goo blog サービス終了のお知らせ 

かーちゃんはつらいよ

施設入所した19歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

大脱走に涙する

2017年03月17日 08時46分59秒 | みゆみゆとの生活
昨日、覚悟して行った耳鼻科ですが、想像を超えてくる大変さでした。

ベルトでグルグル巻きにしてベッドに寝かせ、耳垢は無事に取れましたが、
そうちゃんは激怒
ま、当り前ですわな。

一旦廊下に出て、そのあとすぐに診察室に呼ばれ、先生からの説明を聞くことになりました。
でも、そうちゃんはもう入りたくない様子で病院の廊下に寝転んで動かない。
そうだよね、さっき嫌なことされたもんね。
抱え上げて連れて行こうとしたら看護師さんが、
「私見てましょうか?お母さんだけ聞いてきてください。」

はい。皆さん想像つきましたか?
その場の私は、そのあとの出来事の想像ができなかったのです。

「そうちゃん、看護師さんと待っててね。お母さん、先生と話したらすぐ戻ってくるからね。」
「はい」
という会話を交わし、先生と話をして、廊下に戻ったら、

そうちゃんと看護師さんが消えていた。

嫌な予感、ビシビシ。
前にもこの病院で脱走し、その時はリハ室で見つかったことを思い出しながら、
どうしようもないので、混雑したロビーを、耳を澄ましてウロウロ、おろおろ。

しばらくしてさっきの看護師さんが一人で駆けてきて、手にそうちゃんのジャンパーだけを持っているのを見た時は血の気が引く思いでした。

「お母さん。そうちゃんが、急に走り出して、外へ飛び出してスーパーまで行ってしまいました。
 守衛さんも一緒に追いかけたんですけど、早くて。間に合わなくて。
 スーパーで、キウイをかじってしまいました。」

うへー。えらいこっちゃ。
でも、とりあえずケガはしてないのね、居場所はわかってるのね、というところで、引いた血の気は戻った。
慌ててスーパーに戻り、守衛さんと病院スタッフさん(掃除の方)が確保してくれているところに合流。
そうちゃんは、興奮して硬い表情をしていました。
スーパーの人に謝って、キウイの料金をどうしたらいいか聞いたけど、その人にはわからなかったようで、待たされる感じになり、
どんどん、どんどん、不安定になるそうちゃん。
たまらず、
「あとで改めて伺いますから。」と言いおいて、病院に戻りました。

病院に戻る途中、
この状況を予測できなかった自分を恨み、
看護師さんに託すならちゃんと「手をギュッと持っててください」と言っておかなかったことを後悔。
病院スタッフさんが、信号を渡りながら、
「ほんとに車にはねられなくてよかった。無事でよかったね・・・。」と言ってくれるのに、泣きそうになる。

病院に戻ると、耳鼻科の先生が、
「大変でしたね。ごめんなさいね。」と言われ、今後のことを話しました。
「耳鼻科に慣れてもらうためにも、定期的に通ってもらった方がいいと思いますので、また3週間後に来てくださいね。
 病院にこの子を連れていくのも大変で、だからこそ耳鼻科に足も遠のいて、耳垢がたまっちゃったんだと思うけど・・・。」
その言い方が、やさしくて、親の普段の大変さを受け止めてくれている気がして。
ついに涙の堰があふれてしまいました。

涙の意味を、うまく伝えられなくて、
「ごめんなさい、ただ・・・びっくりしてしまって。」と言いました。

病院が終わってから、もう一度そうちゃんを連れてスーパーに行きました。
キウイ代は払わなくていいことになって、丁重にお礼を言いました。
が、
その帰り、そうちゃんはまた、キウイをかじってしまいました。
ああ。
十分に気を付けていても、防ぎきれなかった。
そうちゃんも興奮しきっていたのね。

かじりかけのキウイを持ってレジに並び、謝りながらお金を払ったら、
レジの人がこれまたやさしくて、
「ぼく、キウイおいしかった?おいしかったんだね。」と満面の笑顔で声を掛けてくれて、
でも、次に並んでいて中学生らしき子は、そうちゃんを奇異な物を見るように見つめていて、
そんな、いろいろ、すべてに、
泣けてきて。
弱いな。私は。

車に乗せて、支援学校へ向かう間、ずっとそうちゃんは不安定で、
大声をあげながら窓をガンガン蹴っていました。
必死で、泣きながら、運転したよ。
情けなくて。辛くて。

学校に預けて、午後は仕事。
「とても働く気になれない」と思ったけど、
結果的には仕事があってよかった。
気持ちを切り替えて、吹っ切ることができたよ。

ああ。
そして今日は終業式。
春休み突入だ。
あと一週間。
一週間頑張れば、そうちゃんはショートステイです。