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『轢き逃げ 最高の最悪な日』

2019年05月18日 | 映画(は行)
『轢き逃げ 最高の最悪な日』
監督:水谷豊
出演:中山麻聖,石田法嗣,小林涼子,毎熊克哉,水谷豊,檀ふみ,岸部一徳他

もうほっんと、飲んだ土曜日の翌日(って毎週やん(^^;)は、
近場の劇場へしか行けなくなりました。
飲む前は「明日は絶対梅田まで行こ」とか思っているのですが、
夜中に「やっぱり無理かも」と思い、日曜日の朝は「無理!」となっている。
この日もどうにもしんどくて、109シネマズ箕面で1本だけ。
 
『TAP THE LAST SHOW』(2017)で監督デビューを飾った水谷豊が、
本作では脚本もみずから手がけたそうで。長編第2作です。
小説や漫画を原作とする映画が多い昨今、オリジナル脚本は貴重。
その意欲、買いたいですねぇ。
 
やたら客が高齢層。水谷豊ファンなのでしょうか。
それはいいんですけれど、足下がおぼつかない人も多くて、
座席にたどり着くまでに転びそうになる人が続出。
劇場に慣れていない人も多そうで、来たからにはポップコーンと思うのか、
高年夫婦の奥様が買ってきたポップコーンの量に旦那さんが驚いている。
「こんなにあるんか。お腹いっぱいになるやないか」。
「お腹いっぱいになったっていいじゃない」。会話がワラける。
 
大手ゼネコンの若きエリート社員・宗方秀一(中山麻聖)は、
逆玉に乗って副社長の一人娘・白河早苗(小林涼子)と3日後に挙式の予定。
披露宴で司会を務める学生時代からの親友で同僚・森田輝(石田法嗣)とともに、
打ち合わせのために式場へと秀一の運転する車で向かう。
 
ところが道路は大渋滞。
そもそも輝が待ち合わせに遅れてきたせいで、時間どおりに式場に着くのは無理。
早苗をそんなには待たせられないと、抜け道はないものか考える。
助手席に座る輝がふと思いついた道を通れば少しは早く着けるのでは。
脇道にそれて空いた道を走るが、そこで信じられないことが起きる。
定休日の喫茶店“スマイル”の前に差しかかったとき、目の前に現れた女性を撥ねてしまったのだ。
 
女性にまだ意識があるのかどうかもわからない。
もしも警察に自首すれば、人生は終わる。
秀一と輝はそこにしばしたたずむも逃げることを決意。
何事もなかったように式の打ち合わせに臨む。
 
しかし後日、ふたりの自宅の郵便受けに脅迫状めいたものが投函され……。

被害女性の両親役に水谷豊と檀ふみ
事故現場にも自宅にも娘のスマホが残されておらず、
それを探すさいに娘の日記を読んだ父親、つまり水谷豊が、
事故に疑念を抱いて調べるうち、真相にたどり着きます。
 
交通事故を起こして轢き逃げした若者の胸中だとか、
愛娘を失って気持ちの整理をつけようとする親の日々だとか、
そういうものが描かれているのだと思ったら、意外な展開にびっくり。
後半はかなりサスペンス、そしてサイコです。ドン引きするほど。(^^;
 
刑事コンビに岸部一徳毎熊克哉
毎熊克哉は『全員死刑』(2017)の嫌なイメージがいまだに払拭できず、
あまり好きな俳優ではなかったのですが一転。
正義感強く、でもチャラっぽいところもある、バランス絶品の刑事。
彼の出演シーンはクスッと笑えて、重い内容を少し和らげてくれます。
それでも、「五十年刑事をしてきて、むなしくない事件なんてひとつもない」という、
岸部一徳演じるベテラン刑事の台詞は心に刺さる。
 
中山麻聖って、知らんなと思ったら、三田村邦彦の息子だったのですね。へ〜っ。
 
ところでゼネコンってほんとにこんな感じなのですか。
出てくるのは性格悪い社員ばっかり。アンマリだ(笑)。
同族企業の派閥争い、えげつない。

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