水の丘交通公園

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西武鉄道 401系電車

2010-06-06 22:05:39 | 保存車・博物館
同時期に製造されていた701系・801系電車の増結用車両として登場した車両である。
当初は411系と称され、クモハ411形とクハ1451形で構成される2両編成×19本=38両が
昭和39年~43年にかけて製造された。
メーカーは全車西武所沢工場である。

車体は普通鋼鉄製で、昭和34年製の451系をベースにしたものを採用している。
正面デザインも切妻・非貫通・3連窓で、同形式のものを踏襲しているが、テールライトが
外付けから埋め込みになる、屋根上の通風器がガーランド式から丸いグローブ形になるなど
微妙な変化が見られる。
増備された期間は5年ほどだが、自動車体洗浄装置の導入の関係で後期に製造された
車両は雨樋が埋め込み型のものになった。
塗装は当時の標準塗装であるデザートクリームに朱色の「赤電」カラーであった。

車内はロングシートでドアは片側3ドア・両引き戸である。
ドアにはアルミハニカムドアを使用し、開閉時にパタパタと音をたてるのが特徴であった。

主制御装置は電動カム軸式の抵抗制御で、制御器には旧性能車と同等品を採用した。
この他、ブレーキは空気自動ブレーキ、台車もイコライザー式で吊り掛け駆動の
旧来からのものを採用している。
昭和47年頃には吊り掛け駆動のまま、台車を空気バネ台車に交換したほか、ヘッドライトの
2灯化、方向幕取り付け(運転室内に吊り下げるタイプ)などの簡単な改良が行われた。

その後、701系・801系のブレーキシステムの更新(電磁直通ブレーキ化)、冷房化が
行われるのに合わせて、401系もこれらに合わせて足回りを中心とした大改修を実施した。
主な内容は台車の交換とカルダン駆動(中空軸平行カルダン)化、制御装置を701・801系と
同じ多段制御装置に交換、冷房装置設置、ブレーキの電磁直通ブレーキ化、
クハ1451形の電動車化、ドアのステンレス・無塗装化、塗装変更(西武イエロー1色)、
前面への平行四辺形のステンレス装飾設置と前面下部の補強、方向幕設置(正面向かって
左側に埋め込み。手動式)、編成の向きの転換、パンタグラフ増設などである。
形式も全車電動車方式になったのに合わせ、クモハ401形(奇数)+クモハ401形(偶数)に
変更した。
パンタと制御器は偶数車に、コンプレッサーや電動発電機は奇数車に設置している。
後年、この他に座席の交換、袖仕切りをスタンションポール設置型のものに変更するなどの
改良を施したものが存在する。

改造当初は狭山線でも運用されたが、後に701系や801系と共に新宿線系統に
集約配置されるようになった。
基本的に701系や801系の増結車両として使われ、単独で走ることは少なかったが、
昭和63年ごろから平成初頭にかけての短期間に多摩川線で運行されたこともある。
その後、新宿線での4ドア車の需要が増えたこと、池袋線の地下鉄直通を控え、
新車の導入が進められたことなどから、平成2年より廃車が開始され、
平成8年の秋を最後に全車が引退した。

引退後は2両編成冷房付きのカルダン駆動車という手頃さから全車が地方私鉄に
譲渡されている。
内訳は上信電鉄に2両、三岐鉄道に4両、近江鉄道に30両で、西武系列であるとはいえ、
近江鉄道には異例とも言える大量譲渡となった。
近江鉄道に譲渡されたもののうち、クモハ419+クモハ420の2連1本は、現在も原形を
保っており、ヘッドライトや乗務員室扉、運転席の椅子が外された状態で
彦根工場の留置線に置いてある。
ただし、タイトル写真の通り、状態は悪い。





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