前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

福井県議会討論。IAEA会議、人工衛星事業などに反対。原発、安保法制意見書

2015年10月02日 | 福井県政
 2015年7月17日の県議会本会議での佐藤正雄議員の反対、賛成討論を紹介します。

◯16番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 第48号議案平成27年度福井県一般会計補正予算案に反対の理由は、大きく3点であります。
 第一は、北陸新幹線、河内川ダム整備など、県民の反対の根強い無駄な公共事業推進の問題であります。北陸新幹線は、福井駅先行開業の議論が進められておりますが、さらに百数十億円もの追加事業費がかかると言われており、県と沿線市町への新たな負担をふやすことにもなります。さらに、北陸本線の経営を押しつけられることとなり、先行県の事例を見ても運賃値上げなどにより住民利便性が低下する事態を引き起こしています。このような新幹線計画に県民多数が反対であります。
 第二は、IAEA主催の国際会議開催など、原発推進、安倍政権の原発輸出政策を後押しする問題です。過酷事故が起こった際に、取り返しのつかない放射能汚染をもたらすシステムであるという本質は、幾ら対策を講じても変わりません。我が世代だけよければそれでいいと、向こう何千年間もの放射性廃棄物の管理を子々孫々にまで押しつける環境に優しくない原発推進は見直すべきであります。
 第三に、宇宙関連産業参入促進事業──今回970万円余が計上されましたが、これは全国の自治体で初めて福井県が人工衛星の打ち上げを目指す計画の始動でありますが、なぜ福井県が人工衛星打ち上げなのか、県民には理解されないでしょう。
 しかも、人工衛星は、軍事面と表裏一体であります。今、少なくない県民が消費税増税や年金削減などのもとで生活のやりくりが厳しくなっているのです。私は、プレミアム商品券を求める大行列を見たときに、あの蒸し暑い中で何時間も待ち続ける人並みは、生活の厳しさの反映だと思いました。これから人工衛星につぎ込む総事業費は、幾らかかるかもわからないそうですが、もっと足元を見て県民の暮らしと生活を応援する施策の拡大を求めるものです。
 第56号議案福井県県税条例等の一部改正については、外形標準課税の拡大であり、応能負担原則の後退であるとともに、赤字法人への新たな負担の増大となるものであり、反対です。消費税増税とともに、もうけが出ていない企業へのたび重なる増税政策は誤りです。赤字法人に打撃を与える税制拡大は、雇用環境の悪化に直結しかねず、地方創生にも逆行であります。地方行政でちぐはぐな政策は問題です。何より外形標準課税は、将来小規模法人にまで拡大されるおそれもあり、県として国にそうならないように強く求めるべきであります。
 次に、請願・陳情についての委員長報告に反対の討論を行います。
 請願第2号「正しい日本地図」を活用した教育の推進を求める請願は、特定の教材を指定し、学校現場での活用を求めるものであり、県議会がそのような教育現場への介入を行うべきではありません。こういう発想が高じると、地図にとどまらず特定の教科書の使用を求めるなど、現場の教員の教育権を奪いかねない──何の教材を使うかと、そういう方向に進みかねません。
 また、領土問題を言うのであれば、ソ連、ロシアや中国、アメリカなどとの外交交渉において、歴代政権がいわば失敗し、戦後70年を経て今でも領土問題の解決に至っていない事実も明らかにされなくてはなりません。ロシアや中国がおかしい、不当だと言うだけでは、教育上好ましくありません。
 千島列島においては、サンフランシスコ条約で本来の日本領土を放棄したのは日本側であり、この是正が必要です。いわゆる北方4島は、千島ではないから返せという主張では、国際的に説得力がありません。尖閣諸島では、国交回復の際に棚上げに応じてしまった日本政府の責任があります。アメリカとの関係では、戦後70年を経て今でも辺野古問題にあらわれているように、現地の地方政府が拒否している他国軍隊の基地押しつけに屈服している政府の対応があります。外交は、子供の教育現場に手出しをするという内弁慶ではなく、当事国との外交交渉こそが求められているのであります。
 陳情第4号福井県屋外広告物条例の規制見直し案に関する陳情は、県が改定を目指す内容について、主要な信号交差点周辺の看板を6年以内に撤去するよう求める内容の慎重審議や看板撤去費用について所有者の負担軽減を求めるものであり、採択すべきであります。
 そもそも、看板業者というのは、中小・零細業者がほとんどであり、何の配慮もなくこのような条例を制定すれば、業者の倒産や廃業に直結しかねず、地域経済にも打撃であります。そもそも、信号機周辺の看板と交通事故の因果関係は立証されておりません。仮に看板に気をとられて事故を起こした運転手がいれば、その不注意を改めるようにすることが本筋で、看板に罪をなすりつけるのは、いわば冤罪であります。
 また、撤去を強制すれば、福井県全体で数十億円もの費用がかかるとの試算もあります。当然、この費用負担については福井県も一定の責任を負わなくてはなりません。さらに、撤去に伴い発生する償却損への補償問題も出てまいります。民主主義の国にあって、独裁国家のような表現の自由への露骨な介入規制は行うべきではありません。県民や事業者に対し、もっと丁寧な行政を強く求めるものであります。
 また、陳情第1号ほっとサポートふくいに関する陳情、陳情第2号ヘイトスピーチに関する陳情、陳情第3号──ただいま討論がありましたが、年金の確実な運用を求める陳情は、願意を酌んで採択するべきであります。
 以上で、討論を終わります。


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◯16番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 今提案されました原子力政策に関する意見書は、原発再稼働の推進が大前提となっているものであり、反対であります。今議会でも原子力問題について議論が交わされ、7月9日の原子力発電・防災特別委員会では資源エネルギー庁、内閣府や原子力規制庁との質疑も行われました。
 私は、国の原子力防災について、SPEEDIの活用をしない問題点がある。UPZの30キロ圏は屋内退避というのは、事実上、住民の閉じ込めではないか。福島事故の教訓に照らしても、30キロ圏外の地域の計画がないのは問題ではないかと批判をいたしました。
 内閣府の杉本参事官は、「SPEEDIは福島事故による不確定要素が大きい。より被曝が大きくなるため活用はしない。UPZなどについては、福島事故を踏まえた新しい基準であり、国際的な基準だ。情報は防災無線や広報車で伝える」などと答えました。大変驚きましたが、福島原発事故では東京都にまで放射能汚染が広がり、40キロ、50キロ離れた福島県飯舘村などは高濃度の汚染地域となった事実すら、もう考えていないのではないかと思うほどであります。
 新規制基準を満たす原発は、もう過酷事故は起こさない。したがって、防災対策も福島事故を踏まえたものでなくてもいいと、こういう発想ではありませんか。こんな国の原子力行政のもとでの再稼働はとんでもありません。福島原発事故から4年以上が経過しても10万人を超える住民が避難生活を余儀なくされています。福井県議会として、福島事故を忘れないことを胸に刻むべきです。
 また、福井県は、住民への説明会開催について、国策であり国の責任で行うべきとの発言を繰り返しました。しかし、栗田知事時代から国策だったのであり、原発の世界史に残る福島原発事故を経験した上でなお原発を進めるに当たっては、広く県民に県の考え方を説明し、意見を求めるべきです。県議会の委員会審議では、理事者も原子力問題の県民理解も不十分という認識を示されたわけですから、国とともに福井県庁が前面に立って、県民への説明責任を果たすのは当然ではありませんか。
 また、予想される高浜原発の再稼働は、新規制基準ができてから初めての福井県内での原発再稼働となります。私は、再稼働に反対の立場ですが、県が原子力安全専門委員会の審議を経て再稼働判断を進めるというのであれば、その審議の過程において県民意見が適切に反映されるようにすべきです。県民の意見は聞かない、議員の意見だけ聞くという態度では、今大問題の安倍政権の国民主権無視の暴走政治と変わらなくなってしまうのであり、是正を強く求めて討論を終わります。


