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信楽高原鐵道 SKR311形気動車

2011-06-16 21:02:31 | 電車図鑑・ローカル私鉄&第三セクター
開業時より運用していたSKR200形気動車の老朽化に伴う置き換えのために
導入された車両である。
平成13年~平成14年にかけて2両が製造された。
製造を担当したメーカーは富士重工で同社が地方非電化私鉄、第三セクター鉄道向けに
販売していたLE-DCシリーズの一つである。
単行運転を前提にした車体前後に運転台を有する両運転台車であるため、
決まった編成は組まない。

車体は軽量構造を採り入れた普通鋼鉄製である。
正面は分割・併合に備え、中央部に貫通扉を装備し、左右の窓は側面まで
回り込んだパノラミック・ウィンドウとなっている。
正面下部にはスカートが設置されている他、過去に発生した信楽高原鉄道列車正面
衝突事故を教訓に油圧バンパーを装備している。
これらの車体構造は本形式より6年前の平成7年に導入されたSKR300形と同等のもので
ある。
塗装はクリームにライトグリーンの帯で車体中央部にタヌキのイラストと「SKR」の
文字が入る。
行き先表示は字幕式で正面にのみ設置、側面はステッカー表記である。

車内は扉付近をロングシート、それ以外を向かい合わせのボックスシートとした
セミクロスシート配置である。
ロングシートの肘掛は衝突の衝撃で座席が外れないように枕木方向にパイプを1本
通している他、手すりにゴムを巻くなど安全性の向上が図られている。
ドアは片側2箇所のステップ付き片引き戸で左右で若干位置がずれる。
側面窓は下段上昇・上段下降の2段式ユニット窓である。
ワンマン仕様のため、ドア周りに整理券発券機を運転室後方に運賃表と運賃箱を
設置している。
運賃箱は運転台を使用しないときに運転室を仕切るための仕切りを兼ねる。
また、信楽高原鉄道では衝突事故以降、乗換駅である貴生川駅での乗車券発券及び
運賃収受の業務の委託を中止したため、同駅での運賃支払い証明の発行機も
搭載している(連絡乗車券は唯一の有人駅である信楽駅のみで発行。無人駅からの
乗車の場合は貴生川で運転士に運賃を支払い、降車証明をもらう。貴生川駅で
改札を出る場合はそれを駅員に渡す。JR草津線に乗車する場合は降車駅で
証明書を見せて所定の運賃を払う。ICOCA利用の場合は運賃支払い後、
貴生川駅ホームにあるリーダーにタッチするだけ)。

機関はUDトラックス(←日産ディーゼル)製PE6HT03型ディーゼルエンジン1基である。
変速方式は液体変速式で総括制御可能である。
ブレーキは直通管付き空気自動ブレーキで、保安ブレーキを2重化している。
台車は軸箱支持がペデスタル式のインダイレクト式空気バネ台車である。
運転台はツーハンドル式で、ワンマン運転対応の各種機器が備わる。

本形式の登場で開業時に導入したSKR200形201号と203号が廃車となった。
以降は同線の主力として運用されている。


○車内。右の柱はエンジンから延びる排気管のもの。
 網棚が座席全長で設置されてない。


○ロングシート。パイプがゴムで覆われている他、パイプを1本横方向に設置して
 衝撃で座席が外れないように配慮している。


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