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『楽園』

2019年10月30日 | 映画(ら行)
『楽園』
監督:瀬々敬久
出演:綾野剛,杉咲花,佐藤浩市,村上虹郎,片岡礼子,
   黒沢あすか,石橋静河,根岸季衣,柄本明他
 
TOHOシネマズ西宮で3本ハシゴの2本目。
 
原作は吉田修一の短編集『犯罪小説集』。
どれも実際にあった事件がモチーフとなっています。
このうちの「青田Y字路」と「万屋善次郎」を合わせて映画化。
原作を読んだときのレビューはこちら
 
田園が広がるのどかなある地方都市。
地域の顔役といえる藤木五郎(柄本明)の孫娘・愛華が行方不明に。
住民総出で捜索にかかるが、愛華のランドセルが見つかったのみ。
彼女の生死もわからないまま12年が経過する。
 
当時、愛華と帰り道を共にした湯川紡(杉咲花)は、
自分だけが幸せになってはいけない気がして笑えないまま。
そんな折り、地元の青年・中村豪士(綾野剛)と知り合う。
小学生のときに母親(黒沢あすか)とこの町にやってきた豪士は、
友だちもおらず、いつもひとりだが、紡とは心を通わせる。
 
しかしある夜、12年前と同じように、Y字路で少女が失踪する。
住民たちは豪士に疑いの目を向け、大勢で彼の部屋へ押しかける。
 
ちょうどその場に居合わせた田中善次郎(佐藤浩市)は、
親の介護のために愛犬レオを連れて東京からUターンしたところ。
養蜂を始めて村おこしを考えていたが、
よかれと思って行動に出たことが住民の反感を買い……。

短編集のうちの2つが合わされているので、
どんなふうに繋がるのかを楽しみにしていましたが、
同じ町で起こった事件ということのみ。
せっかく2編を合わせるならば、無理にでも繋げてほしかった気も。
 
共通するのは豪士と善次郎がいわばよそものだったこと。
善次郎の場合は、親の面倒を見に帰ってきたのですから、
よそものともいえないはずなのに、町の長老たちの機嫌を損ねると恐ろしいことになる。
面子を潰されたというやつなんですかね。プライドだけが高い人たち。
 
村八分が怖すぎる。
限界集落にいくら人を呼び込もうとしても、
こういう実態があるかもしれないと思うと行けない。
 
瀬々敬久監督は私には少々説教くさい。
村上虹郎演じる紡の幼なじみ役、要りますかね。要るにしては軽い。
原作ではフィリピン人という設定だった豪士の母親。
黒沢あすかが演じるならば(上手いですけど)、別に片言の日本語をしゃべらせなくてもいいのでは。
 
わかりやすいっちゃわかりやすいので、
原作の結末に「結局どやってん」ともやもやした人は安心できるかも。
役者はみんな上手いけど、片岡礼子のヌードとか、いろいろ要らない設定が多すぎる。(^^;

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