新井会長へ

　世間では新井＆蓮舫がナベツネ（＝悪）に立ち向かうヒーローのように扱われているようですね。じゃあ僕はちょっとだけ反論してみようか。

　まず、こういう震災みたいな時に開幕延期を求める声が上がるのって、野球や野球選手の地位が見くびられているからだと、オレは思うんだよね。こんな時にわざわざ野球かよ、みたいな。被災地が大変な時に遊んでんじゃねーよ、みたいな。

　でも、実際は野球選手だってそれを生業にして飯を食ってるわけですよ。死者が出るような地震の翌日も、サラリーマンが普通に出勤するのと一緒でさ。だから、本来選手会は、表面上は理解を求めるという体で不謹慎という声を説き伏せなくちゃいけないのに、新井はむしろ火に油を注ぐかのごとく野次に加担している。自分の仕事に対するプライドはないのかなって思う。

　延期という目標だけが先走り、それが何のためなのか、会長さんはあんまり考えてない気もする。仮にみんなが言うとおり野球が不謹慎だとして、じゃあ４月12日ならオッケーという根拠は？　全体が壊滅しちゃっているような集落があって、まだ家族の安否が分からない人もたくさんいて。放射線の影響は関東まで及んでいて、この先風評被害に苦しむであろう観光業や農家の方々がいて。問題の全てを解決しようと思ったら10年じゃ済まない中で、たかたが３週間弱の開幕延期など新井の自己満足に過ぎないはずだ。

　野球をやっちゃいけない基準が死者の数だと言われたら、それも違和感がある。福知山の脱線事故でも感じたことだけど、こういう時に「○万人が亡くなったひとつの出来事」として捉えるのは絶対に間違っている。たとえどんな奴でも、人にはそれぞれのストーリーがあるわけで、本当は「ひとりが亡くなった出来事が○万件」いう考え方をしなきゃいけない。逆接的に言えば、今回の震災で野球を休むのなら、１件でも理不尽な交通事故が起こった日には試合を中止すべきとオレは思う。

　とか言うと「お前、野球が観たいだけなんだろ」という声が聞こえてきそうだけど、ホークスファンからすれば、延期はむしろありがたいんだよね。開幕絶望だった大隣がぎりぎり間に合う可能が出てくるし、カブレラもオープン戦が不振でもう少し時間が欲しい感じだったし。数週間延びた間に江川君が覚醒するかも知れないし。って、それはねぇか（笑）。

　もちろん節電云々は分かるよ。でも、東京ドームで１試合やっても、たかだか5000世帯分の電力に過ぎないらしいじゃん。だったら、巨人戦なら４万人くらい入るわけで、その観客が自宅の電気を消して来れば、おお軽くペイできる計算だ！　新井さんにはそういう発想をしてほしいんだよなぁ。

　今回の対応で世間から野球が目の敵にされちゃってさ、それが本当に悲しいね。新井のことを色々言ったけど、本当に問題なのは、ナベツネが喋ると途端に冷静さを欠く受け手だという気もする。