夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『キラー・ナマケモノ』

2024年05月24日 | 映画(か行)
『キラー・ナマケモノ』(原題:Slotherhouse)
監督:マシュー・グッドヒュー
出演:リサ・アムバラヴァナー,シドニー・クレイヴン,アンドリュー・ホートン,オリヴィア・ルワイア,
   ビアンカ・ベックルズ=ローズ,ティフ・スティーヴンソン,ステファン・カピチッチ他
 
スルー予定だったのですが、なんとなく観に行ってしまいました。
なんばパークスシネマにて。
 
原題の“Slotherhouse”は「屠殺場」の意の“slaughterhouse”と「ナマケモノ」の意の“sloth”をもじった造語らしい。
また、『スローター・ハウス/13日の仏滅三隣亡』(1986)という日本未公開のB級ホラーコメディ作品がありまして、
それになぞらえたもののようでもあります。
アメリカ作品の邦題に「仏滅三隣亡」と付けるセンスが素晴らしくないですか(笑)。
 
ナマケモノって、生涯の大半を樹木にぶら下がって過ごし、
週に1回程度のみ、排泄のために地上に降りてくるのだそうです。
機敏に動けないから鷲などには簡単に捕食され、ストレスに弱くて温度変化にも敏感。
でも泳ぐのは得意とウィキにあります。って聞いても、愛着も何も湧きませんけれど。(^^;
 
さて、そんなナマケモノが殺人モンスターと化して暴れ回るって、もう観る前から絶対B級かC級ですよね。
でもなんとなくワクワクするぅ。
 
女子大生のエミリーは、女子寮生たちの社交クラブ“シグマ・ラムダ・シータ”に所属。
クラブの会長はここのところ2年連続でブリアナが務めている。
その華やかな存在に憧れる大半の寮生たちは、ブリアナのご機嫌取りに必死。
 
かつてはエミリーの亡くなった母親も会長だった。
エミリーだって会長になりたいが、ブリアナに太刀打ちできるわけもなくてあきらめ気味。
 
そんな折、モールで出会った男オリヴァーが妙な話を持ちかけてくる。
人気者になるためには注目される要素を持てばいいのだと言う彼は、
自分が所有している珍しい動物“ナマケモノ”をペットにすれば夢が叶うと。
 
しばし考えた末に確かにそれは魅力的な話だと思ったエミリーは、
翌朝、ナマケモノを購入するためにオリヴァーのもとを訪ねる。
ところがそこにオリヴァーの姿はなく、ナマケモノが愛らしい表情で佇んでいた。
 
ナマケモノを連れ帰ったエミリーは、親友のマディソンが「野生に戻すべきだ」と主張するのも聞かず、
このナマケモノを女子寮のマスコットにすることを皆に提案。
アルファと名付けたナマケモノの人気に比例してエミリーも瞬く間にスターとなるのだが……。
 
もうホント、笑っちゃいます。
冒頭はパナマの密林の中、ワニを返り討ちにしたナマケモノが密猟者に捕まるシーン。
 
アルファの動きはカクカクしていて、全然リアルじゃありません。
だから、一応はホラーというものの、まったく怖くない。
とっても賢い(笑)アルファは、ブリアナの手先が自分を消しに来たと知るや惨殺します。
こんなに次から次へと人が消えればおかしいと思うはずなのに、
あの子どこへ行ったのかしら、実家へ帰ったらしいよなんて会話が。
いやいや、実家へ帰ったって、誰が連絡してん!?
 
アルファはパソコンもスマホもすぐに使えるようになり、SNSにも自ら投稿。
承認欲求すらありそう。
 
最後は女子寮がまさしく「スローターハウス」と化します。
誰にも薦めないけど、私は嫌いじゃありません。
こんな阿呆な映画を観に行っている自分のことも好きになれます(笑)。

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