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『白爪草』

2020年10月18日 | 映画(さ行)
『白爪草』
監督:西垣匡基
出演:電脳少女シロ
声の出演:花京院ちえり,神楽すず,カルロ・ピノ,もこ田めめめ,ヤマトイオリ
 
仕事帰りに2本ハシゴするのがつらくなり、
でも1本だけは観ようかなと通勤経路内にある劇場の上映スケジュールを物色。
ノーマークだった本作の時間がちょうどよかったので調べてみたら、
上映館は全国で池袋HUMAXシネマズと109シネマズ大阪エキスポシティだけだという。
何それ、気になるやん。行ってみよ。
 
「全キャストVTuber、出演者全員がVTuberの映画は世界初」らしいのですが、
私は「VTuberって何?」という物知らずな人間。
ほんでこれも調べてみたら、VTuberとはバーチャルYouTuber。
アバターによるYouTuberのことで、日本発祥なんですと。
皆さん、ご存じでしたか。知らないのは私だけ!?
 
そのVTuberでおこなわれるワンシチュエーションサスペンス作品。
シチュエーションスリラー好きの私としては観なければ。
 
109シネマズ大阪エキスポシティのそこそこ大きめのシアター。
ぽつぽつ入っているお客さんは全員男性、そしてちょっとヲタッキー(すんません)。
場違いだったかしらなどと思ったけれど、結果、かなり面白かった。
VTuberの電脳少女シロ(←これがアバターなわけですが)の一人二役。
 
フラワーショップ“花組”に勤める蒼は、平凡で穏やかな日々を送っているが、
人には言えない悩みを抱え、カウンセラーの桔梗先生に相談。
桔梗のアドバイスのもと、双子の姉である紅と再会することを決意する。
蒼からの連絡で花組を訪れた紅を目の前に、重い気分に襲われるのだが……。
 
ここからはネタバレです。
 
蒼と紅は一卵性双生児だけあってそっくりですが、性格は真逆に思える。
清楚で素直な印象の蒼に対し、紅にはやさぐれ感満載。
それもそのはず、紅は殺人の罪で服役し出所してきたばかり。
誰を殺したのかと思えば、蒼と紅の両親を毒殺したらしい。
 
なぜあんなことをしたのかと問う蒼に、
紅は自分が殺したのではない、両親を殺したのは蒼だと言います。
蒼の罪をかぶって服役し、出所して普通に暮らしたくても
近所の人や勤務先の人になぜかすぐバレてしまい、暮らせなくなる。
これからは蒼になりかわって生きることにしたと言う紅。
 
蒼は自分が両親を殺したと認め、自分の人生を紅に差し出します。
頃合いを見て自殺するから、紅はどうぞ私として生きてと。
この先にさらなるドンデン返しが待ち受けていてゾーッ。
 
アバターが動く映画なんて観るのは初めてで、最初は慣れず。
しかし話自体が面白かったし、何よりこんな映画は新鮮でした。
 
不気味このうえない話ではありますが、3Dとはまた違う味わいの作品。
一見の価値はあると思います。

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