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『日本沈没 2020 劇場編集版 シズマヌキボウ』

2020年12月07日 | 映画(な行)
『日本沈没 2020 劇場編集版 シズマヌキボウ』
監督:湯浅政明
声の出演:上田麗奈,村中知,佐々木優子,てらそままさき,
     吉野裕行,森なな子,小野賢章,佐々木梅治他

TOHOシネマズ西宮にて5本ハシゴの3本目。
 
1973年に発表された小松左京の大ベストセラー『日本沈没』。
幾度となく映画化され、テレビやラジオでドラマ化され、
漫画化もされて、そしてこのたびWebアニメ化。
Netflixで配信されて大きな話題を集めたそうですが、知らん。
全10話として配信されたものを劇場版として再編集したのだとか。
 
原作に何の思い入れもないうえに151分という長尺、
しかもこれにはポイントが使えないんです。特別料金1,800円也。
スルーしかけていましたけど、湯浅政明監督だから観てみましょう。
 
2020年の日本。
武藤家は、日本人の父親・航一郎、フィリピン人の母親・マリ、
中学3年生の長女・歩、小学2年生の長男・剛の4人家族。
 
陸上部のエースとして将来を嘱望されている歩はいつものように部活、
航一郎は仕事、マリは日本に帰国したばかり、剛は留守番。
そんな日に巨大地震が発生し、列島全体が沈み始める。
 
大混乱のなか、航一郎が神社に灯したネオンサインを目印に、
なんとか家族が集結。東京から脱出を図るのだが……。
 
疲れ気味だったので、150分超の映画なんて観たら絶対寝ると思っていました。
ところがどっこい、湯浅監督のなせる技か、楽しい脚本のおかげか、
まったく睡魔に襲われずに最後まで鑑賞することができました。
 
初代の映像化のさいにはこんな光景は予想もされなかったでしょう。
避難する人々がみんなスマホを持っている。
剛は幼いながらも筋金入りのゲーマーで、ゲームの知識が役に立つ。
 
生存者は善人ばかりじゃなし、車に乗せてはくれたけど、
「乗せてやったんだからヤラせろよ」なんていう不届き者も。
そういう奴があっさり撃沈されるのは痛快。
 
父親は不発弾を踏んでわりとあっけなく亡くなり、母親も命を落とす。
残された姉弟と力を会わせるのは歩の先輩と世界的YouTuber
ユーチューバー、凄いっす。
新興宗教の信者たちが集団生活する場ではそのユーチューバーがDJに。
 
姉弟が漂流しているときの会話に笑った。
歩は「今日何曜日かな。連続ドラマを見損ねた」と言う。
んなもん放映しているわけもないのに。
一方の剛は、「Amazonどうなったかな。海の上にあったりして。
もう家がなくなっちゃったから配達してもらえない」とか。
 
とにかく今の時代を映し出した新しい『日本沈没』です。
そういえば『日本以外全部沈没』(2006)なんてのもありましたね。
そっちは観なくていいけれど、こっちはちょっとオススメです。

そうそう、エンガチョに笑った。
欧米では“Good Luck”の意味なのですね。

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