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夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈さ行〉

2018年12月27日 | 映画(さ行)
《さ》
『裁き』(原題:Court)
2014年のインド作品。
ムンバイで下水清掃人パワルの死体が発見され、初老の民謡歌手カンブレが逮捕される。
カンブレの歌がパワルを自殺に駆り立てたという理由で。
人権意識の高い若手弁護士が裁判に臨むが、奮闘するだけむなしい状況。
インドの下級裁判所の裁判ってこんな具合なのかと唖然。
女性検察官はカンブレを有罪にすることだけが目的で、見ていて嫌になるほど。
目撃者は雇われで、あちこちの裁判でも証言。
裁判で年齢を尋ねられてもわからないと答えるパワルの妻。だいたい30歳ぐらいって。
夫が死んだというのに家から直ちにいなくなったり、いろいろと衝撃的な状況が多すぎる。
保釈されてもまた何かと理由をつけて拘束される。テロリストとまで呼ばれて。
法廷が長く暗転した後に映し出される裁判官の日常も含めて消化しきれません。

《し》
『シンクロナイズドモンスター』(原題:Colossal)
2016年のカナダ作品。
失業中に酒に溺れ、恋人から部屋を追い出されたグロリア(アン・ハサウェイ)。
故郷の田舎町に帰り、実家で一人暮らしを始めたところ、幼なじみのオスカーと再会。
オスカーが営むバーで働かせてもらうことに。
そんななか、韓国のソウルに巨大な怪獣が出現。
驚いたことに画面に映し出されたその怪獣が、なぜかグロリアと同じ仕草をしている。
グロリアが手を挙げれば怪獣も挙手。面白くてそれをオスカーに打ち明ける。
ところが怪獣のライバルとして現れたロボットがオスカーとシンクロして……。
なんでしょうね、このイカレ具合は。奇抜すぎます。
スペイン出身のナチョ・ビガロンド監督、絶対変人。でも嫌いじゃない。
人にお薦めしたら、私も変人と思われること確定(笑)。誰か観て。

《す》
『スターシップ9』(原題:Orbita 9)
2016年のスペイン/コロンビア作品。
監督は本作で長編デビューしたスペイン映画界の俊英とのこと。
エレナは恒星間飛行を続ける宇宙船の中で生まれて二十数年。
酸素不足を懸念する両親は、せめてエレナだけでも生きられるようにと、
とっくの昔に船外へ出たから、エレナはたった一人で暮らしている。
システムにトラブル発生、救難信号を発したところ、エンジニアのアレックスが対応。
エレナは両親以外の人間に初めて接したわけで、一目で恋に落ちるのだが……。
宇宙船の中だというのは実は大嘘で、政府の一大プロジェクト。
生存期間をシミュレーションするためのモルモットとしてこの世に生を受けたエレナ。
彼女に恋をしたアレックスに連れ出され、初めて雷の音を耳にし、
雨に濡れて幸せを感じるシーンが素敵でした。
アテム・クライチェ・ルイス=ソリヤ監督、確かに今後を期待したくなる俊英かと。

《せ》
『セブン・シスターズ』(原題:What Happened to Monday?)
2016年のイギリス/アメリカ/フランス/ベルギー作品。
人口過密のため、ひとりっ子政策が施行されている2073年の欧州連邦。
2人目以降は強制的に児童分配局に連行され、
世界の人口が落ち着いて平和になるまで冷凍保存される。
そんな中、セットマン家に生まれた7つ子の姉妹。
母親は彼女たちを出産すると同時に死亡、祖父は分配局の目を欺いて七つ子を育てる。
七つ子に付けられた名前は「月曜」から「日曜」まで。
7人ともカレン・セットマンを名乗り、頭脳と体力を鍛え上げ、
それぞれ名前の曜日に1人だけが出かけるという暮らしで30歳まで生き延びる。
ところがある日、「月曜」が夜になっても帰宅せず……。
ノオミ・ラパスの1人7役。見た目はそっくりでも性格は異なる7人を演じ分けます。
分配局の偉いさんにグレン・クローズ、祖父にウィレム・デフォー。面白い!

《そ》
『ソウル・ステーション/パンデミック』(英題:Seoul Station)
2016年の韓国作品。
『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)のヨン・サンホ監督が、
その前日譚をアニメーション作品で描いています。
ある夏の夜のソウル駅近く、死んだと思われたホームレスの老人が生き返る。
老人に噛まれた人々はゾンビとなり、その数はどんどん増えてゆく。
そんななかで逃げ惑う元風俗嬢ヘスンと、彼女を探すヒモの恋人キウン。
キウンはヘスンの父親だという男と出会い、一緒にヘスンを追う。
ようやく3人が会えたと思ったら、ヘスンの父親を名乗っていた男は風俗店店長。
金を返せと迫る男は、ある意味ゾンビより怖い。
そして最後は皆ゾンビにやられておしまいという救いのなさ。
社会派のアニメって、まだそれほど多くはないと思うのですが、本当に面白い。

