前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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「チェルノブイリ被害の全貌」刊行記念ヤブロコフ博士講演会に参加しました。

2013年05月23日 | Weblog
  昨日は、岩波から翻訳出版された「チェルノブイリ被害の全貌」刊行記念ヤブロコフ博士講演会に参加しました。
アレクセイ・ヤブロコフ博士が講演されるという貴重な機会でした。


  訳を担当した一人である星川氏は「全体で40人ぐらいで取り組み2年間かかった。最新の版についての情報も加味した。放射能の被害をなにも知らないのに等しいのに、ある態度をとってしまうのは危険だ」と述べました。




 アレクセイ・ヤブロコフ博士は2時間半近くの精力的な講演と対話をおこないました。




 講演のなかでは、「グラフからわかるのは、汚染がひどければひどいほど、ガンの罹病率というものは高くなるということ。ガンの中でも一番最初に罹病率が増えるという形の動きを示すのが甲状腺がんということになります。チェルノブイリの事故後は4年後に甲状腺がんの発生率というものが増えました。日本でも同様のことが起こる」と述べました。


  小児癌の罹病率





 また、事故処理の作業員は60万人いるが、関係者の流産率は高く、半分におよんだ。先天性異常児、ダウン症、水晶体の混濁、などが増えた、乳児死亡率の上昇がみられた、と報告しました。



 また、「原子力推進派は、放射線恐怖症によっている、などと批判しているが、自然界の動植物にも異常は現れている」と批判を斥けました。
 そして、政府から独立したモニタリングが必要であり、個々人のレベルのモニタリングシステムが必要だ、と強調しました。

  たしかに、日本でも首都圏などでも行政が対応しないので、市民団体や日本共産党が「放射線測定」を各地でおこない、データを公表し、行政に対応をせまっていった例はたくさんありますね。

  今後、さまざまな問題がおこってくることが想定されますが、チェルノブイリの教訓をいかしていくことの大事さを痛感しました。

  また、博士は「放射線の影響について、動植物にいたるまで旧ソ連では緻密な調査がおこなわれていた。事故後すぐに詳細な調査がはじめられた。しかし、ソ連の崩壊とともに調査は中断した。それぞれの国の予算にあたえる負荷が大きい。ベラルーシの大統領は、もうチェルノブイリのことは忘れましょう、と宣言した」と話しました。

  野田前総理の「福島原発事故収束宣言」と、それを撤回しない安倍政権。そのもとで「福島が忘れられ」ることがすすみ、原発再稼動が推進されようとしている日本の現状とダブりました。

  福島でも、蜘蛛など昆虫やニホンザル、馬などに異常が検出されているといいます。

  これ以上、被害をださないためには? という質問に答えて、博士が「より大きな声で叫ぶことです!」と答えられました。おおきな会場には座りきれない学生や市民がかけつけていましたが、大きな拍手がおこりました。

  福島の事故を忘れてはいけません。繰り返させてはいけません。ただちに原発ゼロへ!
参院選でもその審判をくだしましょう。日本共産党はがんばります。

  明日は、福井県庁・関電前での原発ゼロアクションがおこなわれます。ぜひご参加ください。
日曜日には、共産党の市田書記局長が福井市文化会館でお話します。午後2時半からです。ぜひ、お聞きください。