれぞれ公約に盛り込んでいたことに照らしても国民との約束を破るものです。
 このような原発恒久化につながるエネルギー基本計画案を策定するうえで西川知事は主導的な役割を果たしました。


そこでおたずねします。

福島原発事故から3年、いまだに14万人が故郷に帰ることができない、高濃度の放射能汚染水も漏れ続けており事故収束にはほど遠い状況であり、ベースロード電源としては不適切ではありませんか。事故後3年を経ても、改善がみられない原発事故被災地の状況についての課題の認識と、今後福井県としてどのような支援を考えていくのか、知事の認識をおたずねします。

また、知事は原子力規制委員会が計画する公聴会について、「この間、地方の意見を聞いていないのにいまさら公聴会はおかしい」ときびしく批判し、他の原発県とともに「原子力発電所の新規制基準適合性審査の今後の進め方にかかる申し入れ」を昨日おこなっています。

純粋に技術的な問題だけに限るという公聴会の手法は問題でしょうが、政府と規制委員会が、それぞれエネルギー基本計画策定と、各原発再稼働を認めるにいたった検証について、国民と原発地元地域住民への説明責任を果たすことは当然ではないでしょうか。

国民県民の声をブロックしつづけて、県民説明会などを拒否しつづけている西川知事の態度こそ改めるべきです。

まして、今回は知事ご自身が従来以上に原発推進の基本計画案策定の重要な役割を果たした当事者として国民県民の前で説明責任を果たす政治的責任があるのではありませんか。
明確な答弁を求めます。


つぎに、再来年度中に運用開始される原子力緊急事態支援機関について質問します。

これは、端的にいえば、原発事故がおこった際に、事故の収束支援などをロボットなども活用しておこなう、とお聞きしています。

そこで、ここには、遠隔操作偵察用ロボットや作業用ロボット、搬送用車両、除染作業設備が配備されることになります。

そこでおたずねします。この施設はロボットなどのメンテナンスもおこなうとしています。そうすると原発事故現場でいわば使い捨てにされる資機材以外は、この施設に持ち帰り、解体修理、細部の除染などをおこなうのですか?そうでないのであれば、どこで事故現場作業後のロボットのメンテナンスをおこなう計画ですか、答弁を求めます。


■農林業

 農業問題にからんでおたずねします。

この施設は園芸研究センターの敷地を提供することになっていますが、原発事故の処理機関の隣では万が一の際には風評もよくないのではないでしょうか。今後県は園芸作物の充実を掲げているわけで、この研究センターの果たす役割も大きくなるものと思われます。美浜町からは町有地の提供も打診されているとお聞きしましたが、今後、園芸研究センターを県の施策のなかでどう位置づけ、どのような役割を担わせていくのか、おたずねします。


つぎに農地中間管理機構と福井県農業について質問します。

農地中間管理機構はそもそもTPP対応の「日本再興戦略」として位置付けられ、「今後10年間で、全農地面積の8割が担い手によって利用され、…担い手のコメの生産コストを、現状全国平均1万6000円から4割削減し、法人経営体数を2010年比約4倍の5万法人とすること」を目標とし、農業構造の改革と生産コストの削減を強力に推進する手段としていることが大問題です。

 そのために、効率的な農地利用について、農業者を代表して公正に審査する行政委員会である農業委員会の役割を制限し、委員資格の変更まで検討されています。

そして、優良農地において大企業が主体の大規模農業生産法人への農地集中を進め、農村の解体や中山間地の荒廃を進展させかねない危険な内容です。

 先般、中村農林水産部長にも福井県農民連が要請をおこないましたが、越前市、越前町、あわら市、大野市、敦賀市などの農業者からは「農地貸付で公募がおこなわれるため、地域でがんばっている大規模農家、農業生産法人が排除されるのではないか」「耕作放棄地の解消には役立たないのでは」「市町や農業委員会から権限が奪われ、地域の実態に即した対応ができなくなる」などの強い不安がだされたところです。


そこで端的におたずねします。

この制度と福井県が考えている対策のもとで、現在の農家戸数と農家収入がどのように推移すると推計されているのか、おたずねします。

 また、経営転換協力金や耕作者集積協力金は受け手に貸し付けられないと交付されません。特別単価で集中的に集約しても、農地は提供したが、カネは入らない、という詐欺商法みたいになりかねないリスクを負っています。このような、いわば投機まがいの制度に大規模に農家を集約することは問題ではありませんか、明確な答弁をもとめます。


 さて、提案されています農林水産支援センターの分収造林事業の処理についてであります。

知事は提案理由説明で「事業開始以来の県からの貸付債権344億円については、森林資産として代物弁済を受けたうえ、残余債権を放棄することとし、関連議案を今回提案させていただいたところです。こうした債務の整理に当たっては、新たな県民負担が生じないよう、今後の行財政改革を強く進める中で解消を図ってまいります。・・分収造林事業の処理は、国が推し進めた事業の枠組みが破たんしているという構造上の問題が背景にありますので、抜本的対策を講ずるよう、国に対して引き続き責任ある対応を強く求めてまいります」と述べました。

