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『無職の大卒』

2020年10月20日 | 映画(ま行)
『無職の大卒』(原題:Velaiilla Pattadhari)
監督:ヴェールラージ
出演:ダヌーシュ,サムティラカニ,アマラー・ポール,サラーニャ・ポンヴァンナン,ヴィヴェーク他
 
晩ごはんは京都
動線の良い劇場で面白そうな映画を上映していないかなと調べたら、
MOVIX京都で“インディアンムービーウィーク 2020”開催中。
どないやねんこの邦題と思いながら、興味を惹かれて観に行くことに。
 
タミル語のインド作品です。
公開年の2014年に大ヒットを飛ばし、南インドの主要な映画賞で各賞多数受賞。
めっちゃよかった。
 
インドには何千という工科大学が存在するそうですが、
学んだ専門分野を卒業後に活かすことができる人はごくわずか。
就職するには家業を継ぐか、はたまた親のコネに頼るか、
専門分野で働くことはあきらめて職種を問わないかしかないそうな。
 
大学で土木工学を学んだラグヴァランは、コネがないから就職できず。
毎日求人情報を見ては設計図を持参して応募するが、
信じられないことに面接の席で違法建築を求められたりする。
賄賂がまかりとおる業界で不正を取り除きたくて学んだのに、
それを意志を曲げてまで就職なんてしたくない。
 
そんなラグヴァランと違い、弟のカルティークは一流企業に就職。
親の期待を一身に集め、兄弟でえらく待遇が異なる。
母親は優しいが、父親といえばラグヴァランを罵倒してばかり。
 
ほとほと嫌気が差して、泥酔するまで飲んだ夜、
バイクでふらふら走っていたところ、車と接触。
運転していた美女は隣家に越してきたばかりのシャーリニで……。
 
と書くと恋愛ものみたいですが、違うんです。
母親の死や父親との確執など、いろいろと乗り越えたのち、
ラグヴァランは縁あって中堅の建設会社に就職。
スラム街の再開発プロジェクトのリーダーに抜擢されます。
 
このプロジェクトを入札できなかった大手建設会社のボンクラ息子が
ラグヴァランを潰そうと必死になり、嫌がらせを仕掛けるんですねぇ。
ちょっと半沢直樹っぽくないですか。というよりも池井戸潤っぽいのかな(笑)。
 
ラグヴァランがめっちゃカッコええんです。
優男かと思いきや、喧嘩にもめっぽう強い。
むやみやたらとは手を出さず、ここぞというときの凄いこと。
華やかではない、むさ苦しい男ばかりの踊りもイイ。
 
しかしインドの建設業界ってほんまにこうなの? 酷すぎて呆れる。
この間観た『きっと、またあえる』よりこっちのほうが断然上。
なんとなく行ってみたインディアンムービーウィーク、正解!
ボリウッドはサイコーです。
 
登場人物が喫煙したり飲酒したりするシーンのたびに
画面左端に「健康に悪いです」というテロップが出るのも笑った。

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