水の丘交通公園

鉄道メインの乗り物図鑑です。
※禁無断転載!使用に際してはコメント欄にて
用途を申告してください。

鉄道事業者紹介・東京都交通局

2008-03-31 16:52:08 | 鉄道事業者・路線紹介
東京都が運営する地方公営企業で、東京都とその周辺での交通事業を
行っているものである。
東京都公営企業条例に基づき、水道局、下水道局とともに設置され、
鉄道事業のほか、バス、電力供給事業などを行っている。

発足は明治44年に東京市の電気局が、路面電車の東京鉄道を買収したところから
始まる。
その後、東京電気鉄道、東京街路鉄道などを買収し、都内の路面電車網を
充実させていく。
大正12年に関東大震災が発生し、路面電車が大きな被害を受けたため、
その穴埋めのため、大正13年からバス事業を開始している。

戦時中に昭和17年に陸上交通統制法が施行され、
山手線内に乗り入れる私鉄の路面電車線と
バス会社を吸収し、ほぼ現在の形に固まる。
ちなみに現在の都電荒川線は、この時、都電になった。
それまでは王子電気軌道という私鉄であった。

戦災では大きな被害を受けたが、昭和25年以降、町の復興に合わせて
新事業も開始している。

まず、昭和27年からトロリーバスの運行を開始(上野公園~今井)、
昭和32年には上野動物園でモノレールを公営事業体として初めて
開業した。
昭和35年には都営地下鉄1号線(現・浅草線)が開業した。
戦前から都では地下鉄の営業を希望していたが、運輸省の方針で
都内の地下鉄は営団(→東京メトロ)以外に建設許可を与えられなかった。
しかし、高度成長期を迎え、各ターミナルがパンク状態に陥り、
営団だけの力では新線開業のスピードが遅くなることから、
都の地下鉄事業参入を許した。
都内に地下鉄が2つもあるのはこのためである。

以降、三田線、新宿線、大江戸線の地下鉄線を開業させてる。

その一方で、地下鉄と並行する都電の廃線が相次ぎ、
その後、道路事情の悪化から、昭和42年~昭和48年までに
荒川線となった早稲田~王子駅~三ノ輪橋間以外は
全て廃止された(トロリーバスも含む)。

平成12年の大江戸線の全通以後、バス路線の改変と統廃合が大幅に進んだ。
また、平成20年3月には久々の新線である新交通システムの日暮里・舎人ライナーが
開業している。

現在保有している路線は以下の通りである。
バス路線については、今後、別カテゴリーにて紹介する予定であるので
省略する。

◇地下鉄
 浅草線・・・西馬込~押上間(泉岳寺から京急線、押上から京成線に直通)
     
 三田線・・・目黒~西高島平間(目黒~白金高輪間は東京メトロ南北線と供用。
                    目黒から東急目黒線に直通)

 新宿線・・・新宿~本八幡間(新宿から京王新線に直通。急行運転あり)
 
 大江戸線・・・光が丘~都庁前~六本木~清澄白河~両国~春日~都庁前
 
◇路面電車(都電)
 荒川線・・・早稲田~三ノ輪橋

◇モノレール
 上野懸垂線・・・西園~東園

◇新交通システム 
 日暮里・舎人ライナー・・・日暮里~見沼代親水公園

これらの路線の詳細については、いずれ紹介する予定である。


浅草線。


三田線。


新宿線。


大江戸線


東京都交通局 6300形電車

2008-03-30 22:42:10 | 電車図鑑・地下鉄
東京都交通局が三田線開業時より運行していた6000形電車の老朽化に伴い、
まずは、これらのうちの非冷房車の置き換えのため、
平成5年から導入した車両である。
この当時、既に営団(当時。現・東京メトロ)南北線と直通し、東急目蒲線(当時。
現・目黒線の目黒~多摩川間と多摩川線)と乗り入れる計画が具体化し始めたため、
車体の設計などは、同社9000系(南北線用電車)に準じている。

車体はビードのないステンレス車体で、ラインカラーのブルーと、
アクセントにオレンジの細帯が入る。
正面窓周りもブルーで塗られ、貫通扉には東京都の紋章である
イチョウのマークが付く。