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◯16番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 ただいまの安全保障法制の慎重な審議を求める意見書は、採択するべきであります。昨日の衆議院本会議で安倍政権は、安全保障関連の法案、いわゆる戦争法案の強行採決を行いました。どんな世論調査でも国民の5割以上が憲法違反と批判しています。6割以上が今の国会での採決はやめるべきだと言っています。8割以上が政府の説明は十分ではないと答えています。安倍首相自身が、国民の理解が得られていないのは事実だと答弁されました。
 法案の内容が憲法9条をじゅうりんする違憲立法というだけではなく、主権者である国民の多数の反対意思を踏みにじる、まさに国民主権の大原則のじゅうりんにほかなりません。日本国憲法は、破滅へ向かった戦前の政治の過ちを繰り返させないために、いわば立憲主義という安全装置が施されております。日本国憲法は、国民に守る義務があるのではなく、天皇や国会議員を拘束しているのです。
 しかし、安倍政権はこの安全装置を外し、憲法違反の立法を強行しようとしています。日本国憲法より安倍内閣は高い位置の存在なのでしょうか。そう考えているとしたら、法治主義を破壊する独裁政治の誕生です。憲法学者の95%が反対しようと、日本弁護士連合会の役員85名全員が反対しようと関係ないと、俺が法律だ、俺が決める、これは本当に恐ろしい世界ではないでしょうか。
 しかし、国民世論と運動に安倍内閣は追い詰められて、強行採決を繰り返す道を選びました。それを許さない国民の戦争法案反対の声は、ほうはいとして起こっております。ぜひ、福井県議会議員全員の賛成で国民の声を聞かない暴走政治に歯どめをかけようではございませんか。

福井県議会。IAEA。新幹線問題。人口減少問題。

2015年10月02日 | 福井県政
2015年7月6日 県議会総務教育常任委員会の審議での佐藤正雄議員の質疑部分を紹介します。

総合政策部関係

■IAEA会議。旅客流動調査

◯佐藤委員  予算案説明資料5ページのIAEAの国際会議に約300万円と出ているのだが、会議の費用そのものはトータルで幾らぐらいかかるのか、あと、会議参加者が何人ぐらい来られて、どの程度の規模なのかというのを教えてほしい。


◯電源地域振興課長  IAEAの国際会議の予算についてであるが、全体の費用は2,280万円余りである。
 内訳を申すと、そのうちIAEAが負担するものが1,050万円、これは海外の参加者の渡航費である。それと、会合については、専門家会合と原子力発電の関連施設の視察があり、それが900万円余りで、これは国の負担でお願いしている。残りが県負担となるが、これが339万2,000円である。これが予算資料に出ている金額であるが、これは歓迎のレセプションと、せっかく海外からお越しいただくので、県内の文化施設を見ていただきたいということで計上しているものである。
 全体の規模であるが、専門家会合は世界30カ国、四、五十名程度で予定をしている。また、せっかく海外から原子力の専門の方がいらっしゃるので、国内の原子力関係の技術者や関係者と交流し、話し合う機会ということで公開セミナーを予定している。これは150人ぐらいの規模で開催したいと思っている。


◯佐藤委員  以前もこういう会議が開催されたと思うのだが、冒頭部分を除いて非公開になったという記憶がある。記憶が間違っていれば訂正してほしいのだが、原子力利用の公開の原則に照らすと、非公開にするというのはいかがなものかと思うがどうか。


◯電源地域振興課長  今のところ非公開ではなくて公開という形で専門家会合は考えている。


◯佐藤委員  わかった。
 それから、もう1点、予算案説明資料の7ページの並行在来線旅客流動調査事業について伺う。この調査期間、つまり何月何日から何月何日に行うのか、また、JR自身も、何年かに一度は同じような調査をしていると思う。その資料をもらえば、県独自に調査しなくてもいい部分も出てくるのではないかと思うが、その辺はどうなのか。


◯新幹線建設推進課長  まず、時期の話だが、今考えているのは11月の平日1日で、県内の並在区間、石川県境から敦賀までの始発から終着全ての普通列車、特急列車の旅客流動を調査する予定である。
 この旅客流動調査は、始発から終着全ての県境をまたぐ、いわゆる乗り込んで調査をするなどという細かいところまでの調査である。今言われたJRの調査では、駅での利用人数などはわかるが、そこまで細かい調査はしていない。


◯佐藤委員  1日だけの旅客調査で2,000万円ということなのか。


◯新幹線建設推進課長  全ての列車、特急に乗り込み、全ての駅に張りつく、そして県境をまたぐため、相当の人数をかけてやる1日分の経費になっている。


◯佐藤委員  先行の石川、富山はどんな調査方法でやっているのか。


◯新幹線建設推進課長  石川、富山も皆同じにやっている。石川県については、今年3月に開業した富山県境-金沢間の調査に合わせ、金沢から福井県境までの調査を平成24年度にやっている。


■新幹線問題

◯佐藤委員  一般質問でもしたが関連で質問させてもらう。今、議論にあった先行開業で、部長の答弁は、先行開業は経済波及効果の早期発現になる。それは、福井駅先行開業でもそういうことだという答弁だったと思うが、それは何か試算はされているのか。


◯総合政策部長  北陸経済連合会の試算で、金沢以西、敦賀までで1年早ければ年間800億円、うち、福井県分が年間200億円という試算があり、我々としてはその数字を念頭に置いているということである。


◯佐藤委員  しかし、敦賀延伸を決めた国土交通省の分科会でも、いわゆるB/Cが1.0を超えるかどうか微妙なところだという議論があった。また、B/C1.0を超えるためにフリーゲージを導入して、乗り換えによる利便性低下を防ぐことによって費用対効果を上げるという議論があったと聞いた。敦賀まで延伸してようやく1.0を超えるというのに、どうして福井先行開業で費用対効果がそれを上回ると言えるのか。


◯新幹線建設推進課長  委員の指摘のとおり、確かにB/Cの計算上、フリーゲージを用いて若干上がった試算にもなっている。それは乗り換え利便性の話かと思うが、試算のB/Cについては、敦賀までで1.12で、それは適正な数字だと思う。また福井までという試算はしていないが、敦賀までの試算については1.1以上あるという北陸経済連合会の試算は間違いないと思っている。


◯佐藤委員  政治の勢いで流れている面もあると思うのだが、行政の皆さんはその辺冷静にきちんと見てもらわないと、県民から検証を求められた場合にうまくないのではないかと思う。
 それから、あわせて事業費についても一般質問で聞いたら、留置線の関係で130億円から160億円と幅がある。これをそのまま置いておくかどうか。撤去すれば、また新たな費用もかかるという話だった。これは、そのまま置いておくか、あるいは撤去するかというのは、いつ決まるのか。


◯新幹線建設推進課長  留置線の話だが、検討委員会の中では存置の場合が安く上がる、撤去費がかからないということで、今、鉄道・運輸機構、またJRも呼んで検討を進めているところであるので、夏までには結論は出るかと思う。


◯佐藤委員  その際、問題になるのは、部長も答弁されたように、県の負担、市町の負担は、まだつまびらかでないということだと思う。当初この沿線の市町の市長、町長が覚書というか、調印されて、合意した計画とは変わってきて、負担金もふえるということにもなってくるし、第三セクターも早目に準備しなくてはいけない。平たく言えば契約の大幅変更になると思う。この辺はどのように市や町の行政、それから議会に説明して了解を求めるのか。


◯新幹線政策監  この130億円から160億円とか、そういった費用がかかることは今わかってきているのだが、それに対する財源をどうするのかということについては、まだ検討委員会の中でも議論されていないし、県とか、あるいは市町が負担するとか、そういう話も一切挙がっていない。


◯佐藤委員  もともと市町の市長、町長の合意も、時期的には割と強引にちょっと進められた。それぞれの市議会、町議会に対する説明も十分でなかった記憶があるのである。だから、そういうことがないようにきちんと丁寧に進めてほしい。
 最後になるが、第三セクターを石川県と合同で立ち上げて、コストの縮減、ひいては利用者の利便性の確保ということで提案しているのだが、石川県側とこの問題で相談というか、話し合いはされているのか。


