~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~
第一 蛇の章
六、破滅
わたくしが聞いたところによると、
―――あるとき師(ブッダ)は、サーヴァッティーのジェータ林、
〈孤独なる人々に食を給する長者〉の園におられた。
そのとき一人の容色麗しい神が、夜半を過ぎたころ、
ジェータ林を隈なく照らして、 師(ブッダ)のもとに近づいた。
近づいてから師に敬礼して傍らに立った。
そうしてその神は師に詩を以って呼びかけた。
91.「われらは、〈破滅する人〉のことをゴータマ(ブッダ)に
おたずねします。
破滅への門は何ですか?
師にそれを聞こうとして
われらはここに来たのですが、―――。」
92.(師は答えた)、「栄える人を識別することは易く、
破滅を識別することも易い。
理法を愛する人は栄え、理法を嫌う人は敗れる。」
93.「よくわかりました。おっしゃるとおりです。
これが第一の破滅です。
先生!第二のものを説いてください。
破滅への門は何ですか?」