夜な夜なシネマ

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『空飛ぶタイヤ』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の21本目@伊丹)

2018年06月22日 | 映画(さ行)
『空飛ぶタイヤ』
監督:本木克英
出演:長瀬智也,ディーン・フジオカ,高橋一生,深田恭子,寺脇康文,小池栄子,
   ムロツヨシ,中村蒼,柄本明,佐々木蔵之介,笹野高史,岸部一徳他

ダンナが翌朝タイから帰国するという金曜日。ちょうど1週間前のこと。
この日公開の作品が2本、翌日公開の作品も2本。
フリーパスの期限内に4本とも観るのなら、金曜日に2本観ておきたい。
終業後に観に行くしかないから、家に帰るのは夜中になるけど仕方なし。
体に優しいハシゴが今年のモットーではありましたが、
ここはちょっと無理をして2本観ることに。その1本目。

池井戸潤の原作を読んだとき、最高にシビレました。
読書中にこれほど頭に血が上り、嗚咽しそうになった本はそうそうありません。
WOWOWで放送された連続ドラマW枠のDVDを読了後にレンタル。
めちゃくちゃ面白くて興奮したことを今も覚えています。

そんなドラマの二番煎じといえば二番煎じだけど、
本木克英監督が豪華キャストを起用した本作は、当然面白い。

赤松運送のトレーラーが脱輪事故を起こす。
歩道を歩いていた子連れの母親(谷村美月)がタイヤに直撃されて死亡。
事故原因を調査したトレーラーの製造元のホープ自動車は、
運送会社の整備不良と断定、赤松運送に警察の家宅捜索が入る。

社長の赤松徳郎(長瀬智也)は整備士の門田駿一(阿部顕嵐)を解雇するが、
門田の指導に当たっていた谷山耕次(六角精児)から見せられた整備記録を確認すると、
法定点検よりもよほど細かいチェックを門田はおこなっていた。

門田に詫びて詳細を聴いた赤松は、これは整備不良ではなく、
トレーラーの車両そのものに欠陥があったのではないかと考える。
調査のためにとホープ自動車に提出した部品の一部が返却されておらず、
ホープ自動車カスタマー戦略課長の沢田悠太(ディーン・フジオカ)に電話するが、
沢田は赤松のことをクレーマーと断じて話をしようともしない。

人をひとり殺したくせに責任を転嫁しようとしているとバッシングを受け、
取引先を次々と失ったうえに、銀行からも融資を断られる始末。
それでも赤松は独自に調査を進め、リコール隠しを暴こうとするのだが……。

面白いのは当然なのですけれど、2時間に収められてしまったせいか、
原作やWOWOWドラマ版よりもかなりあっさり。
頭に血が上るのは嫌だなぁと思っていたのに、おかげで上るほどにはならず。

まちがいなくドラマ版よりも豪華なキャストですが、
こうしてみるとドラマ版のほうが好きでした。
映画版よりさらに血が通っているというと言い過ぎでしょうかねぇ。

映画版では赤松運送の専務役を笹野高史
ドラマ版の大杉漣とは甲乙付けがたいところ。漣さんがもういないのが本当に悲しい。
ディーン・フジオカは綺麗すぎて、田辺誠一のほうがよかったかなぁ。
最初は赤松を叩くも真っ当な刑事に、
ドラマ版は遠藤憲一が扮していたのがドラマ版は寺脇康文。これも両者○。
整備士役は映画版のジャニーズJr.らしい阿部顕嵐にイケメン度では全然下でも
ドラマ版の柄本佑のほうがよかった。

と、何かとキャストの比較になってしまいますが、
原作読まずでドラマ版も観ていない人にとってはすごく面白いはずです。
そこはエンターテインメント性に長ける本木監督のこと。
エンディングテーマ曲にサザンまで起用するのですから。

池井戸潤を“半沢直樹”でしか知らない方、
池井戸さんの本の中で私は『空飛ぶタイヤ』がいちばん好きです。
読んでみようかなという方は、“半沢直樹”よりもこちら推し。

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