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『逆転のトライアングル』

2023年03月17日 | 映画(か行)
『逆転のトライアングル』(原題:Triangle of Sadness)
監督:リューベン・オストルンド
出演:チャールビ・ディーン,ハリス・ディキンソン,ウディ・ハレルソン,ズラッコ・ブリッチ,
   ヴィッキ・ベルリン,ドリー・デ・レオン,ヘンリク・ドルシン,ジャン=クリストフ・フォリー他
 
TOHOシネマズ梅田別館にて観たスウェーデン/ドイツ/フランス/イギリス作品
数週間前、なんばでひとり飲みした後に観に行ったのですが、酔っぱらっていたせいで爆睡。
はたして素面ならば睡魔に襲われないのかを確かめたくてリベンジ。
オモロイやん。全然眠くならへんかったやんかいさ。
 
とはいうものの、ふだんあまり映画を観ない人にはオススメできません。
『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(2017)の鬼才か奇才か、リューベン・オストルンドだもの。
「楽しかったね〜」などと言ってにこやかに劇場を去れないのは確かです。
 
こうして2回目に挑んでわかったことですが、1回目は1時間半は寝ていましたね、私。
パート1からパート3までの3部構成である本作のうち、パート2は丸ごと寝ていたようです。(^^;
 
観たおぼえのあるパート1。
イケメンモデル・カールの恋人ヤヤは、カールよりずっと稼いでいる人気モデル。
ふたりで外食した席で、支払いについて喧嘩が始まります。
前夜にヤヤは「明日は奢る」とカールに確かに言った。
なのにお勘定を見ることもなく「ごちそうさま」と言うヤヤにカールは腹を立てます。
 
器の小さい男だよと思わなくもない。けれど、ヤヤの態度もどうかと思う。
絶妙の面白さに苦笑いさせられます。
ヤヤがカールとつきあう理由は、インスタのフォロワー数を増やすため。
カールもヤヤの率直な理由に納得し、ならばいずれそんなこと関係なしに惚れさせてやると断言して和解。
 
良い感じに終わったパート1に続いて、パート2は豪華客船での出来事。
売れっ子モデルのヤヤはインフルエンサーだから、恋人のカールと共にこのクルーズに招待されています。
真っ当に金を払って乗船したほかの客は、有機肥料を売るロシア人の富豪や武器商人など。
とにかく想像を絶する金持ちのセレブたち
彼らに船長が挨拶をするキャプテンズディナーの日、海は荒れ模様。
『タイタニック』を下品にしたようなゲロまみれクソまみれの光景は、
このパート丸ごと寝ていた自分をありがたく思ったほどです。
 
この豪華客船が沈没して、生き残った何人かがどこぞの島に漂着した後がパート3。
 
ヤヤとカールを含む、客側だった人々と、彼らにサービスを提供するスタッフ側だった人々と。
無人島で生き抜くには、無知すぎるセレブたち。
最もサバイバル能力が高いのは、トイレの清掃係だったアビゲイルでした。
海でタコを捕り、火を起こし、料理する。ほかの誰もこれらのことができない。
横柄な客たちに仕える立場だったアビゲイルがリーダーになります。
 
嘲笑いに苦笑いしか出てこない場面の連続。
まったく睡魔に襲われないぐらい面白かったけど、これを観に来ていたカップル、正気ですか。
もしも初デートで彼or彼女が選んだ映画がこれだったら、別れたほうがいいのでは(笑)。
 
ヤヤ役のチャールビ・ディーンは、細菌性敗血症に侵されて、昨夏に急逝。
こんなに美しく愛らしく、まだ32歳だったのに、残念なことです。
カール役のハリス・ディキンソンは善人も悪人も演じられる若手俳優のようで、今後の活躍が楽しみです。
 
怖っ。そのひと言に尽きます。デートにこんな映画を選んじゃ駄目ですよ(笑)。

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