車内はロングシートで車端部の一部にボックスシートと車椅子スペースがある。
車椅子スペースのある連結部の通路は車椅子の通行を考慮して
広幅の通路となっており、両開きの扉が設置されている。
また、ロングシートの袖仕切りは独自の形態のものを採用している。
車内案内装置はLEDスクロール式のものが、ドアの上に千鳥配置されているほか、
ドアチャイムが各ドアに設置されている。

運転台はT字型ワンハンドルマスコンで、ATOによるワンマン運転対応機器を
搭載している(ホーム監視モニター、ホームドア連動装置など)。

主制御装置はVVVF制御で、ブレーキは回生ブレーキ付電気指令式空気ブレーキを
採用している。
台車はダイレクトマウント式の空気バネ台車である。
正面にはスカートを設置しているが、登場時期で形状が異なる(詳細は下部写真参照。
ちなみに上の写真は平成11年~12年の目黒線乗り入れ時に増備されたもの)。

平成11年になり、三田線の目黒乗り入れが迫り、6000形電車を改造するか、
6300形電車を新造するかを選択した際に、改造費用の関係から
後者が選ばれることになった。
この際追加された編成では、正面のヘッドライトやスカートの形状の変更、
VVVF制御装置の素子の変更(初期車はGTO式→IGBT式)、車端部のクロスシートを
廃止、袖仕切りの形状変更など、初期車と比べて、コストダウンと
設計の簡略化を図ったものとなっている。

平成20年3月現在、6両編成37本222両が在籍しており、三田線内折り返しの他、
東急目黒線直通列車などでも使用される。
また、臨時列車として東横線を経由し、元町・中華街駅まで乗り入れる
イベント列車「みなとみらい」号に使用されることもある。


平成5年製の初期製造車。第1編成~第5編成まで、この形態。


平成6年製造車。正面スカートが大型化された。

しなの鉄道 169系電車 快速「しなのサンライズ」&「しなのサンセット」

2008-03-25 20:41:09 | 電車図鑑・ローカル私鉄&第三セクター
長野(北陸)新幹線開業に伴い、並行する信越本線軽井沢~篠ノ井間を引き継いだ
しなの鉄道が開業に伴い、JR東日本より平成9年に譲り受けたものである。

JR169系電車は信越本線横川~軽井沢間での輸送力増強を目的として、
国鉄時代の昭和42年に165系急行形電車をベースに開発され、
昭和43年から量産化された車両である。
車体は165系電車と同じで2ドアデッキ付で車内は普通車が
4人掛けボックスシート、グリーン車は回転リクライニングシートであった。
機構面では横川~軽井沢間の急勾配で連結される補助機関車のEF63形電気機関車との
動力協調運転を可能とし、同区間での電車の押し上げ定数が8両だったのに対し、
最大12両まで連結することが可能となった。
同線経由の急行「信州」、「妙高」、「志賀」などに投入され、
最盛期にはビュッフェなども連結され、その性能を遺憾なく発揮した。
しかし、昭和50年代に入り、ビュッフェが営業休止になり、後連結廃止。
さらに急行「信州」の特急「あさま」への格上げ、急行「志賀」の長野電鉄直通廃止など
衰退の一途をたどり、昭和60年には本来の役目から、地域のローカル輸送や
臨時列車用となった。
配置は全部長野であったが、後に松本と三鷹にも転じている。

同年のダイヤ改正で一部の車両が新幹線の使い古しである
回転リクライニングシートを使ってリニューアルを行い、
長野~飯田間を結ぶ急行「かもしか」に投入されたが、昭和62年に
車両はそのままで、快速(現・快速「みすず」)に格下げされた。
現在、しなの鉄道で運用されているのは、このリニューアル車である。

しなの鉄道への譲渡に際し、トイレと洗面所の封鎖、車体塗装の変更、
座席モケットの張替え(譲渡時には実施しなかった編成もあるが、
現在は全編成で交換済み)などを行っている。
開業用に3連3本、平成10年に快速列車の輸送力増強で3連1本が追加されて、
全部で3連4本が在籍する(他に部品取り用に数両が譲渡されている)。
本形式は快速列車のほか、軽井沢口の普通列車にも使用される(長野側にも乗り入れる)。
特に有料快速「しなのサンライズ」、「しなのサンセット」では、かつての雄姿を
髣髴とさせる走りっぷりを見ることが出来るほか、前者は9連で運行され、
ファンの人気も高い。
しかし、登場以来、40年を迎え(トップナンバー車)、老朽化が
進行してきていることから、置き換えが計画されている。

