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『マッド・ハイジ』

2023年07月24日 | 映画(ま行)
『マッド・ハイジ』(原題:Mad Heidi)
監督:ヨハネス・ハートマン
出演:アリス・ルーシー,キャスパー・ヴァン・ディーン,マックス・リュートリンガー,
   デヴィッド・スコフィールド,アルマル・G・サトー,ケル・マツェナ他
 
シネ・リーブル梅田にて3本ハシゴの3本目は、ぶっ飛びのスイス作品。
 
世界中で愛される児童書をモチーフにしたB級作品といえば、
先日観た『プー あくまのくまさん』が記憶に新しい。
あっちはどんな口コミが広がっているのだか、高校生が連れもって観に来ていましたが、
こっちはもう少しオトナな感じ、もともとの映画好きが集っているようです。
あ、そっか。R18+指定なのか。ならば高校生が群がるのは無理ですね。(^^;
 
『アイアン・スカイ』(2021)のプロデューサー、テロ・カウコマーが手がけています。
『アルプスの少女ハイジ』をモチーフにしたバイオレンスアクションって、どないやねん。
字幕版と吹替版が公開されておりまして、私は字幕版を鑑賞。
ドイツ語かなと思ったら英語ではないですか。驚いた。
 
スイスの大統領マイリはチーズ製造会社の社長でもある。
自社のチーズ以外を食べることは許さず、独裁者として君臨しつづけているが、
楯突けば即殺されることが確実なため、民衆は誰も反抗しない。
 
密かに極上のヤギチーズを造っていたヤギ飼いのペーター。
ある日それがバレて、司令官のクノールに処刑される。
ペーターの恋人であるアルプスの女子ハイジはショックで暴れて刑務所送りに。
 
同日に収監された見るからにひ弱そうなクララと同房に放り込まれたハイジ。
そこにはプロレスラー顔負けの女性囚人がいて、ハイジを痛めつける。
囚人からの虐めと看守からの拷問により意識が朦朧とするハイジだったが、
それでも毎食提供されるマイリのチーズに手を出そうとしない。
 
あるとき、看守長のロットワイラーが気を抜いた隙に反撃に出たハイジ。
見事ロットワイラーの喉を掻き切って脱獄に成功。
ペーターを殺され、祖父が住む山小屋を焼かれたハイジは、
民衆をチーズで洗脳するマイリを倒すと決め、修行を開始するのだが……。
 
なんでR18+かって、そりゃもう冒頭からハイジとペーターは裸でベッドにいるし。
しかもペーターは黒人なんです。
人魚姫が黒人であるよりも、アルプスのヤギ飼いが黒人であるほうが斬新かも。
 
まぁとにかくグロくて下品(笑)。
指名手配されたハイジの顔写真を見た兵士が、「俺の下半身がヨーデルを歌うぜ」とか言って、
そこへ登場したハイジは下半身を槍でひと突き、「歌ってみな」。ワロた。
クノール役のマックス・リュートリンガーなる俳優は、よくもこんな役を引き受けましたね。
もともとコメディアンか何かなのでしょうか。
ロットワイラー女史に串刺しのソーセージをケツの穴に突っ込まれて喜んでいます。
 
こんな描写てんこ盛りなので、普通の人には鑑賞をお勧めできません。
しかし、意外と脚本がしっかりしていると思うのです。
B級ではあるけれど、『プー あくまのくまさん』とは比較にならないぐらい面白い。
モチーフとはもはやどういうことかわからなかったプーさんに比べ、ちゃんとモチーフ。
「クララ、立て!」のシーンなんて、オイっ、今かよっと思って笑いました。
 
マイリに裸でお茶を出す召使いを演じているのは誰なのか気にも止めていませんでしたが、
ミロ・アモレという裸体パフォーマンスアーティストのようですね。
と書いてみたところで、「へ~」というしかありませんが。(^^;
 
なんだかんだで面白かった。ご興味おありの方はどうぞ。

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