水の丘交通公園

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南海電気鉄道 50000系電車 「rapi:t(ラピート)」

2013-08-20 16:02:15 | 電車図鑑・私鉄電車(関西)
関西国際空港開港・空港線開業に合わせ、大阪難波方面への座席指定の特急用電車として登場した
車両である。
平成6年に6両編成×6本=36両が製造された。
製造を担当したメーカーは東急車輛である。
編成の組み方は関西空港側(1号車)から以下の通り。
クハ50700+モハ50200+サハ50600+モハ50200+モハ50000+クハ50500

この色の車両はスーパーシートで他はレギュラーシートである。
トイレはサハ50600形とモハ50000形、車いすスペースはサハ50600形、カード式公衆電話は
クハ50700形とサハ50600形、クハ50500形、CAT荷物室はモハ50200形にある。

車体は普通鋼鉄製で居住性向上のため車体幅や長さを従来の車両より大きく取っている。
先頭部分は独自のデザインの流線型で「レトロ&フューチャー」の発想を原点に
鉄道車両の重厚感と航空機の躍動感を併せ持つスタイルとなっている。
塗装は「ラピートブルー」と呼ばれる空と海の深みを表現した独自の青色一色である。
塗料には鉄道車両としては珍しく雲母入りのものを使用しているほか、通常は塗装されない
天井のエアコンカバーまで塗られている。
行先表示は車体側面に字幕式で設置している。

車内はスーパーシートとレギュラーシートの2クラス式である。
スーパーシートは1:2配置の回転式リクライニングシートで独自の意匠の
座席を採用している。
座席の設置間隔は1200㎜で荷物が置けるようにフットレストを敢えて設けていない。
背もたれは中折れ式でテーブルは肘掛の中に小型のものが設置されている。
レギュラーシートは2:2配置の回転リクライニングシートで間隔は1030㎜である。
テーブルは同じく肘掛内臓の小型のものである。
各車客室に大型荷物置き場を設置しており、客室から自分の荷物が見えるように
配慮している。
荷棚は蓋つきのハットラック式である。
スーパーシートの6号車にはミニバーがあったがレギュラーシートの乗客による持ち出しが絶えず、
冷蔵庫は撤去され、コーナーだけが残されている。
側面窓は楕円形のものを採用し、デッキの仕切り窓、ドア窓も同様の形状としてイメージを
統一している。
ドアは片側1か所の片引き式プラグドアで軽量化のためここだけアルミ製である。
4号車の難波側車端部にはなんば-CATからの荷物を受け入れる専用の荷物室を有しているが、
平成13年のサービス終了で現在は使用していない。

主制御装置は1000系電車及び2000系電車で実績のあるGTO式のVVVFインバータ制御である。
ブレーキは回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキである。
台車は軸箱支持をSU形ミンデン式としたダイレクトマウント・空気ばね式ボルスタレス台車である。
モーターの駆動方式はTDカルダン方式である。

運用は南海本線・空港線特急「ラピート」のみで他の列車に用いられることはほとんどない。
団体列車などで南海本線みさき公園や車両検査工場のある千代田工場まで高野線を走行することが
あるくらいである。


〇スーパーシート。


〇レギュラーシート。


〇荷物置き場。平成7年度ブルーリボン賞のプレートが見える。


〇「ラピート」のロゴ。