鉄道路線紹介・えちぜん鉄道

2008-03-22 22:45:05 | 鉄道事業者・路線紹介
◇概要
えちぜん鉄道は京福電気鉄道福井支社(以下、京福福井)が所有していた
鉄道線のうち、越前本線(現・勝山永平寺線)と三国芦原線を
引き継いだ第三セクター鉄道である。

1990年代前半より、慢性的な赤字に悩まされてきた京福福井では、
越前本線東古市(現・永平寺口)~勝山間と永平寺線(東古市~永平寺間)の
廃線・バス転換を表明した。
沿線自治体では地域の足を残すべく、対策協議会を発足させ、
利用促進活動を行った。

そのような状況下で平成12年12月と翌年6月の、わずか半年の間に2度も
正面衝突事故を起こしたため、路線の安全対策が終わるまで
全線で運行を休止することになった。
これによる収支の更なる悪化で京福福井では経営を続けるのは困難となり、
国土交通省に廃止届を提出することになった。

この休止期間中、バスでの代替輸送を行っていたが、以下に廃線直前の
ローカル線といえど、ラッシュ時などは混雑を呈し、時には渋滞で
遅延することもあった。
この事態を重く見た福井県と沿線自治体では、三国芦原線と越前本線の
経営を引き継いで、平成14年2月に第三セクター方式で存続することを
決定した。
永平寺線は収支が見込めないことから、路線休止のまま廃線になり、
バスに転換された。

平成15年7月より安全対策の済んだ区間より、運行を再開し、
同年10月までに全線で運行を開始した。

◇路線の特徴
列車は全てワンマン運転で、無人駅では乗り口で整理券を受け取って
運賃箱に支払う方法であるが、昼間の列車では女性アテンダントが乗務して
車内補充券の発行、車内改札などの業務のほか、沿線案内、お年寄りや身障者の
乗り降りの世話など行っている。
ドアの開閉は運転士が行っている。
編成はラッシュ時は2連、他は、原則的に単行である。
京福時代には有人駅に自動券売機があったが、窓口で販売する形態に改めた。
ただし、硬券ではない。
運転間隔は各線で、原則30分に1本である。勝山永平寺線は、このうちの1本が、
比島駅を通過する。三国芦原線では西長田駅折り返しの列車が存在する。
また、毎週月曜日(月曜が休日の場合は、翌日)には両線各駅を
朝5時台に出発し、朝一で福井駅から出るJRの特急に接続する
「めざましトレイン」を運行している。

◇保有路線
勝山永平寺線・・・福井~勝山間
三国芦原線・・・福井口~三国港間

◇沿線の観光地
永平寺・・・永平寺口駅からバス乗換。
越前大仏・・・勝山駅からバス乗換。
三国神社・・・三国神社駅徒歩10分。
東尋坊・・・三国駅かあわら湯の町駅からバスか、三国港駅から徒歩20分ほど。
福井県立恐竜博物館・・・勝山駅からバス乗換。
福井市郷土歴史博物館・・・新福井駅から徒歩15分。
芦原温泉・・・あわら湯の町駅すぐ。
・・・etc.

◇車両
1101形・・・1両が在籍。
2101形・・・2両運転専用。8両が在籍。
2201形・・・1両が在籍。
以上は阪神電鉄のジェットカーに自社の旧型車の機器を組み合わせた車両である。
2101形は両運転台のものがあるが、ブレーキ系統が旧式のものであるため、
必ず2連で運行される。
2101形は釣り掛け駆動。1101形と2200形はカルダン車。

5001形・・・京福福井時代最後の新車で唯一のオリジナル車。
足回りは1101形、2201形同等。

6001形・・・2両が在籍している。基本的に2連で使用。
6101形・・・6000形の改良型。12両在籍。
以上2形式は再開時に愛知環状鉄道より、無償譲渡されたもの。
車内はセミクロスである。