◯新幹線建設推進課長  委員指摘のとおり、今から単独でやるか、または石川と合同でやるかという話は進めていくことになるかと思うが、何分、富山県、石川県も単独でやって、それも大体4年前に結論は出た状況であって、我々としても協議会の中でまた具体に話をしていない。今後、石川県と協議をしていきたいと考えている。


■人口減少問題

◯佐藤委員  地方創生人口減少対策の論点の説明があった。せっかく説明があったので質問したい。本県の優位性、本県の課題、対策の方向性とあるが、今、東京一極集中が問題になっている。福井県を初め、地方からすると、俗っぽく言うと、東京は敵だという構図になると思う。
 そうした場合に、福井県が東京よりも劣っているところは何なのか。例えば子育て支援でも、あるいは働く環境でも、あるいは高齢者の老後の生活支援でも、そういうことも洗い出して、福井は東京よりも劣っていないと示さないといけないのではないか。交通網は、すぐにはならないだろうが、しかし一人一人が生活していく上でのそういうものは東京より劣っていないということをもうちょっと押し出すべきである。東京に住んでいる人を引っ張ってこようと思うのであれば、そういうアプローチも必要でないかと思うし、それからもう一つは、これも言い方が微妙だが、東京は福井に比べて、危ない都市である。危ない都市というのは、要するに大震災の危険性も福井よりは高い。都市の構造からいっても、海抜ゼロメートル地帯だから、何かあったら大浸水で大変なことになる、そういうリスクが大きい都市である。それに比べると、福井は、原発などがあるが、まだ安全だということも含めて、福井のそういう住みやすさ、安全性というのもやはりきちんとPRしていくということをやっていかないといけない。全国9位とか全国3位とか全国2位とか並べても、東京にいる人が、これをみてどう思うかという気がする。
 それと、もう一つ、原発の話をしたのであれなのだが、福島の事故があって、東京に避難している人が物すごく多い。1万人はいかないかもしれないが、何千人かであろう。東京都庁の中に、避難者の生活を支援している福島県庁の出先があるのである。そこへ視察に行かせてもらったことがあるのだが、そこの職員の方と話をして、どうかとお聞きすると、なかなか厳しい、東京の生活になれると、福島に戻りたいという気持ちはだんだんなくなっている、本当に悩ましいというお話だった。だから、原発事故というのがあった結果なのだが、東京での生活になれてしまうと、とにもかくにも便利とかいろいろなことがあって、福島の生活よりはよっぽどこっちが暮らしやすいということになってきている人がどんどんふえていて困っているというお話だった。
 やはりそういうことが実際にあるわけだから、ぐっと引きつけていこうと思うと、言葉は悪いが、選挙で言えば敵の悪口も言ったりすることもあるので、行政が行政の悪口を言うのは禁句かもしれないが、その辺は作戦の上でいろいろ考えて打ち出していかないといけない。こういうありきたりのペーパーだけではどうかという気はするのだが、いかがか。


◯ふるさと創生室長  まず、東京への一極集中の是正については、進学や就職の時期において、多くの若者が東京へ流れ、その後戻ってこないことが大きな課題と考えている。委員の指摘のように、地域の魅力をどのようにつくっていくか、そこが一番重要な部分だと考えている。
 そして、首都圏の方にお聞きしたところ、やはり県内に行きたい大学の学部が少ないといった意見もあり、また、都会の大学の魅力があるので都会へ行くということもある。本県の大学自体の魅力向上といったことも含めて考えていきたい。
 さらに、やはり仕事がないと戻ってくることも難しいので、仕事づくりもあわせて考えていきたい。


◯ふるさと県民局長  一つ具体的に申し上げると、人生トータル設計書というのをつくりたいと考えている。これは、東京から福井へ移住する際、給料が少し安いのではないかなど、具体的な心配があるかと思う。このため、給料は安いかもしれないけれども、生活費も安いという経済的な指標をはっきり出せるように、年齢、家族構成ごとに作成していきたい。
 この人生トータル設計書は、委員が指摘された、住みやすさというのも、経済的コストに換算して算出できるようにする。経済産業省もコスト計算書を出しているが、その中に通勤時間が短い、あるいは近くで子供たちと一緒に遊べるなどという、いわゆる純粋に経済的ではないものもコスト計算して入れていくという手法があるので、これらの考え方も取り入れながら、東京との比較ということを念頭に置いて、人生トータル設計書を示していきたい。


◯佐藤委員  議論は始まったところだが、余り時間もないようだけれども、余り上品になりすぎずに進めてないといけないと思う。頑張ってほし

福井県議会。国側との質疑。県民理解に県は努力を。レスキューセンター。後退する原子力防災。

2015年10月02日 | 福井県政
 2015年7月9日 福井県議会原子力発電防災対策特別委員会での佐藤正雄議員の質疑を紹介します。


■資源エネ庁、内閣府、規制委員会との質疑

◯佐藤委員  私も順番に質問したいと思うが、資源エネルギー庁の資料の18ページの計画で、原発の依存度が20%から22%という案が示されていると思うけれども、これでいくと、大体全国的に原発の再稼働基数──40年を超えている、超えていないはいろいろあるだろうが──どのぐらいで見込んでいるのか。今の基本的な考え方をお尋ねしたいと思う。
 それから、原子力防災の関係でお尋ねをする。福島第一原子力発電所の事故の後、私も県議会も視察に行ってきたが、避難に当たっては、実際にSPEEDIのデータ等の提供がなかったという問題などが指摘され、ニュースなどでもよく流れたけれども、今回、そういうものが重視されない計画になっている。それから、UPZ──5キロメートルから30キロメートル圏内では、まず屋内退避しろとなっていて、我々から見れば、住民をそこへ閉じ込める、要するに、まず逃げるなという発想になっている。これは、福島第一原子力発電所の実際の事故の状況に照らせば、情報はなかなか提供されない、住民は地域に閉じ込められるというニュアンスがあるのだけれども、その辺がどうなのか、お尋ねする。
 それから、原子力規制委員会の方には、たくさんのいろいろな対策を考えられているのはよくわかるのだけれども、たしか、原子力規制委員会も福島第一原子力発電所の事故の検証はまだ途上だと思う。中間報告を出された以降はやられていないと思う。報道などでは、東京電力でも、なかなか中に入って調査が十分できないので、たしか、まだ、五十数項目の未解明部分があると聞いているわけだが、今後、原子力規制委員会としては、このあたりをどのように対応していくのかについてお尋ねする。


◯資源エネルギー庁審議官(エネルギー・環境担当)  まず、初めの原子力発電の比率についてであるけれども、この比率を具体的にするために、どの発電所、どれだけの基数といったところは、あくまで原子力規制委員会での審査に委ねられている部分があるので、個別には想定していない。
 一方、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」に従って、既に高浜発電所1・2号機に関しては、40年を超えた運転に関する手続が進められているし、ほかの炉に関しても同様の手続が行われるところもあるので、40年の原則を超えて運転されるものもそれなりの数あるだろう。さらに、事業者における自主的安全性の向上の取り組みが進んでいるけれども、これによって設備利用率の向上も期待できる。そうしたことを考えて、2030年に20%から22%という原子力の比率は達成しうるものと我々は考えている。


