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『銃』

2019年02月06日 | 映画(さ行)
『銃』
監督:武正晴
出演:村上虹郎,広瀬アリス,日南響子,新垣里沙,岡山天音,
   後藤淳平,村上淳,リリー・フランキー他

ひょっこり1本だけ観る時間ができたので、
メンバーズカードをつくって以来1度しかおじゃましていなかった塚口サンサン劇場へ。
なかなかおじゃまする機会がないのは、この劇場がイマイチだからとかではありません。
ロードショー作品だとマイルを貯めるためにTOHOシネマズを優先してしまうし、
ロードショー作品以外だと数カ月前にすでに観ている場合が多いから。
しかし去年は『ボ・ラプ』をあんなに観たせいで、観逃した作品もいっぱい。

塚口サンサン劇場はイマイチどころか素晴らしい。
建物自体は古びていて、外観だけ見ると入るのをちょっと躊躇してしまう。
ところがいつ行っても清掃が行き届いていて、お手洗いなんて感動ものです。
“妖怪ウォッチ”などの子ども向け作品も上映しているから、
シネコンでありがちな床びちゃびちゃなんてこともありそうなのに、
ものすごくこまめにお掃除されているようで、
トイレットペーパーの切れっ端ひとつ落ちていません。
劇場内はもちろんのこと、階下のロビーも綺麗で実に快適。嬉しくなってしまう。

武正晴監督の作品はわりとよく観ています。
『モンゴル野球青春記 バクシャー』(2013)、『イン・ザ・ヒーロー』(2014)、
『リングサイド・ストーリー』(2017)、『嘘八百』(2017)。
そして、なんといっても大好きだった『百円の恋』(2014)。
私にとってはいつもイイ感じだったから、
原作が難解にちがいない中村文則であっても楽しめそうだと思っていたのですけれど。

大学生のトオル(村上虹郎)は、通りかかった河原で拳銃を拾う。
そばに横たわる男に弾が撃ち込まれていることは確かだが、
好奇心を抑えきれず、そのまま自宅に拳銃を持ち帰る。

友だちのケイスケ(岡山天音)に誘われて行った合コンで知り合った女(日南響子)とセフレに。
大学の食堂では誰だか知らない女(広瀬アリス)がなれなれしく声をかけてくる。
隣室に引っ越してきたのはケバい母親とその幼い息子で、息子は虐待を受けている様子。

あるとき、銃を撃ってみたくなったトオルは、夜の公園へ。
醜い野良猫を見つけて銃をぶっ放す。
その数日後、刑事(リリー・フランキー)がトオルを訪ねてきて……。

全編モノクロで終盤わずかなシーンのみカラー。
銃を持つことによって変化が生まれたトオルの心の内を
色に映し出しているといえばそうなのですが、
私にはやはり芥川賞作家の作品は意味不明。
どいつもこいつも嫌な奴で、共感できる人もシーンもひとつもないし。

武監督作品の脚本を担当していたのは、これまでは監督以外の人。
本作で初めて監督本人が脚本を担当された様子。
でも、別の人にまかせたほうがよかったのかもしれません。
今までの自分とはちがう作品を撮ろうとした意気込みは感じるけど、
虹郎くんの演技が下手に見えてしまうのも脚本のせいなのか。

唯一面白かったのは、親子共演のシーン。
名も無いオッサン役で最後に登場する村上淳。並んで座る村上虹郎。
口の中に銃を突っ込んで撃ち抜かれる役であっても嬉しいもの?
あ、ネタバレ、すみません。(^^;

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