旅客営業車は2101形の一部を除いて冷房車となっている。

ML6号機関車・・・現在は車籍が無い。入換用だったが、現在は保管。
旧京都電灯がこの地に路線を開業させた大正9年製造の
日本最古の電気機関車。元々は荷物電車である。
ML521形機関車・・・2両在籍。昭和24年製造の凸形機関車。現在は除雪用。

◇その他の案内
土・日・祝日に全線乗り降り自由の1日フリー乗車券を発売している。
えちぜん鉄道のみのものと、福井鉄道との共通のものがある。
料金は

えちぜん鉄道専用・・・800円、
えちぜん鉄道&福井鉄道共通・・・1200円

である。

えちぜん鉄道では「えちてつサポーターズクラブ」の会員を募集している。
年会費は1000円(ファミリー会員500円/個人会員の家族)。
特典は普通運賃1割引。一日乗車券10回ごとに記念品贈呈。
その他、詳細はえちてつサポーターズクラブ事務局(TEL.0776-52-8830)まで。


遠州鉄道 ED28形電気機関車

2008-03-19 21:50:52 | 電車図鑑・ローカル私鉄&第三セクター
大正11年に鳳来寺鉄道と豊川鉄道(両方とも現在の飯田線の一部)が
1両ずつ、計2両が輸入された電気機関車である。
メーカーはイギリスのイングリッシュ・エレクトリック社で
同時期に国鉄東海道線の電化のために輸入された「デッカー」と呼ばれる
電気機関車の一党である。
しかし、他が箱型車体を採用しているのに対し、
本形式のみ凸型車体となっており、日本に輸入されたデッカーでは
唯一の存在となっている。

導入された先での形式は豊川鉄道が電機50形50号、鳳来寺鉄道が電機51形51号であった。
昭和5年に双方とも形式が変更され、豊川側がデキ50形、鳳来寺側はデキ100形に
なった。
昭和13年には鳳来寺のデキ100形がデキ50になり、豊川のデキ50がデキ51に変更された。

昭和18年に双方の会社が国鉄に買収され、飯田線に統一された際には、
そのままの番号と形式のまま引き継がれている。

昭和27年に社形(戦争中に国鉄に買収された私鉄の電車)や戦前製電車、
機関車などの番号整理の際、国鉄での形式を与えられ、
それぞれED28形1号、2号となった。

遠州鉄道が、本機を譲り受けたのは、昭和34年である。
導入当初は貨物列車などに活躍したが、昭和51年に貨物が廃止になって以降は
保線列車専用となり、西ヶ原駅に常駐している。

平成20年に実施された検査の際、塗装が変更され、上の写真より、
濃い青になったほか、ナンバープレートが白く塗られた。

江ノ島電鉄 1000形電車

2008-03-16 23:20:19 | 電車図鑑・ローカル私鉄&第三セクター
老朽化した旧型車の置き換えと、輸送力増強のため、江ノ島鎌倉観光電鉄時代の
昭和54年に登場した車両である。
江ノ電数十年ぶりの新型車(全く新車が無かった訳ではなく、
払い下げの中古車や車体だけ作って部品は旧型のお古というのが
大半であった)ということで注目を浴び、翌年には鉄道友の会から
ローカル私鉄の通勤タイプの車両としては初めてのブルーリボン賞を
授与されている。

編成は2体連接で、車体は普通鋼鉄製であるが、窓下などにステンレスを使用して
腐食対策としている。
正面部の窓を大きくとったのと、運転台を正面中央部にしたことで、
前面展望も十分に楽しめる。
窓は一段下降式で、車内側に内キセにFRPを使用している。
座席はオールロングシートである。
運転台は片手操作式逆L字型ワンハンドルマスコンを採用した。
これらのインテリアや外観は同時期に同じメーカー(東急車輛)で製造されていた
京急の800形とよく似ている。

当初は冷房を搭載していなかったが、昭和61年までに搭載している。
足回りは、当時の技術では、車体の小さな江ノ電クラスの車両での
カルダン駆動は、まだ困難ということで釣り掛け駆動が採用された。
塗装は緑がかったクリームに抹茶色の帯が入るものであった。