◯内閣府政策統括官(原子力防災担当)付参事官(地域防災・訓練担当)  まず、1点目は、今回説明した防災対策がSPEEDIを利用することになっていないのではないかという質問かと思う。
 このSPEEDIの関係については、原子力規制庁の所管かと思うけれども、これは福島第一原子力発電所の事故の教訓で、SPEEDIは非常に不確定要素が大きくて、それを実際の避難に使うことについては、予測が外れた場合に、より被曝が大きくなるといったリスクを考えて、避難に当たってはSPEEDIを利用しないという指針の改定を行い、その旨、つい先日の防災基本計画の改定にも反映したものである。この考え方に基づいて防災計画、地域避難計画を実行的なものにしていく必要があると思っている。
 それから、PAZ圏内の方の避難の後にUPZ圏内の方が避難する2段階避難において、PAZ避難の際にUPZ圏内の方はまだ屋内退避をせよということが、いかにも閉じ込めているように見えるとの質問だけれども、この2段階避難の考え方も、先ほど申し上げたとおり、福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえた新しい基準であり、こういった考え方は国際基準にものっとっているものと理解している。
 近いところの方はなるべく早く逃げていただいたほうがいいという一方で、遠いところの方、特に新規制基準を満たした原子力発電所については、しっかりとその推移を見ながら、その間は、無用なところで避難をして渋滞を起こしたり、あるいは支援が必要な方を無理に動かしたりすることは、非常に危険だということが福島第一原子力発電所の事故の教訓だと思っているので、この指針の考え方にのっとった防護措置の段階的な避難をしっかりとやっていただきたいと思っているし、情報については、先ほども説明した防災無線や、あるいは広報車などでしっかりと伝達していく。これも、福島第一原子力発電所の事故のときには、なかなかなされなかったと聞いているので、自治体の方と実行的なやり方をしっかりと綿密にさらに追求していきたいと思っている。


◯原子力規制庁安全規制管理官(PWR担当)  事故の調査についての質問であった。
 私はちょうど、この事故の原子力規制庁としての調査の報告書も担当していた。何が原因だったのかは、津波によって電源盤が水没し、また、そのうち、どの電源盤の制御回路が水没したのかまでは把握をした。だから、事故が何で起こったかはわかったのだけれども、では、事故で格納容器の中がどう壊れていったのかについては、まだまだ時間がかかるとのことである。これについては、原子力規制委員会の中に検討会をつくって長期的に検証を進めていく予定になっている。
 また、最終的に格納容器の中がどうなったのかわからない状態で、基準がつくれるのかとの質問も多々受けるのだけれども、先ほども説明したように、例えばポンプがどのように壊れていったかということは、なかなかわからないところもあるので、基準では、そのポンプがなくなったと思って対策を立ててほしいという考え方になっている。


◯佐藤委員  回答いただいたけれども、まず資源エネルギー庁の方に伺うが、高浜発電所1・2号機については、手続が進められているので、当然、40年を超える原子炉を含めてやってくことになるのだけれども、その際に問題になるのは、老朽化しているので、今の日本のやり方では、部品はいろいろと取りかえられても、原子炉そのものはとりかえられない。だから、平たく言えば、金属的に物すごくもろくなっている状況もあるので、ただ単に40年超も動かすという判断だけではなく、もろくなっているものはだめだという判断はどこでどうされるのか。
 それから、内閣府の方の説明はなかなか納得できないのだけれども、より被曝が大きくなる可能性があるため、SPEEDIは利用しないと言われた。しかし、今、あなた方がやろうとしていることは、要するに5キロメートルから30キロメートル圏は閉じ込める、30キロメートルから先は、指針としてきちんと示されないということである。例えば、私が視察に行った飯舘村などは、たしか四、五十キロメートル離れていると思う。あの人たちの状況を考えれば、今回の皆さんのこの対策ではカバーし切れないわけである。だから、SPEEDIがあれば、例えば50キロメートル地点まで放射性プルームが流れて、あるいは雨によって、この村は危ないという情報が多分提供できたと思うのだけれども、そういうことに照らせば、全く福島第一原子力発電所の事故を踏まえた対応になっていないのではないかと思うが、その2点について伺う。


◯資源エネルギー庁審議官(エネルギー・環境担当)  高経年化をしている炉について言えば、特別に点検を行い、市町とも評価した上で個別に申請が出されていくものと思っている。具体的な審査はもちろんのこと、原子力規制委員会の中でそうした点を踏まえて審査が行われるものと理解をしている。


◯内閣府政策統括官(原子力防災担当)付参事官(地域防災・訓練担当)  先ほど、5キロメートルから30キロメートル圏は屋内退避を続ける、あるいは30キロメートル以遠の対策がないのではないかと言われたが、これは恐らく、この前指針が改定されたことを指しておられるかと思う。
 いずれにしても、福島第一原子力発電所の事故の教訓も踏まえ、そして、そういう観点から、技術的に国際基準にも照らして、原子力規制委員会がそういった考え方を示していると理解しているので、それに基づいてしっかりと対策をしていきたいと思っている。

◯佐藤委員  原子力規制庁の方に、簡単に2点だけお尋ねする。
 きのうの夕方、田中原子力規制委員会委員長の記者会見があった。私はあれをライブで見て、真面目な方だと思ったけれども、気になる点が1点あったので、それはどのような考えなのかを確認したい。マスコミの方の質問に対し、「地元の政治家や議員が何を言っているかは政治家の花火である。だから、我々が気にする必要はない。原子力規制の根本は政治的独立性である。これを死守しなくてはならない」と答えていた。政治的独立性を死守するのは当然なのである。そのことに対して何も文句はないのであるが、我々も県議会議員であるから、県議会議員が何を言っていようが、そんなことを気にしていられないと言われたのでは心外である。皆さん方はそもそも、国会議員であろうと、県議会議員であろうと、市議会議員であろうと、町議会議員であろうと、政治家の声をどのように受けとめて、それをどのように原子力規制庁行政に生かしていくつもりがあるのか、確認しておきたいと思う。
 もう1点は、先ほどいろいろと議論があったように、国民理解がまだ不十分だということもあるし、福井県民の中でも再稼働反対の声がまだまだ強いわけである。だから、原子力規制委員会の審査結果について、行政が求める場合もあるかもしれないし、市民団体が求める場合があるかもしれないけれども、県民、住民の要望に応えて、説明を求められた場合には、そういう場に出向いてきちんと説明することはできるのかどうか。この2点についてお尋ねする。


◯原子力規制庁安全規制管理官(PWR担当)  昨日の原子力規制委員会委員長の会見は、私は電車の中だったので、見ていなかったのだけれども、真意はよくわからないが、国会の場などで質問があれば、委員長、また我々も、きちんと答えているし、さまざまな意見について耳を傾けなければならないと肝に銘じている。
 それと、先ほどあった、地元の方の理解の点であるけれども、これは立地自治体の方を通じて要望があれば、できることはいろいろと考えていきたいと思う。例えばであるけれども、高浜町からは、説明用のわかりやすいビデオをつくってほしいとの要望があったので、我々のほうで20分程度のビデオをつくった例もある。そういうことにはできるだけ柔軟に対応していきたいと思っている。


■県民理解について

◯佐藤委員  安全環境部長の説明の中で、原子力発電の重要性、必要性に対する国民理解が十分には進んでいないから、政府の責任ある対応をとの説明があった。これは知事も本会議で言われたけれども、県民理解についてはどういう認識であるか。


◯原子力安全対策課長  原子力のことについては、国民全体もそうであるが、県民の理解は当然必要なものと考えている。これについては、例えば、現在、高浜発電所3・4号機の再稼働等について、工事計画認可、保安規定認可の審査が続けられており、こういったことについて、事業者や、国の審査状況、県の原子力安全専門委員会等について、厳正に確認していくし、そういったことについて、原子力環境安全管理協議会も通じて、県民の皆様に国や事業者の対策を説明していきたいと考えている。


◯佐藤委員  原子力環境安全管理協議会は特定の定められたメンバーの方が参加する組織であるから、そこで説明したからといって、県民全体への説明にはならないと思う。
 お尋ねするけれども、原子力安全対策課長は、県民から再稼働反対の署名を受け取った。あれは何名分受け取って、それに対する認識はどうであるか。


◯原子力安全対策課長  委員が言われているのは、いわゆる福井県民署名であり、ことし3月24日に、署名数約20万5,000件、そのうち県内の方は約5万人、県外の方が約15万人の署名を私が受け取らせてもらった。そのときに、持ってこられた方の説明もいろいろと受けたし、こういったことについては、知事も含めた上司に、私からしっかりと伝えると話をさせていただいたところである。


