曇りから雨へ。23-20℃
暑くも無く、寒くも無く、室温調整に燃料を使わない、この位の温度が嬉しい。
まず、コロナ禍の最中、各地の地震、非常に心配。
私は、おそらく最後の強制給餌と、排泄のお世話に追われている。
ここで、注目すべき点は、何時間か前、この時点では、猫の首、頭が立っている事。
ホンの僅かな輸液を入れ、(呼吸でも、水分は蒸発するので)一日のお世話を終了。免疫力が弱った猫は抗生剤を使っても鼻水(猫カリシ)が絶えない、呼吸がスース―し始める、蓋をし始める鼻クソを拭いて、抗生剤を点眼。
昨夜、夜半から大粒の雨が降りだす、私はその天窓を打つ、音のリズムを聴きながら、「もう届いても使わないだろう」と理解しながらも、キドナを注文する。
夜更けまで猫の傍らにいた、
途中自分のトイレでも様子を見に行って、猫のオムツ交換もアリ、その都度シャンと首をもたげていた猫は、明け方3時間くらいで急変した、
低カリウム血症を、故銀ちゃんや故レモンのように起こしていた、
首がうなだれて上がらない、いくら食餌を入れてもここ数日、出すだけでミネラルを吸収しない身体、他の猫より急激に来た。
故レモンには、先生に無理無理頼んでカリウムを点滴に混ぜた、だがカリウムは、犯罪にだって使われる恐れがあり、お医者様も出しにくいものだ、
また、それをしたところでせいぜい一日から半日の延命位だった。
故銀ちゃんは、口から入れろ!食餌からとれ!で、結局、赤ちゃん用とか、動物用ポカリは効く、(これは輸液をしても、もう食べられない、腎不全末期の首の上がらない猫ちゃんの最期に、皆に薦めて感謝されたのだが、)
スポイドで口に入れるだけで、猫がシャンとして最期、劇的効果があるのだが、今回もやったが一向に効き目はない。
意識はしっかりしているが、数時間ごとに猫の麻痺は進む、身体全体がぐにゃぐにゃゆがむ、首など、あたかも拘縮しているような頑固さだ。
恐らく故銀ちゃんのように、左右の瞳孔の大きさが変わり、手足を空中遊泳したように動かしながら亡くなるのか?と想像する。(あらゆる電解バランスが崩れ、脳に何も届かなくなったのではないかと先生は仮定した)
若しくは拘縮して自由がきかない、飼い主はせいぜい向きを変えてやる位しか出来ないのか。
ただ呼吸苦が無いのが幸い。
癌による肺水腫、腎性貧血による酸欠状態は、飼い主は見てられないだろう。私は気が狂わんばかりの経験だった。(猫は必死で酸素や、冷たい床を求めて部屋の隅を彷徨うが、それを死ぬ時に姿を隠したと思い込む人も多い。いや、輸血か、肺の水を抜くしか、死ぬ直前まで抜くしかないのだが…。それが、最後まで出来る人は見ていて限られている。)
強制給餌をせがまれないのは何とも楽だ、私は自分の寝具カバーやら、猫の使ったものを洗い始める。「なんだ自分、こんなに動けるんだ?」と思う。
今日から下だけをニトリのNクールに交換、きーじ君が占領。
猫のもう使えない物の痕跡を片付け始める。トイレだけ、もう使用は出来ないかもと迷ったが、猫にあえて見せるために残した。酸素発生器もテントも仕舞ってあるが、使わないで済みそうだ。
オムツには昨日の食餌がきちんと出ており、トイレでも倒れそうになりながら、猫は踏ん張った。
身体が自由にならない猫は、底の抜けそうな愛した段ボール箱でなく、プラ船に入れ、箱ごと移動させる。
新しいものも出すが、もう使われないであろう、猫の長く病んでいた痕跡の半分は部屋から消し去られていく。すり鉢やシリンジの山も、もうじき消えるだろう。
私が立ち上がって台所でごそごそすると、猫はいつも通り微かにだが、その音に反応して鳴いた。
だから少量、もう駄目かもしれないが猫の身体を股に入れて支え、食餌を入れた。やってみたが駄目だ、これが多分限界だと感じる。
これで最後の食事かもしれない、これで最後の輸液かもしれない。
そう思いながらお世話する時期に刻々となってきた。猫は自由にならない身体に驚いて、たまに鳴く、撫でると大喜びする。それが救いだ。
クールスペースと、ホットスペースを箱に作る、低音火傷を起こさないように隙間に包んだホッカイロを入れる、
クロには遠慮してもらう、身動きできない猫を踏む恐れがあるからだ。適当に別のところで寝てもらう。
その後も猫はトイレに行きたければ、たまにトイレ方向で倒れ意思表示をした。私は連れていける時は連れて行って、トイレに座らせたり、オムツ交換をした。
箱で寝かせていて、動けないように見えても、
夕方になると習慣か、猫はうなだれた子牛の様に首が下がったまま這い出す、何時もの強制給餌をするカーペットで、弱弱しく鳴いた。
せいぜい動物用ポカリを1㏄が限界、
もう、ぎゅつと猫を抱きしめて、箱に戻すしかなかった。猫は私に寄りかかって全体重を預けた。
誰もが褒める、人懐こい老猫は、撫でてもらうのが未だ嬉しいようで、私は箱の中の彼女の、病みやつれた毛玉を手櫛でほぐしてやるしかなかった...。
私は覚悟して、布団を下ろし準備する。
猫が起き、切なく鳴くたびに、お尻を確かめ、脱水を皮膚をひねり確かめ、ホンの僅かな量を入れ、たまに鼻を拭いてあげ、目薬を差し、体位交換をし、
もう、見守ってあげる事しか出来ない。
私たちはこの闘いを止めて、そろそろ休む時期が来たのだろう、
老猫は永遠の休みに、私は次の猫の闘いのサポートまでの合間を。