ファンのみならず、沿線からも好評を持って迎えられ、増備車が製造されている。
その度に改良が行われ、形式で区別されている。
昭和56年に冷房改造準備車の1100形(翌年に冷房を搭載して江ノ電初の冷房車に)、
昭和58年にヘッドライトが四角くなり、新製当初より冷房を搭載した1200形、
昭和61年に江ノ電初のカルダン駆動車である1500形が登場している。

1100形は旧社名の江ノ島鎌倉観光時代最後の新車となったほか、
1200形は日本の1067mm軌間の電車の完全な新車として最後に製造された
釣り掛け駆動車である。

1500形では、カルダン駆動の採用のほか、制御器に弱め界磁が導入され、
マスコンの加速段が3段から4段に増えた。
塗装もクリームにオレンジと赤の細帯で区別されていた。

平成15年よりリニューアル改造を実施しており、車内への車椅子スペースと
各ドアへのドアチャイムの設置のほか、塗装をグリーンとクリームの
ツートンカラーに金色のステンシルを入れたものに変更している(広告電車除く)。


ヘッドライトが四角くなった1200形。


カルダン駆動車になった1500形。広告塗装車。




京阪電気鉄道 9000系電車

2008-03-13 23:22:07 | 電車図鑑・私鉄電車(関西)
通勤時間帯の優等列車の輸送力増強のため、平成9年に登場した車両である。

K特急、特急運用から普通列車まで幅広く使用可能な汎用車として製造された。
ベースは平成7年製の7200系電車であるが、差別化のため、
通常の通勤型電車の塗装(グリーンの濃淡)に
細いエメラルドグリーンの帯が入る。

車内は集団離反式のセミクロスシートで、車端部側のドア出入口付近が
ロングシートで中央部のドアは、クロスシート背面に設置された
跳ね上げ式の補助席がある。
クロスシートは特急専用車の8000系や3000系のような転換クロスシートではなく、
ラッシュ時の乗降に難があったため、一部の車両でロングシート化を
試験的ながら実施している。
ドア上にはマップ式とLEDスクロール式の旅客案内装置が
配置されていたが、マップ式のものは老朽化と中之島線の開業対応が
難しいため、撤去されている。
中ドア周辺には跳ね上げ式の吊革が設置されている。
3ドアのうち中ドアは、締め切りが可能で2ドアでも使用可能であり、
それを示す表示灯がある。

主制御装置はVVVFインバータ制御、ブレーキは電気回生ブレーキ併用
電気指令式空気ブレーキである。
運転台はワンハンドルマスコンである。

運行当初は、ラッシュ時間帯を除いて、特急として使用される場合は
中ドアを締め切って2ドア車として使用された。

平成15年のダイヤ改正で昼間の特急が大増発された関係で
8000系や3000系では、運用を賄いきれなくなった為と、
朝のラッシュ時からの車両運用の都合上、ラッシュ時がK特急、
昼は特急運用に就いている。ドアは、いずれの運用でも全扉開放となる。
昼間に限って言えば、1時間6本運行される特急のうち2本が本形式で運行される。
駅の時刻表で「Ⅲ」のマークがあれば、本形式が走ってくる(2ドア車の8000系、
3000系は「Ⅱ」)。
現行の運用では、全編成が何かしらの運用に就いているため、予備車がなく、
検査などで使用できない場合は、他の3ドア車で代行される(8連車限定)。

鉄道路線紹介・長野電鉄

2008-03-08 00:25:26 | 鉄道事業者・路線紹介
長野電鉄は、長野県北部に路線を保有する中規模私鉄で、
「ながでん」グループの中核企業である。

須坂や小布施、中野(信州)といった千曲川東岸の産業輸送近代化を
目的に設立された河東鉄道(屋代~須坂間。現・屋代線)を発祥とし、
その後、須坂~長野間を開通させた長野電気鉄道が合併し、
現在の形態となった。
その後、信州中野~湯田中間(山の内線)の開業により、志賀高原、
渋温泉の観光開発を進め、スキーブームの先鞭をきった。

長野線は開業時より複線区間を有し、同区間では20分~30分に1本での
高頻度運行を実施しており、都市鉄道としての性格も有している。
そのため、一時は観光色が薄らいだ時期もあったが、新型特急用電車の
導入などで、改めて観光輸送にも力を入れ始めている。