◯佐藤委員  であるから、県民の間でそういう署名運動が広がったりする、あるいはそういう要望書が出されたりすることについて、県はどういう認識なのか。要するに、最初の質問で言ったけれども、国民理解は今も十分に進んでいるとは言えないとのことであるけれども、県民理解についてはどういう認識なのかを尋ねているのである。


◯原子力安全対策課長  例えば、高浜町においては、原子力規制庁がことし3月にビデオを放映している。それは高浜町のほか、おおい町も見られる状態だったと思っている。それ以外でも、周辺の自治体では、市町版の安全管理のための協議会のようなところで、さまざま議論がなされているとも承知している。また、県全体としては、本日もそうであるけれども、これまで、例えば原子力安全専門委員会の審議の場も公開として、マスコミ等を通じ、いろいろと動きは県民に伝わっていると思うし、こうした県議会での質疑を通じて県民の理解が進められていると考えている。


◯佐藤委員  そうすると、福井県は国民全体の理解は進んでいないけれども、福井県民は全体として原子力発電の重要性、必要性を理解しているとの認識なのか。


◯原子力安全対策課長  現在の世論調査等を見ると、賛否は分かれている状況であり、これは何も立地と立地以外で分かれている訳ではなく、アンケートによっては立地のほうが進んでいるアンケートもあったようである。全体の問題として、賛成、反対の考え方が別れているのが、原子力の問題だと思っている。そういったことについて、県内、県外にかかわらず、原子力がなぜ必要なのか、今、再生可能エネルギーもなかなか進まない中で、いろいろなエネルギーについては、それぞれいろいろな功罪があるという問題について、どう考えているのかを、しっかりと説明いただくことが重要であると思っている。


◯佐藤委員  今、課長が言われたとおりだと思う。だから、県として、もっと県民への説明に努力すべきだと、私は前から言っているのである。知事が出れば一番いいけれども、知事が出ないにしても、部長なり、課長なり、適切な人が出て、当面は高浜発電所3・4号機の問題もあるし、いろいろなエネルギーの割合の問題も出ているけれども、そういうことについて、何カ所かは別として、1カ所でも2カ所でも3カ所でもいいと思うけれども、県民に対して県が直接説明に出向くべきである。高浜町では説明会をやっているとか、おおい町ではやっていると言っても、福井県全体からすれば一部の県民であるから、やはり県民全体に対してきちんと説明責任を果たすことが必要ではないか。


◯原子力安全対策課長  今、住民への説明会という話があった。住民に対する説明会とか、その開催の方法などについては、それぞれ住民に一番近い立場の市町が、それぞれのこれまでの歴史であるとか、経緯を踏まえて、地域の実情に応じて判断いただくことが重要なのだろうと考えている。


◯佐藤委員  そのような官僚的なことばかり言っているから、皆さんの立場としても、全然、事が進まないのである。では、例えば、福井市民に対しての説明は福井市が責任を持てというのか。なぜ福井市が県の原子力行政の説明責任を持たなければいけないのか。はっきりしてくれ。


◯原子力安全対策課長  原子力政策は、まさに国策であり、地元の立場からすると、それは地元として安全を確保することでやってきているものである。それは県の立場もあれば、それぞれの市町の立場の中で、これまでそれぞれの行政を進めてきたものであると思うので、そこは第一義的に市町の考えがあるかと思っている。


◯佐藤委員  委員長、全然、真面目に答弁してくれていない。市町の考えではないのである。要するに、県は、「国民の理解が進んでいない。国がちゃんとやれ」と言っている。それで、質疑であったように、県民理解も十分進んでいないとの認識なのである。そうであれば、なぜ、県が先頭に立って説明会を開かないのかと私は聞いているのである。


◯安全環境部長  今、原子力安全対策課長から、説明したけれども、まさに今、安全の問題も、あるいは国の覚悟の問題も、さまざまな途中段階にあると考えている。今、委員の指摘の県民理解、県民合意を何で推しはかるかについては、例えば委員も福井市選出の県議会議員でおられるし、最終的には県民の代表である県議会の意見が県民理解のもとになるのではないかと考えている。


◯佐藤委員  安全環境部長はおかしなことを言う。では、国会議員で与党が多数だから、国民は原子力政策が理解できているのか。違うであろう。議会の構成と矛盾があることは百もわかっていて、そういう答弁をするのはおかしい。そうであろう。例えば、自民党なら自民党、政府なら政府が、今、20%か22%の原子力の割合で行こうという方針の案を出している。それに対して、県議会の自民党県政会の議員の中で反対する人、国会の与党の議員で反対する人はいないかもしれない。だけど、そういう人の支持者の中にも、いろいろな疑問や不満がある。それが世論調査との乖離になってあらわれているわけでないか。そんなことは百も承知で、議員に説明しているから、それでいいとか、議員の意見を聞けばそれで終わりだというのは、県の行政としておかしいではないか。ほかの分野ではそのようなことを言わないであろう。土木行政の分野で、例えば、道路を直すときとか、橋をかけるときとか、地元の県議会議員の意見を聞いているから、地元の住民の意見を聞かなくてもいいとは言わないのである。なぜ原子力の分野だけそのようなことを言うのか。


◯安全環境部長  再稼働の問題に限らず、原子力に関するさまざまな課題──40年を超える原子力発電所の運転の延長、かつてはプルサーマルの問題、「もんじゅ」の再稼働等があったけれども、福井県の原子力行政としてこれまで県民理解が得られているかどうかについては、我々は従来から県議会の意見を尊重している。今回の問題についてもそういった立場にはかわるものではない。


◯佐藤委員  県議会の意見を尊重する問題と、県民に対してきちんと説明する話は別だと言っているのである。例えば、土木行政の橋をつけるとか、道路をつける話にしても、当然、地元の県議会議員に説明するか、あるいは県議会に説明するなどはあるけれども、地元、例えば福井市なら福井市、坂井市なら坂井市の住民の皆さんにも、必要に応じて土木部が説明会を開いたりするであろう。意見を求めたりするであろう。それと同じように、原子力行政という関心の高い問題で、しかも、今、課長が答弁されたように、賛否が大きく分かれている問題で、なぜ県が前に出て説明責任を果たさないのかと言っているのである。


◯安全環境部長  安全の問題については県原子力安全専門委員会の審議を公開し、その過程をつまびらかにしているところである。原子力政策は、基本的に発電事業者を国の一元的責任で管理・監督しているのであるので、国ないし事業者において、そういった説明責任は果たされるべきであるというのが我々の立場である。


◯佐藤委員  前にも言ったけれども、栗田県政のときには、同じ原子力行政を進めてきた福井県で、何度となく、そのような説明会を開いているわけである。最近はそういうことがない。非常に謙虚ではないと思う。県民の意見を聞くことがどうしてできないのかと思う。それはインターネットで聞くとか、いろいろとやっていると言われるかもしれないけれども、やはり、県原子力安全専門委員会が、しかるべき時期にしかるべき結論を出す、あるいは出したとなったときには、県原子力安全専門委員会の委員も、県の部長や課長も含めて、福井県としてはこういう方針で、例えば、高浜発電所の再稼働には臨むとか、あるいは福井県は今後、原子力行政をこうやって進めていきたいと思っていると県民の前で説明して、県民の意見を聞くということができないのは、弱さだと思う。そのような行政では、いつまでたっても溝が──世論との乖離と言われたけれども──埋まっていかない。埋めようとも努力しない。結局、国任せ、関西電力任せでは、ひきょうだと思う。県としてはひきょうではないか。


◯安全環境部長  繰り返すけれども、原子力政策は国策である。国策であるがゆえに、政府がきちんと県民、国民の前に立って説明、説得すべきであるというのが、我々の立場である。


◯佐藤委員  そんなことは、栗田知事の時代も国策であったのである。栗田知事の時代は県の政策でやっていて、西川知事になったら国策に変わったわけではない。以前から国策なのである。だけど、同じ国策で進める中でも、とりわけ、原子力問題では、地元住民を説得するのは当然、県の仕事であろう。なぜ県がきちんと責任を果たさないのかを、県民は疑問に思っているし、不審に思っている。私も、そういう点では、以前の県の行政と比べて非常に問題があると思っているわけである。そういう点で、県としては県民の前へ出て説明する必要性はさらさらないという気持ちなのか。それとも県原子力安全専門委員会が結論を出すときには、必要な県民説明会も開いてもいいとの気持ちがあるのか、その辺はどうなのか。


