水の丘交通公園

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JR四国 キロ186形「アイランドエクスプレス2世」

2010-03-28 22:56:30 | 電車図鑑・ジョイフルトレイン
民営化直後の昭和62年に50系客車を改造して登場した「アイランドエクスプレス四国(※)」の
老朽化に伴い、後継車両の登場で遊休化していたキハ185系の中間車であるキロハ186形を
改造して登場したものである。
平成11年に2両が改造された。
形式記号がグリーン車記号の「キロ」になった程度で車番の変更は無い。
なお、キハ185系で完全なグリーン車形式は現在のところ本形式のみとなる。

車体はステンレス製で基本的に手を加えられていないが、瀬戸内海をイメージした
イラストを全体にラッピングしている。
ドアは片側2箇所で内折り式の折り戸である。

車内は1:2配置の回転リクライニングシートで、向かい合わせはもちろん、
座席を窓側に向けたり、逆に車内中心側に向けたりして固定することも可能である。
これらの座席は先代の流用品である。
また、車端部にはカラオケ装置などのAV機器も設置している。

機関や台車などは整備の上で、旧来品をそのまま利用している。

本形式は中間車のみであるため、先頭車両は通常型のキハ185形が連結される。
車端部にのみラッピングを施したキハ185形-11と-12が専属の先頭車両となるが、
検査などで使用できない場合はノーマルなキハ185形を使用する。

運用は団体専用で基本的に一般の乗客が利用できる運用に就くことはない。


○キハ185-11を先頭としたアイランドエクスプレス2世。専用のヘッドマークを有する。


○大型リクライニングシートが並ぶ車内。テーブルは肘掛内蔵。


○車端部にあるカラオケセット。その他AV機器も設置されている。
 車内で乗客の○○い歌を聴かされる乗務員の心労はいかばかりか。

(※)「アイランドエクスプレス四国」
国鉄末期、全国の鉄道管理局で欧風、若しくは和式の団体向け車両が登場していたが、
これの四国版として誕生したのが「アイランドエクスプレス四国」である。
国鉄分割民営化・JR発足と同時の昭和62年4月にデビューした。

種車となったのは客車列車削減で余剰となっていた客車のうち、比較的新しかった
50系客車である。
編成は6両で編成両端はオープン構造の展望車となっていた。
その他、冷房の取り付けとそれに伴う電源装置の取り付け、窓の固定化、窓周りへの
装飾による連続窓風化など多岐に渡る改造を実施している。
形式はオロフ50、若しくはオロ50でグリーン車扱いである。

車体の塗装は四国の海と空をイメージした上半分がホワイト、下半分がライトブルーで
境界部に濃い目のブルーが入るもので車体中央部分付近に当時流行していた
ストライブが入り、アクセントとなっていた。
牽引する機関車にも専用機として同じ塗装を施し、「アイランド専用機」と呼ばれ
ファンから親しまれた。
該当する機関車はDE10形ディーゼル機関車の1014号、1036号(1014号機の代替機)、
1148号である。

車内は1-2列配置の360度回転可能なリクライニングシートで、向き合わせ、窓向き、
車内中央向かい合わせが可能であった。
床はじゅうたん敷きで車端部にはカラオケやビデオ上映のためのAV機器が搭載されていた。

平成8年に内装などの老朽化に伴うリニューアル改造を実施し、塗装の一部変更が
実施されたほか、座席や内装の張り替えなどが実施された。

平成11年に老朽化と合理化のため引退した。