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今年観た映画50音順〈か行〉

2018年12月27日 | 映画(か行)
《か》
『南瓜とマヨネーズ』
2017年の日本作品。
魚喃キリコの同名コミックを冨永昌敬監督が実写映画化。
ツチダ(臼田あさ美)はミュージシャン志望のせいいち(太賀)と同棲中。
スランプに陥っているせいいちは仕事もせずに毎日ダラダラ。
生活費のためにツチダはキャバクラに勤め、客(光石研)と愛人関係に。
それを知ったせいいちはツチダの稼いだ金を拒絶し、バイトを始める。
そんな折り、ツチダはかつての恋人ハギオ(オダギリジョー)と再会して……。
観終わっても「南瓜とマヨネーズ」の意味はわかりませんでした。
南瓜のサラダが出てくるわけでもありません。
茹でて和えるだけ、簡単だけどほっこり甘くてちょっと酸味、みたいなイメージなのかな。
世間にマヨラーは多いけど、マヨネーズが嫌いな人も結構多いから、
そんな人たちにしてみれば、タイトルを聞いただけで「うげっ」となりそう。
ハギオの「あの頃、おまえ、俺のことすっげー好きだったよな。
おまえといても全然楽しくなかったもん」がキツイ。(^^;

《き》
『キュート・リトル・バニーズ』(原題:Cute Little Buggers)
2017年のイギリス作品。日本では未公開。
人口減に悩む異星人が、地球の女性を拉致して妊娠させることを画策。
種付け部隊として解き放たれたのは、見た目はキュートなウサギ。
かわいいウサギの前で人間が無防備になった瞬間、
恐ろしい人食いの様相(“仮面ライダー”のイソギンチャックみたい)に。
喉や腹を引き裂かれた男性の死体が次々に発見されるが、
地元の夏祭りに忙しい警察幹部は事故死として処理しようとする。
しかしその夏祭りにもウサギが乱入して血祭りに。
事態を察した一部の男性陣が女性の救出に立ち上がるのだが……。
ウサギは「おしっこ」をかければ死ぬことが判明。
みんな武器として尿を携えるというアホくささ。
エログロの超B級。公開したところで誰も観に行かなかったでしょう(笑)。

《く》
『クズ・ゾンビ』(原題:Attack of The Southern Fried Zombies)
2017年のアメリカ作品。日本では未公開、当たり前(笑)のC級。
邦題から、ゾンビをゴミ呼ばわりしているのだと思ったらクズ違い、葛(くず)でした。
アジアからアメリカ南部に飼料用作物として持ち込まれた葛が想定外に繁殖。
バイオ研究所が新たに開発した駆除剤クアドキシンの撒布実験をおこなう。
ところがクアドキシンには葛の寄生力を増幅させる副作用があり、
なんと人間の体内で繁殖できる変異種が発生。
実験地に近い町でヤクを売っていた男性が寄生されてゾンビと化し、
彼からヤクを買おうと訪ねてきた若者たちに襲いかかる。
町の広場では盛大に夏フェス開催中。ゾンビがどんどん増えてゆくのだが……。
誰も知っている役者はいないし、グロいだけで話に新鮮みも面白みも無し。
外来種を不用意に叩こうとすれば自分が食われるという教訓、なんてあるわけないやろ!
ミシシッピ州タラハチー郡チャールストン市の話ということになっていて、
ここはジャズピアニストのモーズ・アリソンの故郷らしい。
で、モーズ・アリソンに捧ぐとなっているのですけれど、こんな映画を捧げられても迷惑やと思う。

《け》
『消された女』(英題:Insane)
2016年の韓国作品。
警察署長の継娘カン・スアが署長を射殺したとして逮捕されるが、
スアは殺人事件が起きる日まで精神病院に監禁されていたと主張。
しかし、その病院は火災で焼失したうえに、スアの入院記録も見当たらず。
監禁中の日記とおぼしき手帳を受け取った報道番組プロデューサーのナ・ナムスは、
アシスタントとともにこの事件を調べはじめるのだが……。
韓国の精神病院って、保護義務者2人と精神科専門医1人の同意があれば、
患者本人の同意がなくても強制的に入院させることができるのだそうです。
つまり、マトモな人間であっても、親と医者が「この人おかしい」とさえいえば、
精神病院に入院させることが可能。そんな法律をモチーフにしているとのこと。
警察署長と精神病院院長と製薬会社の儲け話が絡み、臓器売買問題まで出てきて怖すぎる。
嫌だなぁ、路上でいきなり拉致されて精神病院に連れて行かれたら。

《こ》
『コンフィデンシャル/共助』(英題:Confidential Assignment)
2017年の韓国作品。
北朝鮮のエリート刑事イム・チョルリョンは、
極秘任務中に上官チャ・ギソンの裏切りに遭い、同僚だった妻を目の前で殺される。
ギソンは元特殊部隊員らを従えて偽札の原板を盗み、韓国で売るつもりらしい。
原板奪還を命じられたチョルリョンは韓国へと派遣される。
それを受けて、北朝鮮と韓国で異例の南北共助捜査をおこなうことになったため、
韓国側からは冴えない庶民派刑事カン・ジンテが選出されるのだが……。
チョルリョン役にはヒョンビン、ジンテ役にはユ・ヘジン
後者が笑わせてくれるのはいつものとおりですが、
前者がカッコイイのもいつものとおり。なんでヒョンビンってこんなにカッコイイの。
キレ味の良いアクションにコメディ要素と泣ける要素も加わり、大満足の1本です。
韓流ならばイ・ビョンホンと思っていましたが、今ならヒョンビンのほうがいいかも。

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