◯安全環境部長  繰り返しになるけれども、説明責任はあくまで国、事業者が果たすべき問題であると考えている。


◯佐藤委員  もう終わりにするけれども、なぜ、県は独自に原子力安全専門委員会を組織しているのかということになる。組織した原子力安全専門委員会の結論を尊重して、県が判断するわけであろう。国が判断するなら、何も県が一々そのような機構をつくる必要はないではないか。国が決めた、関西電力がやったと言うだけで済んでしまうのではないか。そのようなおかしな言い逃れはないと思う。実際には、県がゴーサインを出さなければ原発再稼働の安全協定はできないし、その過程では、県原子力安全専門委員会の専門家の先生方が審議し、その結果に基づいて妥当だとの結論が出ない限りは、今の流れの中では、西川知事もゴーサインは出さないことになっているのである。もちろん部長が言われるように、傍聴はどうぞと、その過程は公開されている。しかし、そこで質問は許されないのである。そういうことであれば、一つ一つ改善していく、少しでも県民の声を吸い上げていくという努力がなぜできないのかと思う。もう一回、答弁はどうか。


◯安全環境部長  県民の代表である県議会の意見を最大限尊重していきたいと考えている。


■レスキューセンター

◯電源地域振興課長  美浜町の原子力レスキューセンターについてのお尋ねである。現在の状況であるが、今、準備工事をしているところであって、工事のための進入路などの工事を進めているところである。完成時期については、今年度中にフィールドなどが完成すると思うので、完成したところから順次、訓練に生かしていったり、活用していく予定である。
 それから、日本原子力発電の機器については、今、暫定的な期間として、敦賀総合研修センターにロボットなどを置いており、各電力事業者からそこに訓練に来ている状況であるけれども、原子力レスキューセンターについては、施設の規模、資機材も含めて、世界最高水準を目指すとのことで、研修センターにあるロボット等プラスアルファで整備したいと考えている。


◯力野委員  徐々に取りかかっていくようであるけれども、事業の開始時期というのか、いつぐらいまでに完成して、事業全体として本格的にスタートする事業年度──例えば、あと2年であるとか3年であるとかがあるのではないか。


◯電源地域振興課長  先ほど申し上げたように、順次準備工事にかかっているところであるけれども、建設工事等は今年度の終わりぐらいから開始して、平成28年度に全ての建物等を完成する予定である。


◯佐藤委員  今の関連であるけれども、質問にあったように、民間の電気事業連合会がつくるとのことであるが、国はどういう形でかかわって、責任をとるのか。


◯電源地域振興課長  整備については、基本的に電気事業連合会が整備するものであるけれども、その運用に当たっては、原子力サイトで事故が起こったときに、そのサイトに駆けつけて、事故の収束に当たるということである。それについては、国の機関として、自衛隊、消防、警察も、それぞれその実効をあげるために協力していただく予定である。


◯佐藤委員  質問の趣旨と違う。要するに、今、美浜町につくられる、緊急の場合にロボットを投入するなどいろいろと支援を行う原子力レスキューセンターの運営などについて、どのように責任を持たれるのか。要するに、先ほどの議論にもあったように、原子力行政は国策であるから、事故が起こったら、国としてどう責任を持つのかになってくるので、国がそこの運用にはどうかかわるのかと質問をしているのである。


◯電源地域振興課長  国は運用については、特にかかわる予定はなく、事業者が主体でやるものである。


■原子力防災

◯佐藤委員  国策といっても無責任である。見に行ったことはないけれども、フランスなどでは、国がきちんと責任を持って、そのようなセンターをつくっているらしい。だから、そういう点では、日本の原子力行政は、国の責任として大事なところをきちんと押さえないと思っている。
 実は午前中、国の説明があって、内閣府の説明にいろいろと苦言を呈したのだが、例えば、SPEEDIは活用しなくなる、それから、5キロメートルから30キロメートル圏は、事実上、住民は屋内退避の形で閉じ込められる、それから、30キロメートルから離れたところの住民に対しては、何ら手だては考えないと、非常に後退していると思う。福島第一原子力発電所の事故があった直後の、もっといろいろと考えようという議論があったときに比べると、4年たって、喉元過ぎればではないけれども、国の原子力防災計画としては、後退していると思うのであるが、県はどのような認識でどのように改善を求めているのかお尋ねする。


◯危機対策・防災課長  今、SPEEDIの話が出たと思うけれども、国の災害対策指針の中で、福島県の災害以前は、予測をして、それに基づいて避難等の判断をするとのことであったが、指針が改められて、モニタリング等の実測値に基づいて避難の判断をすることになっている。
 そうしたことで、今回、国は、基本的にはSPEEDIを活用しないと言っている。本県としては、避難等の判断をより迅速に的確に行うためには、SPEEDIを活用した予測的な手法についても大切なものであろうと思っており、その活用について、引き続き要望しているし、ほかの立地道県とともに、原子力発電関係団体協議会を通じて要望・要請をしていきたいと思っている。
 それから、5キロメートル圏内、30キロメートル圏内の区切りの話かと思うけれども、国は、5キロメートル圏内──PAZについては、予防的措置をするところということで、事態の進展に応じて、放射能が漏れる前から避難等の防護措置をすると言っている。また、5キロメートルから30キロメートル圏については、UPZとして、緊急時には、当初は屋内退避等の措置を行い、先ほど言ったモニタリング等の実測値に基づき、その基準を超えた場合には、避難をしていただくという基準になっていると思う。これは、国が専門的な観点から、福島第一原子力発電所の実情を踏まえて判断したものと思っているし、また、法令及び国の原子力災害対策指針に基づき、県の地域防災計画も、そのとおり反映している状況である。


◯佐藤委員  やはり、最初に言ったとおり、非常に後退していると思う。例えば、福島第一原子力発電所の事故の直後は、県もいろいろな形で支援をした。放射能測定の支援もした。福井県の職員は向こうへ放射能を測定に行って、ある意味では自分も被曝したわけである。命がけと言ったら大げさかもしれないけれども、そういうことでやっているわけである。
 だから、午前中の議論でも飯舘村の話もさせてもらったけれども、実際にSPEEDIの予測などがもう少し正確に活用されていれば、不要な被曝を防ぐことができたということがある。
 それから、30キロメートル圏より離れたところも、今回、全く議論にされないということでは、さっき言ったように、福島第一原子力発電所の事故の教訓を全く踏まえないことになるわけである。だから、今、課長が答弁されたように、国の計画に沿ってやるというだけでは、県民の理解は得られないのではないか。


◯危機対策・防災課長  今回の地域防災計画の見直しに当たっては、あくまでも、専門的な観点から国が定めた原子力災害対策指針に基づいて運用することに法律上でもなっているので、本県としては、それに基づいてしっかりとやるべきであると思っている。
 ただ、先ほど申したけれども、SPEEDI等の活用については、こういったものがあるのであるから、予測的な手法等についても非常に重要なのではないかということで、今後とも要望し、活用についてお願いしていきたいと思っている。


◯佐藤委員  最後にするけれども、結局、県民に対してきちんと説明をする機会も持たない、そして、原子力防災計画は、福島第一原子力発電所の事故後に、こういう対策が必要だといろいろ議論された当時と比べれば、どんどん後退していく。逆に言うと、そんな事故は起こらないだろうという感じになってきてしまっている点では、非常に後退していると思う。
 だから、そういう状況で、県民に対して原子力行政を信頼してくれと言っても、信頼されないと思う。
 その辺は、部長どうか。