保有路線
長野線・・・電鉄長野~湯田中間
・地方私鉄としては電鉄長野~善光寺下間が地下区間で電鉄長野~朝陽間は
複線となっている。
また、有料特急が運行されており、停車駅のパターンでA特急とB特急に分けられる。
・停車駅の少ないA特急は1000系「ゆけむり」を原則的に使用している。
・B特急は在来の2000系で運行され、信州中野~湯田中間のみの乗車であれば、
特急料金不要。
ちなみに特急料金は運賃+100円。
何らかの事情で「ゆけむり」、2000系の特急専用車が運行不能になった場合は、
3500・3600系で運行される。この場合は特急料金不要。
・普通列車は電鉄長野~須坂・信州中野間で1時間2~4本程度、
信州中野~湯田中間で1時間1~2本の運行で両方とも基本的にワンマン運転である。
信州中野を境に料金収受の方法が異なり、長野側はいわゆる都市型ワンマンで
駅で切符を買う方法、湯田中側は整理券で乗って、降車時に運賃箱に料金と
整理券を入れる方法である。
・柳原~村上間の村上橋は鉄道道路併用橋として知られているが、平成20年度中に
新橋梁に切り替わる予定である。
・小布施駅には「ながでん電車の広場」があり、かつての旧型車や機関車が保存展示されている。ただし、現状は放置状態で、あまり状態は良くない。
・車両基地は須坂駅構内にある。

屋代線・・・須坂~屋代間
・長野電鉄発祥の路線である。
・普通列車のみ1時間1本あるかないかの運行。
・電車はワンマンで無人駅での乗車の際には整理券を受け取って
降りる際に運賃箱に整理券と運賃を入れる方式。
・屋代駅で旧信越本線のしなの鉄道と接続している。
かつては国鉄からの直通列車が運行されていたが、現在は廃止されており、
稀に新車の搬入に使用される程度である。
長電としなの鉄道を直接結ぶ乗り入れ線は撤去されているため、
運ばれてきた新車は、一旦、構内の長電テクニカルサービス屋代工場に
取り込まれてからの入線となる。
・最後まで旧型の1500形電車が活躍した路線としても知られる。

この他に信州中野駅から木島駅を結んでいた木島線が存在したが、
平成14年に廃止された。
廃線から4年を経過しているが、駅の案内表には、未だに残っているところが多い。
信州中野駅の駅舎側から見て、一番奥のホームが専用ホームだったが、現在は閉鎖されている。

使用車両
1000系「ゆけむり」
・・・元小田急ロマンスカー。A特急専用。ひじょうに人気のある車両で、
展望席目当ての客が何分も前から並ぶくらいである。
2000系
・・・長野電鉄オリジナル車として唯一の現役車。現在はA編成(マルーンに白帯)と
D編成(赤とクリームのツートンカラー。スカート付)が残る。
通常はB特急とそれに付帯する普通列車で運行されるが、「ゆけむり」の検査時は
A特急運用にも入る。
3500系・3600系
・・・元営団日比谷線3000系電車である。外観上は赤帯とロゴを追加した程度である。
2連の3500系と3連の3600系があり、3500系はワンマン方式の違いでN編成とO編成、
3600系はL編成と称される。
現在は大半が冷房化されている。
8500系
・・・元東急8500系電車。3連のみ。勾配用の抑速制動を持たないため、
長野線信州中野~湯田中間には乗り入れない。

これらの車両の運用は長野電鉄のホームページで形式別に色分けした全線時刻表で
見ることが出来る。


特急「ゆけむり」。

鉄道用語・電車の制御装置の種類

2008-03-07 14:59:10 | 鉄道用語・解説
電車は架線や第三軌条から電気を採り、モーターを回して走る鉄道車両の
ことであるが、速度制御を行うため、電流を制御しなければならない。
一気に架線からの高圧電流がモーターに流れると、
モーターがパンクしてしまうため、段階的に電流が流れるように
しているのが、制御装置である。
当公園では「主制御装置」として紹介している。
今回はこれらの種類と簡単な仕組みを紹介する。

