枕草子 第二百六十三段 指貫は紫の濃き
指貫は、
紫の濃き。
萌黄。
夏は、二藍。
いと暑きころ、夏虫の色したるも、涼しげなり。
指貫(サシヌキ・袴の一種で裾を紐で結ぶ)は、
紫の濃い色のものが良い。
萌黄色も。
夏は、二藍が良い。
大変暑い頃は、夏虫の色をしたのも、涼しげです。
「二藍」は、紅花と藍とで染めた色で、紅色がかった青色。
「夏虫の色」の夏虫は、青蛾のことだという研究者もいるようですが、「夏虫の色」を染め色の名と説明している辞書もあります。おそらく、薄い緑色、瑠璃色、水色に近い色、といった感じでしょう。
この章段以後、服装などが取り上げられていますが、少納言さまの時代の人々は、上流社会に限られるのかもしれませんが、実に繊細な色彩感覚を持っていたようです。しかもそれを染料や絵の具として作り上げているのですから、すばらしいものです。
指貫は、
紫の濃き。
萌黄。
夏は、二藍。
いと暑きころ、夏虫の色したるも、涼しげなり。
指貫(サシヌキ・袴の一種で裾を紐で結ぶ)は、
紫の濃い色のものが良い。
萌黄色も。
夏は、二藍が良い。
大変暑い頃は、夏虫の色をしたのも、涼しげです。
「二藍」は、紅花と藍とで染めた色で、紅色がかった青色。
「夏虫の色」の夏虫は、青蛾のことだという研究者もいるようですが、「夏虫の色」を染め色の名と説明している辞書もあります。おそらく、薄い緑色、瑠璃色、水色に近い色、といった感じでしょう。
この章段以後、服装などが取り上げられていますが、少納言さまの時代の人々は、上流社会に限られるのかもしれませんが、実に繊細な色彩感覚を持っていたようです。しかもそれを染料や絵の具として作り上げているのですから、すばらしいものです。
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