◯安全環境部長  冒頭で委員との議論もあり、委員から例示で、公共事業の場合は県が説明するのではないかとの指摘もいただいたけれども、今回の場合、再稼働の実施主体は事業者である。それを推進するのは、原子力を重要なベースロード電源として活用するという政府の方針に基づいている。しかるに、昨年4月に閣議決定された国のエネルギー基本計画などで国民理解の増進を図ると書いてあるけれども、それが、今、なお進んでいない状況である。これは、国民理解であり、委員指摘の場合によっては、県民理解であるかもしれない。それがゆえに、なお、国が前面に立って、原子力の重要性、必要性を強く訴えるべきであると考えている。
 他方、今、原子力防災に関しては、まさに地方公共団体が実施主体になるものである。指摘のとおり、SPEEDIの問題、30キロメートル圏外の問題、屋内退避の問題、さまざまある。これについては、福井県のみならず、立地道県共通の課題である。13道県で構成する原子力発電団体協議会、それから、7月3日には、福井県知事が委員長を務めている全国知事会原子力発電対策特別委員会などでも、国にSPEEDIの予測的手法の活用を含めて強く求めているので、実現に向けて努力したいと考えている。

福井県議会。大学連携事業。学生への県職員住宅利用。勝山市体育館問題。外国債券問題。

2015年10月02日 | 福井県政
2015年7月6日 県議会総務教育常任委員会の審議での佐藤正雄議員の質疑部分を紹介します。
総務部関係


■大学連携事業について

◯佐藤委員  総務部の予算案説明資料の4ページの仮称大学連携センターの話であるが、この900万円というのは、何に使うのか。


◯大学・私学振興課長  この900万円であるが、今、部長説明にもあったとおり、アオッサの7階に今年度中に設置をするということで、それの設置に係る備品等の購入経費が主である。


◯佐藤委員  これは県内の、例えば福井大学や県立大学といった、幾つかの大学があるが、その学生に対して共通の講義を持とうということになると思う。これは未来永劫やるということか。


◯大学・私学振興課長  これはただいま部長から申し上げたが、文部科学省の補助金でCOCプラス事業というものがある。これを財源に考えていて、採択があれば今後5年間継続をする。ただ、5年間が終わった後についても、ゼロに戻すわけにはいかないので、何らかの形で支援しながら継続していきたいと考えている。


◯佐藤委員  COCというのはセンター・オブ・コミュニティの事業である。
 それで、5年間はやるけれども、例えば、これまで県立大学、福井大学、仁愛大学、それぞれに教官が3人いたとする。ここで共通して開講できると教官を2人に減らすことができるとか、1人に減らすことがきるということで5年間の間に教官が減ったとする。5年後、今言ったように県が保証してくれるのかどうかわからないとすると、仮に、もとの各大学でやってくれ、事業はこれで終わるということになったら、各大学が困ることになる。要するに、教科ごとに合同でやれば、人件費なども節約できるという構想もあるかと思うけれども、その辺はきちんとやっていかないといけない。大学単体の事業ではなく、県が音頭をとってやるわけである。県が責任を持ってやっていくということを、各大学との間で話しているということか。


◯大学・私学振興課長  県が主導でやっていくのではない。COCプラス事業は、県が求める補助金ではなく、大学が求める補助金である。
 それから、共通開講の授業については、県の要請に基づいて大学に行っていただくものであるが、当然、5年間が終了して、大学が、そのような形で継続ができなくなるとまずいので、これについては、当然、継続できるように大学とも話をして進めていきたいと考えている。


◯佐藤委員  あと、例えば、福井大学なら福井大学、医学部なら医学部、県立大学なら県立大学で請け負った講義を、ここで受けるということになると思うが、その辺の交通利便性、あるいは交通費、あるいは授業間のカリキュラムの調整はできているのか。これまでは同じ大学でぐるぐる回ればよかったものが、カリキュラムによっては、わざわざ駅前へ出てきてから、また大学に戻らなければいけないということになると思う。その辺はどのように配慮されるのか。


◯大学・私学振興課長  カリキュラムの時間配置については、例えば、共通授業を受けた後に、また、大学に戻らなければいけないということをゼロにするわけにはいかないと思うが、なるべく学生が受けたい授業を受けられる形になるよう大学側と協議をしていく。
 次に、交通の問題についても、確かに県立大学、仁愛大学、さらには敦賀市立看護大学は、大分距離があるので、これから開講に向けての措置になっていくが、例えば、車で来校された場合には、駐車場の料金を援助する、例えば、バスを走らすといった形で、まだ決まってはいないが、県が何らかの手段で措置していきたいと考えている。


■学生への県職員住宅の活用

◯佐藤委員  関連であるが、大学・私学振興課長ではなく、ほかの方になると思うけれども、以前、県の職員住宅も抑制していくというか、あまり受け入れずに出ていってもらう方針で臨んでいるという説明を聞いたことがある。
 私の住んでいる地区にも県職員住宅はあり、結構空き部屋があると思っているが、県職員には出ていけと、そんな露骨には言わないが、なるべく出ていってくれと言いっておきながら、その一方で、便宜的に活用するというのは県の政策としてはおかしいのではないか。


◯財産活用推進課長  委員指摘のとおり、かなり老朽化した公舎がたくさんある。そういったところは修繕にもかなりお金もかかるということで、入居希望の状況を確認しながら、活用できるものはなるべく活用していくという形で考えていきたい。


◯佐藤委員  今、入居していない部屋は幾つあるのか。


◯財産活用推進課長  現在、入居率としては70%ぐらいである。
 ただ、かなり老朽化が進んでいるところは、その修繕にお金がかかるから、実際、入居の希望があってもちょっと待ってくれという形になっている。


◯佐藤委員  要するに、その修繕費用が惜しいから、なるべく県職員住宅に入れないというやり方をとりながら、一方で今のような便宜的な政策というのはおかしい。
 福井に進学した学生に安いアパートを提供するという政策が悪いわけではないが、県の政策としてはどうかと思う。


◯鈴木委員  関連である。佐藤委員から話があったが、県の職員住宅について、大阪や東京にもあるが、どこへ行っても言われるのが、老朽化が激しい、かびくさい、湿気が多い、住めるとこではないということである。今回のこの政策の発想自体はいいが、例えば、今、公舎が空いている理由は、需要がないのではなく、そもそも環境が悪くてそこに住みたくないというものがあるはずである。そういう職員住宅に嶺南の学生が入ると、こんなところに住まなければいけないのかということになりかねない。
 目のつけどころはいいが、職員住宅をどうやって管理、運営していくかという管理運営計画と、今回の嶺南、あるいは嶺北の高校生が大学進学するときに、少しでも住宅手当を支援して県内に残ってもらおうと思う政策は別に考えたほうがいい。
 例えば、県内に残るのであれば、1万円とか2万円の住宅手当を支給して、自分の好きなところに住んでくれというほうが、政策としてはよほど効果がある気がする。職員住宅は職員住宅として、公共施設の総合管理計画の中で、きちんと今後のあるべき姿も含め、しっかりと計画を策定していくべきだと思うが、その辺の関連性については、どのように考えているのか。


◯財産活用推進課長  公舎については、委員が指摘されたとおり総合管理計画を今後つくっていく中で、その位置も反映させていきたいと思う。


◯鈴木委員  わかった。しっかりとした計画に基づいて、運営していただきたい。
 一つだけ聞くが、今、空き部屋があるというのは、需要がないのか、それとも需要はあるけども、どうしてもそこに住みたくないという理由で空き部屋があるのか。


◯財産活用推進課長  一応、ほぼ希望されている方は、入っている。
 ある程度、数に余裕があることは確かだと思うので、今後、必要のないところは、どんどん減らしていくということになると思う。


■財政計画

◯佐藤委員  県債発行が抑制をされているという一方で、基金残高は平成22年度末と比べれば半分ぐらいに減っているという説明であった。
 福井県は今、新幹線とか足羽川ダムとか、いわゆる大型公共事業が集中的に始まっていて、県の負担金もふえる時期になる。知事は新幹線の前倒しでも、どうせ使う金だから前倒しで期間が短くなっても、単年度はふえるけれども、トータルで変わらないのだから、そんなに影響はないという説明をされている。しかし、単年度で大きくふえてくると、敦賀前倒し、さらに福井前倒しということがふえてくると、財政的にはどういう影響が出てくるのか。


