Dying Message

僕が最期に伝えたかったこと……

犯罪被害者等基本計画

2005-12-28 18:13:55 | Weblog
年内は漫才を書くつもりでいましたが、今日は真面目な話を。

犯罪者被害者等基本計画が閣議決定されました。
当事者でないゆえ被害者の本当の気持ちは分からないことを断った上で言えば、概ね僕は賛成の意見。

マスコミ側は「実名報道は客観的な取材、報道に欠かせない」とこの案に反対しています。
もっともなようにも聞こえますが、じゃあ今マスコミが客観的な報道をしているのかという疑問は残る。
だいたい民放のニュースなんて視聴率稼ぎが第一なんですよ。
だから傷心を患った人にまで、無理矢理マイクを向けるんでしょう。
取材の内容だってお粗末じゃないですか。
被害者に「今のお気持ちは?」と聞くのはお約束の光景だけど、そっとしといてあげろって。
そんなこと聞かなくたって、悲しいに決まってるんだから
そんな下衆なことをしているマスコミが、正義を振りかざしても滑稽にしか思えません。

国民の「知る権利」を守るべきというマスコミの主張は、もっとものようにも思える。
確かに事件の経緯を公表することは、対策を講じる上でも必要ですよ。
でもそこに被害者氏名が必要かと言えば、僕は必要ないと思います。
別に仮名だっていいんじゃないでしょうか。『こたえてちょ~だい』みたいに(笑)。
事件の背景にしたって、被害者の生前の印象を聞くといった程度のものが主流。
被害者の内面に土足で踏み込んで、荒らして。
そんなことを「知る」のを、国民は望んでないですよ。

次に警察に選択権を与えるのは危険じゃないかという意見。
これは確かにそうかもしれない。
でも、所詮営利団体にすぎないマスコミの「良識」に任せるよりは信用できるでしょう。

被害者側の意見も割れているようで「地下鉄サリン事件被害者の会」はこの案に反対。
「全国犯罪被害者の会」は賛成だそうですね。大雑把に言えばですけど。
これは大量殺人か否かの違いじゃないでしょうか。
大量殺人では、一人一人の細かい情報が流れない。
だから遺族としては、風化させたくないという心理から実名報道を望むんでしょう。
一方、非大量殺人では被害者の元に多くのマスコミが押し寄せる。
もちろん取材者側も気は使っているんだろうけど、やはり被害者には負担になることは間違いない。
それではマスコミの印象が悪くなるのも無理はないですよね。
どちらの意見も尊重すべきで、その意味では被害者の意向が反映する方針が盛り込まれたのもいいことだと思います。

もちろんマスコミの言うように、社会全体が警察の権力の暴走を監視することは必要不可欠ですが。


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