夜な夜なシネマ

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『こころに剣士を』

2017年01月21日 | 映画(か行)
『こころに剣士を』(原題:Miekkailija)
監督:クラウス・ハロ
出演:マルト・アヴァンディ,ウルスラ・ラタセップ,レンビット・ウルフサク,
   リーサ・コッペル,ヨーナス・コッフ他

『MERU/メルー』に大感激したあと、テアトル梅田へ移動。
相変わらず『この世界の片隅に』、ババ混み。
オンライン予約の方法がわからないとおぼしき高齢の方々が、
「えっ、夜まで満席!?どうしたらええんかいな」と悲しそう。
代わりにチケットを確保して差し上げたいぐらいです。

本作もそれなりに混雑しています、フェンシングのお話で、
フィンランド/エストニア/ドイツ作品。
ちょっぴり『コッホ先生と僕らの革命』(2011)を思わせます。

第二次世界大戦中、ドイツに占領されていたエストニア
エストニアの兵士たちは、ドイツ軍に所属して戦った。
ところがドイツが負け、今度はソ連に支配されるようになったため、
兵士らは戦後もソ連の秘密警察から追われる立場となる。

1950年代初頭、元兵士でフェンシング選手のエンデルは、
秘密警察の目が光るレニングラードを離れ、田舎の小さな町ハープサルへ。
体育教師の職を得たものの、ソ連の圧制下ではできる競技が限られている。
校長から子どもたちのためにクラブ活動をしてほしいと言われるが、
エンデルが用意したスキー板を校長が勝手にソ連軍に寄付してしまう。

用具を取り上げられてはクラブ活動なんてできるわけがない。
そう思いつつ、体育館でひとり、持参した剣を取り出すと、
児童の少女が声をかけてくる。「何をしているの?私にも教えて」。
「フェンシングはひとりではできないから無理だ」と答えると、少女は寂しげに立ち去る。

子どもにどう対応していいのかわからないし、
秘密警察の目をかわすには目立たないのがいちばん。
しかし、校長たちにもなんだか腹が立つ。
クラブ活動にフェンシングを始めると告知すると、
土曜の午後、思いのほかたくさんの児童が集まって……。

親を奪われた子どもたちは、楽しく遊ぶこともできずにいました。
それがいつしかフェンシングが心の支えに。
人生に絶望していたエンデルも生き甲斐を取り戻します。

やがて腕前の上達した子どもたちが大会に出たいと言い出す。
大会の開催地はレニングラード。近寄るべきではない場所。
一度は「大会に出るにはまだ早い」と却下しますが、
子どもたちの希望を消さぬよう、意を決するエンデル。

これも実話が基
エンデルが始めたフェンシングのクラブ活動は今も存続しているそうな。
あまり観る機会のないエストニア作品。いかがです?

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