◯財務企画課長  今、委員が言われたとおり、新幹線については総額の事業費は変わらないけれど、10年が7年となると、当然その分、単年度の負担がふえるということである。
 新幹線の財源については、そもそも貸付料が充当されていて、その残った部分の2対1の割合で国と地方が負担となり、3分の1が県の負担となる。
 この県の負担の9割は起債発行でき、さらにこの起債については交付税措置もある。そういったところも加味しながら、あとは一般財源の確保に留意しながら、事業は確保していきたいと考える。


◯佐藤委員  従前から、大体そういう説明である。要するに優良な起債であり、交付税措置されるということでずっとやってきて、およそ8,000億円オーバーの県債というか、借金になっている。
 さらにそういう大きな事業をやっていくと、ピーク時の県債残高はどれぐらい膨らむというシミュレーションなのか。


◯財務企画課長  県債の残高で申し上げると、通常債の償還も既に行っているので、既に一昨年の平成25年2月に長期の財政収支というものを出しているが、その中でも最大の残高というのが5,500億円程度だろうとなっている。
 臨時財政対策債については、今後、国の制度設計がどうなるかということもあるので、なかなか申し上げにくいが、いわゆる通常債ベースで見たときの県債の残高というのは5,500億円が頭になるだろうということで試算している。
 3年前倒しのスキームについては、今後、詰めさせていただきたいと思うが、これよりは若干数字が変わってこようかと考えている。
 なお、その場合でも、実質公債費比率18%という許可団体になるかならないかの指標があるので、そちらを下回る財政運営をしていきたいと考えている。


◯佐藤委員  県は4年ほど前に中期財政計画をつくった。当時の新幹線前倒しでないときの計画でも、基金が底をつきかける、非常に厳しいという説明を当時の課長から、こういう場で受けた記憶があるが、今言われたように前倒しすれば単年度が当然ふえてくるので、基金残高が、4年前に試算したよりも、さらに厳しいということになってくるのではないか。その分はどのようにして手当てをするのか。


◯財務企画課長  3年前倒しのときの財政調整3基金の残高というところもあわせて、今後、考えていかないといけないが、先ほど申し上げたように、新幹線について申し上げると、実質的な借金、地方債によって賄われる部分があるが、いわゆる基金が必要という一般財源の部分は、ある程度軽減されているという実態がある。
 ただ、当時と比べても、国の交付金、経済対策もあったので、平成26年度末205億円ということでプランの目標の110億円以上は達成しているところであるが、基金が枯渇することのない財政運営に努めていきたいと考えている。


■勝山市体育館問題。外国債券問題

◯佐藤委員  2点、簡潔に尋ねる。今の関連で、この説明の資料に勝山市体育館も例として挙げられていた。勝山市体育館は補助のスキームはどうなっているのか。正確ではないかもしれないが、事業費が当初の計画よりも倍ぐらいにふえたと聞いている。その辺の実態と県の補助のあり方を1点確認する。
 2点目は、今ギリシャの経済問題がいろいろ出ているのだが、以前、アルゼンチン債の問題があったときに、県の外郭団体でも損害をこうむったということがあった。今回もらった資料を見てみると、まだそれを保有しているのである。これは今後どうされるつもりなのか。この2点を簡潔に尋ねる。


◯施設調整課長  佐藤委員の質疑にあった勝山市体育館であるが、私どもも市町の担当者から聞いているのが、若干事業がおくれているようだが、事業的には今年度完了する予定である。それから、事業費については約32億円と聞いている。ただ、社会資本整備交付金が13億円から14億円入っていたと思うので、その裏のところを市町で負担していただいていると思っている。
 なお、この勝山市体育館については、私どもの用意した補助金制度では、新しくつくる体育館については、建築自体は対象とさせていただいていない。ただし、初期投資がかなりかさむということであるので、備品について1,000万円を限度に補助させていただく。勝山市に話を聞いていると、備品については補助対象額が2,000万円以上出てくるようであるので、上限額の1,000万円を交付させていただくことになるのかと考えている。


◯情報公開・法制課長  外国債の保有についてである。私どもは、公益法人を所管しているので、その視点で調査している中で、アルゼンチン債については、平成14年当時、アルゼンチン債のデフォルト処理を実施した際に、そこで手放すと損失が出るということで、いわゆる新旧債権の交換により取得したという事情がある。元本維持債という言い方をしているが、それは元本を満期まで保有した場合には元本が保証されるという形の借換えを行っているということを聞いている。


◯佐藤委員  要するに、勝山市体育館の件は、1,000万円の県の補助を出す予定だけれども、建物自体は新規の補助が全くないということか。私が言いたいのは、当初予定よりも事業費が膨らんだと聞いていることである。それは倍なのか5割増しなのかは別として、当時、あの場所は県の急傾斜地指定とか、砂防地域の指定も受けている危険な場所なので、体育館をつくるのはふさわしくないということで、県も相談に乗っており、県もここはよくないという指摘をしていたはずである。けれども、結局県はその場所を認めて、結果的にはその対策工事の事業費が膨らんで34億円ということがあるので、その辺の県の責任を照らせば、勝山市の負担を軽減するという考え方があってもいいのではないかと思う。
 それから、もう1点のアルゼンチン債のほうは、例えば、今1億円持っているならは、償還期限が来れば1億円が戻ってくるのか。この二つをもう1回確認する。


◯施設調整課長  新設する体育館については、国体に合わせて整備されるということはわかる。ただ、ほかの市町でも体育館を設置していて、後年にわたって使用するものなので、既設の施設の有効活用を大原則としようと位置づけた。新体育館については、市町にそういうニーズがあるということは理解しているが、今回の国体の支援補助金の対象外とさせていただいている。


◯佐藤委員  質問と答弁がかみ合っていない。私は、ああいう場所に建てることを認めた県の責任があるのではないかと言っている。


◯施設調整課長  設置場所の検討の件については、勉強不足でよくわかっていないものだから、きちんとした回答ができない。しかし、いずれにしてもこれは社会資本整備交付金等も入れているし、土木部も十分かかわって都市整備計画の対象にして事業を進めていると思う。そのあたりでどういう話がされたのかわからないが、今現在、そのあたりの問題はクリアされて進んでいると考えている。


◯情報公開・法制課長  アルゼンチン債の関係であるが、新旧債権交換に関するこの元本維持債については満期が平成50年度に到来するとなっている。今、証券会社等に確認しても、アルゼンチンは持ち直していて、その時期にはきちんと元本は保証されると聞いている。

福井県議会。福井駅東口駐車場が使えなくなる補正予算案に反対。陳情請願者の意見陳述を認めよ

2015年10月02日 | 福井県政
 昨日も終日、福井県議会の予算決算特別委員会でした。終了後は、議会改革検討会議で、いろんなテーマで議論。私が提案した「県民の請願陳情者の希望者は議会委員会で意見陳述ができるように」との提案は反対意見、慎重意見が根強くなかなか困難。いまの会議規則でもできるわけですが、この間、ほとんど実施されていません。もっと県民の声を聞く県議会にかわることへの努力をつづけていきましょう。そのためには、県民のみなさんのバックアップが必要です!

 予算決算特別委員会では、自民党の中川議員が「新幹線開業後も、しらさぎ号をのこすべき。特急廃止が原則だが、原則には例外もある。県民の利便性確保を」と質問しました。理事者の答弁は従来の域をでません。
 民主党の野田議員も在来線特急存続を提案しています。

 党派を超えて、県民の利便性確保のために新幹線敦賀開業でも、福井往復の特急存続実現へ力をあわせましょう。
 この取り組みには越前市議会が全会一致で意見書を採択しています。
 いっそう県民のみなさんの世論と運動が大切になっています。

 私は、無駄遣いの新幹線建設や、福井駅東口駐車場が1月から利用できなくなる工事などに反対し、予算案に反対討論をおこないました。
予算案に反対は私だけでした。