1・抵抗制御
・・・集電装置(パンタグラフなど)から採った電流を抵抗器に通して、
異なる抵抗値の抵抗器を組み合わせながら、直流モーターを加速させる方法。
最も、原始的であるが、オーソドックスな方法で、幅広く採用されている。
抵抗値の切り換えは、スイッチやカム軸と呼ばれる装置で行われ、
加速すれば加速するほど、抵抗値は少なくなる。
モーターで発生した磁界を利用して、主に高速域で弱め界磁制御を行う。
抵抗制御の長所としては構造が簡単で点検しやすいこととであるが、
エネルギーが熱として放出されること、電力回生ブレーキが使えない(モーター側
の回路で対処可能)こと、起動時の衝撃が大きいこと(制御スイッチやカム軸の
段数を増やすことで対処可能)などの欠点もある。
これらの欠点を解消する為、超多段制御器などが開発されたが、
構造的に複雑になってしまうため、あまり普及していない。

2・チョッパ制御(サイリスタ・電機子・四象現)
架線でとった電流を高速でスイッチングを繰り返すことによって
直流モーターを回す方法。
制御素子に半導体(サイリスタなど)を用いるため、加速時の熱損失が
ほぼ無くなり、電力回生ブレーキの常用が可能である。
加速時に「プー」という独自のノイズ音が入るのが特徴。
営団地下鉄千代田線の6000系電車で採用されたのを皮切りに
地下鉄用電車を中心に採用されたが、装置自体が、かなり高価であり
量産化された例は少ない。

3・界磁チョッパ制御
抵抗制御とチョッパ制御のハイブリッド版で、モーターに複巻電動機を採用し、
そこから出る分巻界磁電流をチョッパ方式で制御することによって
回生ブレーキを使用可能にするものである。
チョッパ加速領域では、モーター内に電流を滞留させる0アンペア制御が行われる
ことにより、加速・ブレーキの応答性が良く、一定の速度で走行させる支援装置である
定速度制御が可能である。
チョッパ装置については最低限の性能のものでいいのでコストも安い。
但し、起動時は抵抗制御なので、その分の熱損失やショックなどの欠点は
引き続き欠点として残るほか、回生ブレーキも電機子を使った
チョッパ制御と比較して、速度の高い状態で失効する場合がある、
使用する複巻電動機の整備周期が短く、電流の急な増減に弱い上、
保守の手間がかかるなどの弱点はある。
しかし、これらの弱点を加味しても安価で回生ブレーキが行えるということで
1970年代後半から90年代初頭にかけて大手私鉄の電車で多く採用されている。

4・界磁添加励磁制御
直巻電動機を使用しながら、界磁電流用の電源を別に設けて、
回生ブレーキを行うもので、界磁チョッパ制御の簡易版である。
補助電源から意図的に界磁制御を行うことによって、架線電圧に左右されずに
安定した回生ブレーキが可能であり、抵抗制御との共通部品の多さから
安価で改造することが可能であるなどの利点がある。
しかし、欠点についても、ほぼそのまま引き継いでいる。
国鉄が末期に製造した新型車である211系や205系で採用されたほか、
私鉄でも冷房改造車などで採用されている。

5・サイリスタ位相制御
交流用電車で主に使用されるものである。
交流で採った電流をサイリスタで直流に変換し、直流モーターを制御する方法。
接点がないため、メンテナンスの手間がかからないのと、電流を
直接制御できるので抵抗制御のような熱損失がない。
ただし、モーターについては整流子の整備が必要である。

6・VVVFインバーター制御
正式には「可変電圧可変周波数制御」で、「VVVF」とは、その英訳の
「Variable Voltage Variable Freqency」の
頭文字をとったものである。
直流で採った電流を三相交流に変換して交流モーターを制御するものである。
きめ細かな出力制御が可能で、起動時の衝撃が少なく、加速時のレールへの
粘着性も強いため、モーター付の車両の数を減らせる、回生ブレーキが
停止寸前まで使用可能、誘導電動機を使用するため、モーター自体の小型化と
メンテナンスの省力化が可能などの利点がある。
しかし、初期に採用されたものでは起動・加速時に発生する独自の騒音や
ノイズが発生しやすく、電信系の保安装置に悪影響を及ぼすことがあった。
現在では、これらを、ほぼ解決しているほか、京急2100形のように
敢えて音階をつけて特徴付けたものもある。
ちなみに、交流用電車などでは、一旦、直流に換えて、更に交流に切り換える
方法をとっている。