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『竜とそばかすの姫』

2021年07月21日 | 映画(ら行)
『竜とそばかすの姫』
監督:細田守
声の出演:中村佳穂,成田凌,染谷将太,玉城ティナ,幾田りら,森山良子,
     清水ミチコ,坂本冬美,岩崎良美,中尾幸世,役所広司,佐藤健他
 
前述の『100日間生きたワニ』とハシゴ。
同じくTOHOシネマズ伊丹にて。
 
先日終幕した第74回カンヌ映画祭で14分間近くのスタンディングオベーションを受けたそうで。
“カンヌ・プルミエール”部門でワールド上映プレミア上映と書かれているけれど、
私にはカンヌやらヴェネチアやらベルリンやらの映画祭の仕組みがまったくわからん。
公式出品作とかよく書いてあるじゃないですか。
こういうのは審査の対象ではないのですかね。審査の対象になるのはいったい何上映?
結局、第74回のカンヌでは濱口竜介監督の作品が脚本賞に輝きました。
 
高知県、自然にあふれる田舎町に暮らす女子高生のすず。
歌うことが得意で大好きなのに、幼い頃に事故で母親を亡くしてからというもの、
人前ではどうしても歌うことができなくなっていた。
すずを気遣う父親ともまともに言葉を交わさない日が続いている。
 
そんなある日、親友のヒロちゃんがとんでもないことを考えつく。
全世界で50億人以上が集うインターネット上の仮想世界“U(ユー)”にすずを誘い、
そこでヒロちゃんプロデュースのもと、すずは歌姫として登場。
Uの中では誰もが“As(アズ)”と呼ばれる自分の分身キャラクターをつくり、
現実とは別の人生を生きることができるのだ。
 
すっかりヒロちゃんに乗せられたすずだったが、
Uの中で“ベル”というAsになって歌う。
すずの歌声は瞬く間に人々を魅了し、世界中の人気者に。
 
さっそくベルのコンサートが開催されることになり、Uは大盛り上がり。
ところが“竜”と呼ばれるAsが乱入したせいでコンサートは中止に。
自警団“ジャスティン”は乱暴な竜を追放しようと躍起になるのだが……。
 
映像はとても美しく、歌声も素敵。
どの曲も一度聴いたらつい口ずさんでしまうようなメロディー。
でもそこまでいい作品だとは思えなかったのが正直な気持ち。
 
竜を助けに行こうとするすずをひとりで大人たちは送り出す?
相手は子どもを虐待する男ですよ。
高知から東京へ行くまでの間に竜は殺されてしまうかもしれんやん。
夜行バスに乗っている場合じゃないやんか。
などなどいろいろと考えてしまって。
 
Uで自分の本当の姿をさらけ出したすずをみんなが応援するけれど、
すずがそうした理由をみんな知らないわけだから、
なのに偉いみたいな感じで応援に回るのはなんでだ。
普通の女子が自分のヴェールを取り払ったことに共感を持たれたのか。
 
こんなふうに、釈然としないところが多いし、
キャラとしてもそこまでは好きになれないのです。
成田凌染谷将太がそれぞれ声を担当しているしのぶくんとカミシンは好きだけど。
 
細田守監督ならやっぱり『サマーウォーズ』(2009)でしょ。
あの熱さが欠けている気がして、まぁまぁな印象で終わっちゃいました。
夏休みにはこれよりも『サマーウォーズ』が観たくなる。

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