 債権放棄は県民に巨額の損害をもたらすことであります。知事も述べられたように、これは自然災害ではなく、国による政治災害です。

森林組合連合会と懇談した際にも幹部の方は「林業はとうにTPP状態だ」と嘆いておられました。その国がまともに責任を果たさないのは重大です。また、金融機関も果たして利息放棄だけでいいのか、という問題もあります。

なぜ県民だけが巨額の損害を被らなくてはならないのか。

しかも国とともに県が主導した事業の失敗で県民にたいする謝罪がきちんとおこなわれていないのは問題ではありませんか。また、国に責任ある対応を求めるとともに、いわば共同責任である金融機関責任分も増やすべきではありませんか、知事の見解をおたずねします。


■教育文化行政

つぎに、行政や学校における非正規労働者の社会保険、年金の扱いについて質問します。

日本共産党国会議員団が改善をもとめてきた問題で、臨時教員は、任用期間が半年、更新は1回と地方公務員法で定められているため、年度末に数日の空白期間を設けて、何度も任用をくり返す脱法的な手法がとられてきた問題があります。そのため、いったん国民年金と国民健康保険に切り替え、3月分の保険料を負担し、4月以降の再任用が決まると、社会保険に再加入しています。

現場のみなさんからは「新学期が始まった直後から、2度も市役所や社会保険事務所に出向かなくてはならない」、「健康保険証が交付されるまでは無保険になる」などの声が上がっていました。

 共産党の指摘をうけて、厚生労働省保険局と年金局は1月17日に是正通知をだしました。これをうけて、1月29日に総務省自治行政局が各都道府県に、2月10日に文部科学省初等中等教育局が都道府県教育委員会に是正通知をだしました。

そこでおたずねします。この通知による是正対象となる教職員は県庁、教育委員会それぞれ何人ずつですか。また市町職員は何人ですか、お答え願います。

 そもそもこのような手法で県庁や教育委員会が非正規労働を拡大する役割を果たしていることは問題です。

とりわけ子供にとっては正規も非正規もないわけです。しかしながら、非常勤嘱託職員は623名にもなっています。もちろんこのなかには生活支援員やALTも含まれているということでありますが、教員数削減、臨時任用拡大ではなく子どもの教育に必要な教員は正規で確保することを求めますが教育長の見解をおたずねします。


 最後に、埋蔵文化財対策について質問します。

 私の子どものころ、遊び場であった田んぼでは、高坏や土器の破片を集めるのが遊びのひとつでした。縄文弥生の時代からここで生活していたんだ、と思ったものです。

 もう40年ちかく前になりますが、「福井の文化財を考える会」が白崎昭一郎会長、平井健一事務局長を中心としてつくられ活動していました。

あらためて当時の文献に目を通しますと、その痛切な思いに胸をうたれます。

 今は亡き、当時の平井健一氏が書かれた「福井県における文化財保存運動の現状と課題」という論文には、1970年から1976年までの埋蔵文化財の発掘調査において、総件数102件のうち、学術調査はわずか7件、あとは開発行為によるものとして、「破壊を前提としての、時間を制限されての、やむをえずに実施された緊急調査である。これらの遺跡はたとえ充分な調査がなされたとしても、いたずらに資料の山を築いているのが現状である。大半が調査後破壊されてしまい、当時の人たちが生活をなした痕跡は失われつづけてきた」と指摘しています。そして、安易な「記録保存」の活用を批判されています。

 40年ちかくたった現在の福井県の文化財保存活動はどうでしょうか。

そこでおたずねします。県の埋蔵文化財調査センターにおける2003年度から2012年度の10年間の発掘件数と、それにしめる朝倉氏遺跡調査以外の学術調査件数と開発行為にともなう件数をそれぞれおたずねします。

また、公共事業により破壊される遺跡を後手後手に調査するのではなく、県として計画的な学術調査計画をたてて取り組むべきと考えますが、所見をおたずねします。

ところで先日、私は埋蔵文化財センターをみさせていただきました。専門職20名、嘱託9名の体制で福井県全域をカバーしてがんばっておられます。発掘した資料はなんと3万箱にものぼり何か所かに分けて保存しているとのことでした。

昨年12月議会で私の質問に答え林教育長は「新幹線の調査については、最大10チームぐらいとれる体制で取り組む」と答弁されました。つまり、いまの専門職体制の半分を新幹線対応に割り振るということになります。

 現在の埋蔵文化財体制のままで空前の公共事業開発をすすめるのは無謀であります。体制の拡充をふくむ調査体制の抜本的拡充をもとめて、私の質問を終わります。


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