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『ライダーズ・オブ・ジャスティス』

2022年01月29日 | 映画(ら行)
『ライダーズ・オブ・ジャスティス』(原題:Retfærdighedens Ryttere)
監督:アナス・トマス・イェンセン
出演:マッツ・ミケルセン,ニコライ・リー・コス,アンドレア・ヘイク・ゲーゼベウ,ラーシュ・ブリグマン,
   ニコラス・ブロ,グスタフ・リンド,アルバト・ルズベク・リンハート,ローランド・ムーラー他
 
桂文珍独演会のチケットをいただき、この間の日曜日、神戸国際会館ホールへ行きました。
公演は14時からで、その前に、一緒に行く友人と地下2階のマザームーンカフェでランチ。
さらにその前に、3月半ばで閉館してしまう神戸国際松竹に敬意を表して行く。
 
神戸国際松竹について改めて調べてみたら、開業は1956(昭和31)年。
1995(平成7)年には阪神・淡路大震災に遭って休館。
4年後の1999(平成11)年に現在の場所にてリニューアルオープン。
この劇場がなくなってしまうのはとても寂しい気がします。
 
さて、このたび神戸国際松竹で鑑賞することにしたのはデンマーク/スウェーデン/フィンランド作品。
大好きなんです、マッツ・ミケルセン
『アナザーラウンド』(2020)では酔っぱらい、『残された者 北の極地』(2018)では不時着した飛行機のパイロット。
ハリウッド映画でも活躍中ですが、やっぱり彼には本国の作品が似合う。
 
アフガニスタンに駐留していた軍人マークスのもとへ、妻エマが亡くなったとの知らせが入る。
エマは一人娘マチルデと出かけたさい、列車事故に巻き込まれた模様。
マチルデは無事だったものの、母親を喪った哀しみが大きすぎて塞ぎ込んでしまう。
これまで娘のことは妻任せだったから、マチルデにどう接してよいかわからない。
 
そんなマークスをある日ふたりの男が訪ねてくる。
彼らのうちのひとりは数学者のオットーで、マークスの妻子と同じ電車に乗り合わせていたばかりか、
エマに席を譲ったのだと言う。そのせいでエマは亡くなり、自分は助かったのだと責任も感じていた。
 
オットーは「これは事故ではない」と言う。
列車には数日後に開かれる裁判で被告に不利な証言をする予定の男が乗車しており、
彼を抹殺するための計画的な犯行だと言うのだ。
男は強迫性障害を持ち、必ず同じ時間の同じ車両、同じ席に座っていたらしい。
 
なぜそんなことまでわかるのかというマークスに、オットーは同行者のレナートを紹介。
レナートは社会生活には大いに問題のある天才的ハッカー
さらにはレナートの上を行くハッカー、エメンタールも話に乗り、
裁判の被告であるギャング組織“ライダーズ・オブ・ジャスティス”の犯行だとマークスらは断定。
復讐を誓うのだったが……。
 
邦題は英語タイトルと同じです。
「正義のライダーたち」とはマークスたちのほうのことだと思っていたら、敵のことでしたか。
バイクに乗り合わせて悪事を働く集団なんですけど。
 
大切な人が亡くなったという事実となかなか向き合えずにいるとき、人はどうなるか。
マークスの場合は現役の軍人でしたから、腕に覚えがある。
カッとなるとすぐに手が出てしまって、殺すことにすら躊躇がありません。
マチルデの恋人シリウスのことも殴りつけ、余計に娘から嫌われます。
 
一方、マークスの復讐に力を貸すオットーとレナートとエメンタールは、
いずれも腕力とは無縁。人殺しなんて「ひぃぃぃぃ」な男たち。
しかも皆、会社には属さず、家族もおらず、居場所なし。
でもすっごい頭脳の持ち主ばかりで、このドタバタ感が楽しい。
 
ちょっと「えっ」と驚く展開だから、ええんかいなこれでと思わなくもない。
こっちのほうがずーーーーーーっと良い。
 
バカみたいなクリスマスセーターを着て集まるエンディングにほっこり。
このメンバーで違う事件に挑む続編なんかもできそうですけど、
ハリウッド映画じゃあるまいし、そんなものはないでしょうね。観たいのに~。

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