雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

井はほりかねの井

2014-09-03 11:00:50 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
          枕草子 第百六十一段  井はほりかねの井

井は、
ほりかねの井。玉の井。
走り井は、「逢坂」なるが、をかしきなり。
山の井、など、さしも「浅き」ためしになりはじめけむ。
飛鳥井は、「御水も寒し」とほめたるこそ、をかしけれ。
千貫の井。少将井。桜井。后町の井。


井は、
ほりかねの井。玉の井。
走り井は、「逢坂の関」にあるのが、情緒深い。
山の井は、なぜ、それほど「浅い」という例になり始めたのでしょう。
飛鳥井は「御水(ミモヒ)も寒し」と、水の冷たさをほめているのがおもしろい。
千貫の井。少将井。桜井。きさきまちの井。



『井(ゐ)』というのは、飲料用に使われる湧水などを指します。
いずれも、古歌などを引用したり名前のおもしろさから取り上げられています。
例えば、山の井は、万葉集にある「あさか山影さえ見ゆる山の井の 浅き心をわが思はなくに」を引用しています。
このあたりのことは、少納言さまが最も得意とする部分なのでしょうが、私などにはなかなか難解です。

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