水の丘交通公園

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名古屋鉄道 モ600形電車

2008-07-24 15:07:42 | 電車図鑑・私鉄電車(中部)
美濃町線の新岐阜駅(→名鉄岐阜)乗り入れのため、昭和45年に6両が製造された
車両である。

新岐阜駅は田神線と各務原線を介して乗り入れるため、架線電圧直流1500V区間と
在来区間の600V区間の両方で走行可能な複電圧車である。
名鉄では既に岐阜市内線-揖斐・谷汲線で路面電車タイプの車両を鉄道線に乗り入れさせる
直通運用を行っていたが、本形式の例を含めても世界に数例の珍しいものであった
(逆に普通の鉄道用の電車が路面区間を走る例は、福井鉄道などいくつかあった)。

車体は鋼鉄製で幅が狭く、正面も大きく絞られた独自の形態をしており、
「馬面電車」と呼ばれた。
正面は貫通型であるが、運転台機器が、この部分に配置されていたため、
このドアを使用することはなかった。
ドアは前後2箇所に2枚引き戸があり、ドア開閉時には連動してステップが出てくる。
車内は1-2配置のオール転換クロスシートで、車内中央部で左右対称になる。
窓は一段上昇式である。
屋根上にある箱は空調機器ではなく、複電圧用機器の搭載で床下に配置できなかった、
抵抗器である。
性能面では間接非自動制御(HL制御)の2個モーター釣り掛け駆動である。
台車やモーターなどは揖斐線・谷汲線で使用していたモ180形電車(昭和4年製。
元琴平急行電鉄の車両で戦時不要路線として廃線になった後、名鉄に来た。
形状的には熊本電鉄モハ71に近い)など、旧型車のものを流用している。
軌道線の車両ながら2両連結で運行することも可能であった。

投入時は急行運用もあった為、名鉄標準色のスカーレットに白帯を巻いた姿で
デビューした。
また、2両連結で走ることもあったが、乗客が減り、急行運転がなくなった頃には
ほとんど見られなくなり、塗装もスカーレット一色になった。
後継の880形電車登場後も美濃町線直通車の主力の一端を担ったが、平成12年に
部分低床車の800形電車の登場で601~605の5両が廃車になった。
唯1両残った606号はワンマン化を実施し、他の電車に混じって運用され、
平成17年の美濃町線廃止とともに引退した。

引退後は、601号が旧美濃駅で展示されているのをはじめ、数両が岐阜県内の
レストランやキャンプ場に引き取られた。


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