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『北の桜守』

2018年03月28日 | 映画(か行)
『北の桜守』
監督:滝田洋二郎
出演:吉永小百合,堺雅人,篠原涼子,岸部一徳,高島礼子,永島敏行,笑福亭鶴瓶,
   中村雅俊,安田顕,野間口徹,毎熊克哉,螢雪次朗,阿部寛,佐藤浩市他

久しぶりにダンナがタイへ出張。
その初日が109シネマズの「ポイント会員感謝の日」だったので、
迷っていた本作を1,100円で観るべし。箕面にて。

お得な日だというのに、客は私を含めてたった3人。
あとの2人はいずれも熟年層の男性で、おそらくサユリスト。
さぁ、映画はどうでしょう。
私は冒頭の5分で帰りたくなりました。耐えたけど。(--;

太平洋戦争末期の1945(昭和20)年5月、南樺太に暮らす江連(えづれ)一家。
てつ(吉永小百合)が丹精込めて育てた庭の桜が見事に咲いた。
夫の徳次郎(阿部寛)からねぎらわれ、息子たちと共に喜ぶ。

しかし8月、樺太にソ連軍が侵攻。
樺太にとどまる徳次郎と別れを惜しみ再会を約束して、
てつと息子たちは北海道行きのフェリーに乗り込む。

時は変わり、1971(昭和46)年。
15年前にてつのもとを離れ、渡米した次男の修二郎(堺雅人)は成功を収め、
ミネソタ直伝のハンバーガーを販売する会社の日本社長に就任。
取締役として妻の真理(篠原涼子)を据え、第一号店をオープンする。

そんな折り、網走の役所から連絡が入る。
てつが住んでいる仮設住宅がもうじき取り壊されるとのこと。
母の様子を見に行った修二郎は久々の再会を果たす。

てつが一人暮らしを始めてからというもの、
元駐在の山岡和夫(岸部一徳)などが何かと気にかけてくれてはいるようだが、
時折おかしなことを口走るてつをそこへ置いて帰るわけにもいかない。
修二郎はてつを引き取り、不満げな真理を説き伏せて一緒に暮らし始めるのだが……。

どうして開始後5分で帰りたくなったからって、
だって、吉永小百合と阿部寛が夫婦という設定ですよ?
『北のカナリアたち』(2012)で仲村トオルの恋人役という設定にもドン引きしたのを思い出す。
そらね、73歳とは思えないほど綺麗です。
そして73歳そのままの設定なら、20歳下の男性と結婚するのもなくはないかも。
でも、70過ぎた人が小学生の母親の年齢の役って、どう考えても変でしょ。
吉永小百合の年齢を皆が知っているからこそ、こんな設定には無理がある。

ほかの配役は子役と大人役を別の人が演じわけ、
てつが世話になる菅原信治役の佐藤浩市なども老けメイクを施しているのに、
吉永小百合はどの年齢の設定でも変わらず。違和感バリバリ。

失笑してしまったのは、息子を連れて歩くてつを見かけた男が、
「いい女だ。やっちまおう」というシーン。
70過ぎの女性をつかまえてその台詞。変態かよ。
ある意味、松嶋菜々子に向かって「おばさん臭いんだもん」と言わせるのより凄いと思う(笑)。

作品中の演劇シーンも意味があるとは思えず。
舞台演出をケラリーノ・サンドロヴィッチって、ケラさんの無駄遣い。

どうも吉永小百合を起用するとなると、
監督も演出家も脚本家も舞い上がってしまう傾向にあるような。
役者陣にしたって、芸達者な人たちの学芸会みたいになっています。
私としては、小百合さん自ら「こんな設定はおかしいと思います」と言ってほしいんですけどね。
全国民が年齢を知るほどの大女優だからこそ、年齢に応じた役で勝負してほしい。
これじゃ「私って若く見えるでしょ」と言いたいだけの映画になってしまう。

言い過ぎたかしらん。すみません。(^^;
しかし普通の役者を使って普通に仕上げたら、
もうちょっとは良い作品になっただろうと思わずにはいられません。
ま、しゃあないか。だって吉永小百合だもの。

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