ツイッターの方にはもう載せた夕陽画像だけど、せっかくなのでこちらにも。
僕は金環日食などに全く興味がなくて、世間の大騒ぎにも関わらずスルーしたのだけど、その言い訳をさせてもらうなら、あんなの結局は「太陽が月の陰に隠れて……」云々の理屈ありきじゃん。皆既日食のように辺りが暗くなるならまだしも、専用の眼鏡がなかったら何も分からない程度の現象なわけでさ。
だったらオレは日々の朝焼けや夕焼けの方により強く心を動かされる。天体に関する知識が皆無な自分だって、昇りゆく太陽に励まされることはあるし、沈みゆく太陽に感傷を誘われることもある。人間にとって最も尊いのは理屈と関わりのない場所に芽吹く感情だと思うから、こんな僕がガラにもなく川辺で夕陽を眺めてしまったりもする。
夕陽はきっとタイムマシンみたいなものなんだと思う。子供にとっては日没が友達との別れの合図で、空があかね色に染まると否応なしの帰宅を強いられる。やがて大人になり門限がなくなっても、夕暮れ時にふと西の空の眺めれば、幼き日の寂しさや侘しさ、それら全てが甦る。あの日のあの時間に時計の針を戻すことができる。
子供の頃と比べたら今はずっと自由なはずなのに、それでいて見えない鎖に縛られた僕がここにいて。小さなベッドで孤独に震え、真っ暗な明日に足がすくみ、そんな不毛な現在を生きているがゆえ、たまにはふらっとタイムマシンでドライブしたくもなるのです。