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福井鉄道 200形電車

2013-05-12 22:46:45 | 電車図鑑・ローカル私鉄&第三セクター
福武線の急行用電車として登場した車両である。
昭和35年~昭和37年にかけて2体連接車×3本が製造された。
製造を担当したメーカーは日本車輛で編成の組み方は武生新(越前武生)側から
順に以下の通り。

モハ200-1形-モハ200-2形

パンタグラフや制御機器類は-1号車、補助電源装置などは-2号車に搭載されている。
モーター付きの台車は編成両端で連接部分の台車は付随台車である。

車体は普通鋼鉄製で正面は細いピラーを入れた半流線型2枚窓のいわゆる湘南フェイスである。
車体形状は当時日本車輛が地方ローカル私鉄向けに製造していた日車標準車体に
準じており、ドアの配置などは富士急行の3100系電車とよく似ている。
行先表示は当初、前面にあったヘッドマークに掲示するスタイルであったが、
後に字幕式の行先表示機が設置されている。
塗装はクリームに屋根周りと窓下が紺のツートンカラーでさらに急行専用車を示すための
白線が入れられたものであった。
後にいくつかのパターンを経てアイボリーに紺色の帯の福井鉄道標準色に塗り替えられている。

車内はドア付近と車端部をロングシート、それ以外を向き合わせのボックスシートとした
セミクロスシート配置である。
ドアは変則2ドアで全て片引き戸となっている。
また、各ドアには可動式ステップが設けられており、福井新~市役所前~福井駅前~田原町間の
市内線区間での乗降の便を図っている。
当初、冷房装置は設けていなかったが、平成元年~3年にかけて分散式冷房装置を屋根上に設置した。
また、同時期に客室のリニューアルも行い、クロスシートを国鉄113系電車の廃車発生品に交換し、
シート間隔を拡大している。

主制御装置は多段式制御器を用いた抵抗制御でブレーキは発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキである。
但し、発電ブレーキ使用時の振動が大きいことから、後に発電ブレーキは使用停止の措置が
とられている。
台車は軸箱支持をウイングバネとしたコイルばね台車でモーターの駆動方式は中空軸平行カルダン
駆動方式である。
カルダン駆動方式は福井鉄道の電車で本形式が初の採用であった。
なお、冷房改造と合わせて電動台車とモーターの交換を実施しており、現在の台車は国鉄電車からの
払い下げのものを使用している。
また、捻出された旧台車とモーターは120形121-1-121-2の高性能化のため流用されている。

登場以来、急行専用車として運用されたが、300系の導入に伴い各駅停車の運用にも就くようになった。
低床車導入で在来車の大半が置き換えられた中、本形式は全車が残存。
低床車の輸送力不足もあってラッシュ時を中心に現在も運用に就く機会が多い。
塗装は低床車置き換え前には広告塗装となっていたが、平成19年に解除となり、201-1編成がクリームに紺色の帯の
旧標準塗装、202-1編成がホワイトに窓周りが青、車体下部がグリーンの濃淡の現行標準色(低床車から採用)、
203-1編成が登場時の塗装に往時のヘッドマークを復元したものを装着したものとなっている。
過去数回に亘って置き換えが計画されたものの優秀な設計で他の車両よりも結果的に長生きとなった。
しかし、老朽化が進んでいるため、今後超低床車F1000系の導入で平成28年までに引退する予定である。


〇車内。クロスシートが整然と並ぶ。


〇運転台。前後幅は狭いが視界は広い。なお、ワンマン機器搭載時に運転席仕切りの窓が
 外されている。また、電制(発電ブレーキ)使用禁止の札が見える。


〇先頭側の台車。国鉄電車からの流用品であるDT-54型。


〇連接部の台車。こちらはオリジナルのND-108A型。以前は先頭部側の台車も同一形状だった。


〇201-1編成。広告塗装時代と現行の旧標準色。


〇202-1編成。同じく広告塗装時代と現行の新塗装。


〇203-1編成。同じく広告塗装時代と現行の新塗装。



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