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『さくら』

2020年12月08日 | 映画(さ行)
『さくら』
監督:矢崎仁司
出演:北村匠海,小松菜奈,吉沢亮,小林由依,水谷果穂,
   山谷花純,加藤雅也,趙民和,寺島しのぶ,永瀬正敏他
 
TOHOシネマズ西宮にて、5本ハシゴの4本目。
 
原作は西加奈子の同名小説。
監督は矢崎仁司で、この監督の『太陽の坐る場所』(2014)が好きじゃなかったから、
どうかなぁと一抹の不安を感じつつ鑑賞に臨む。
同監督の作品の中ではいちばん好きだったかも。
っちゅうのか、単に北村匠海が好きなだけちゃうんか、私。(^^;
 
大阪・和泉市に暮らす仲良し5人家族の長谷川家。
父親・昭夫(永瀬正敏)、母親・つぼみ(寺島しのぶ)、
長男・一(はじめ)(吉沢亮)、次男・薫(北村匠海)、長女・美貴(小松菜奈)と、
子犬のときにもらわれてきた雌犬サクラ。
 
内気な薫とちがい、格好よくてスポーツもできる一は学校の人気者。
薫はそんな兄を妬むことなど一切なく、ヒーローだと思っている。
末っ子で甘やかされ放題に育った美貴も一のことが大好き。
 
そんな一が彼女だという優子(水谷果穂)を連れてくる。
大はりきりの昭夫とつぼみだったが、優子は無愛想なことこのうえない。
美貴は優子に挨拶しようともせず、不穏な空気が流れる。
一に接するうち明るくなった優子に対しても美貴は頑なな態度。
 
ある日、親の都合で優子が引っ越すことに。
欠かさず手紙を書く一に優子からの返事は届かない。
そうこうしているうちに大学生になった一が事故に遭って……。
 
途中から壮絶。
あんなに美しい吉沢くんの顔をこんなにする!?
直視するのが辛くなるほどメタメタにされます。
 
美貴が嫌な子なんですよ(笑)。
兄を溺愛するあまり、優子のことを許さない。
ブラコン通り越して偏執的。
小松菜奈の薄笑いを浮かべた表情が怖いのなんのって。
 
その中にあって北村くん。
仲の良い家族だけれどもどこか歪んでいる。
微妙な心を上手く表していると思います。
 
舞台となっているのは原作者の生まれた地そのままなんですね。
映画化するに当たって、これだけ関西以外の出身者を起用するなら、
いっそ舞台をよそに移してもよかったのではないでしょうか。
だってどうしても関西弁が気になってしまうから。
みんながんばっていたことは認めます。
でも間違いない関西弁をしゃべっているのはオカマ役の加藤雅也だけ。
京都出身だという寺島しのぶは、どれだけ京都にいたんだか、
ほぼちゃんとした関西弁のイントネーションでさすがだと思いました。
方言に気を取られてしまうのはもったいないと思う。
 
誰が笑おうが悲しみに暮れようが、変わらず尻尾を振るサクラ。
立派すぎる脇役。

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