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『王の涙 イ・サンの決断』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の11本目@なんば)

2015年01月14日 | 映画(あ行)
『王の涙 イ・サンの決断』(英題:The Fatal Encounter)
監督:イ・ジェギュ
出演:ヒョンビン,チョン・ジェヨン,チョ・ジョンソク,ハン・ジミン,パク・ソンウン,
   キム・ソンニョン,チョン・ウンチェ,ソン・ヨンチャン,チョ・ジェヒョン他

『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』『サンバ』と来た後、
なんなんタウンでひとりランチできそうなお店を物色。
年末はどこもかしこも混んでいて、行列ができている店も多数。
本作の上映開始まで1時間ほどしかなかったので、
劇場売店のフードで妥協するかなと思いつつ歩いていたら、
タンドリーチキンと自然派ワインをウリにしているお店発見。
どうせもう晩ごはんは食べないのだしと、ボリューム大のスペシャルランチを注文。
日本橋まで車で来ているけれど、ま~だまだ晩まで帰りませんから、1杯飲ませて。
自然派ワインばかり、グラスで300円、500円、600円、お得な感じ。

食べ終わってちょっとゆっくりしていたら、
店長さんが「もう1杯いかがですか」と声をかけてくださいました。
「映画のハシゴの合間に来たので、次の時間が……」とお断りすると、
近くに座っていた常連さんとおぼしき女性が、「ハシゴって、何を観て来られたんですか」。
そこから話が大いに盛り上がり、フリーパスポートの話もして、ちょうど良い時間に。
高島屋のお姉さん、楽しいランチタイムになりました。ありがとうございます。

500年に渡る李氏朝鮮の歴史のなかでも特に名君の呼び声が高い、
第22代国王イ・サン(=のちの正祖で、『マイ・リトル・ヒーロー』(2013)にも登場)。
彼の暗殺計画“丁酉逆変”をモチーフにした、24時間を描く歴史大作です。
数カ月前、職場に来ている韓国人研究者と映画の話をしたとき、
めちゃくちゃ面白い映画があると言っていたのがこれでした。
原題を漢字で表すと『逆鱗』になるそうです。

幼くして父親を殺され、25歳のときに祖父から王位を継承したイ・サン。
宮廷内の権力争いは激化する一方で、イ・サンの命は常に危険に晒されている。
信用できるのは少年時代からともに過ごしてきた宦官サンチェクと、
近衛隊長を務めるホン・グギョンのみ。

1777年7月28日、刺客がイ・サンに襲いかかる時が刻々と近づいて……。

シビレました。
イ・サン役のヒョンビンのかっこええこと。
彼の逆鱗に触れるとどういうことになるのか、息を呑む瞬間が続きます。

男泣きの話にもなっていて、堪りません。
サンチェクと刺客は、実は闇商人に買われて殺し屋として育てられました。
極悪非道な闇商人から名前すら与えられず、77番と220番と呼ばれていた彼らは、
ふたりの間ではカプスとウルスと呼び合っていました。
そのふたりの対峙シーンが見せ場となっています。

サンチェク役のチョン・ジェヨンはいつもは横柄なろくでなしの印象。
それがこんな男気のある誠実な宦官役で魅せてくれるとは。
ホン・グギョン役のパク・ソンウンは、『新しき世界』(2013)がとても印象深い。
主人公と敵対するイ・ジュング役だった彼がどれだけ格好よかったか。
だけど裏切り者っぽく見えてそうじゃない本作の彼がまたカッコイイ。

『礼記』の「中庸」から引用される言葉。
「小事を軽んぜず、至誠を尽くせば誠となる」。
小さなことも無視せずに、最善を尽くす。
丁寧に最善を尽くせば、それが表に染み出てくるということ。
大事にしたい一文です。

これが昨年劇場で観た最後の作品、208本目でした。

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