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かーちゃんはつらいよ

施設入所した19歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

映画「彼らが本気で編むときは」

2017年03月11日 22時17分24秒 | みゆみゆとの生活
そうちゃんの熱が引き、児童デイに行ってくれた開放感で…
映画「彼らが本気で編むときは」を観てきました。

この映画は、LGBT(性的マイノリティ)の一つである「トランスジェンダー」の女性(戸籍上は男性)が主人公です。
生田斗真くんが女装をして難役を演じたことで話題になりました。
この映画の監督の旧作品、「かもめ食堂」が私は好きだったので、観に行くことにしました。

いやあ、
いい映画でした。
たくさん、泣いてしまいました。
なるべくたくさんの方に、観てもらいたいです。

テーマは、LGBTではなく、「母と子」だと思いました。
親子だって、人と人。合わないこともある。
子を愛していても、どうしても正面からは向き合えないことだってあって、それは仕方ない。
けど、子どもの側から見れば、
「どんなあなたでも、あなたが一番大事」と真っすぐ言ってもらえることが、何よりも大事なことなんだろうな。

前に「探偵ナイトスクープ」で、「実は女性として暮らしている」と自分の親に告白する、というのがありました。
いわゆる「オネエ」としてお店で働く彼女の告白を電話で突然聞いた、田舎の年老いたお母さんは、こう言っていました。

「あんた、元気なんか?それやったらよかった。
あんたがな、息子だろうが娘だろうが、どっちでも私にとってはかわいい子やから。
そんなん、関係ないで…。関係ないねん…。
また、帰っておいでやー。待ってるでー。」

「うん、うん。ほな、また今度帰るわ。」
とうなづきながら、濃いお化粧が崩れるのも構わず電話口で泣き続けるその人を見て、私もテレビの前でもらい泣きしました。

LGBTの人に対する偏見は、社会に根強くあります。
障害者差別も、同じです。

今日、映画を見て、
その人が元々女だったか男だったかなんて、関係ないな、と思いました。
大切なのは、人としての愛、思いやる心だ。
そして、「理由もなく、自分が自分であるからこそ愛された経験」が、人を強くする。
親にその力がなくても、他の誰か(例えば親戚、地域のおとな、先生など)が、それを代わりに子どもに与えられれば。
人を傷つける子、自分を傷つける子が、どれだけ減るだろう。
そんなことを考えました。

今日から私は、性同一性障害という言葉を使うのをやめようと思う。
「障害」は、その人にではなく、「社会の側」にあると思うから。
発達障害だって、同じ。
個性を「障害」とひとくくりにするのは、偏見につながり、タブーという名の無関心を呼ぶような気がする。

知らないを知ることから、始めよう。

それには、この映画はとてもいいきっかけになります。
母である自分、子でもある自分のことを見つめなおす機会にもなりました。

みなさんもぜひ見に行って、感想教えてくださいね!

※※※※※※※※

いい映画だったなーと余韻を楽しんでいたら、電話が鳴って…
音楽サークルの練習をすっかり忘れていたことが発覚。
ご迷惑おかけしたみなさん、ごめんなさいでした;
駆け付けての練習、楽しく充実してました☆
次は、スケジュール帳に「書く」だけでなく「見る」ことをしますね。(当たり前。)