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ラモウんの「プログレ放浪聴(ほうろうき) 100選」 その21

2015年01月10日 00時03分00秒 | 僕の私のプログレ放浪聴(ほうろうき)
Soft Machine 「SOFTS」
by Mr.Rapport

筆者は前回の「プログレ放浪聴 100選」で次のようなことを述べた。

ジャズ・ロックだが、プレイヤー(アーティスト)からすれば、二通りのアプローチの仕方があるように思える。
一つは、ジャム・セッションから生み出されるフリー・インプロヴィゼーションを楽曲らしくなるように発展・構築していく方法。
もう一つは、緻密に計算された楽曲をベースにインプロヴィゼーションを生み出していき、最終的に双方を合体させる方法。
前者には「荒さ」「がさつさ」という欠点が、後者には「わざとらしさ」「いやらしさ」という欠点がある。

後者の好例として、なおかつ「荒さ」「がさつさ」という欠点がないという点でKarfagenのアルバムを紹介したが、前者の好例、それも「荒さ」「がさつさ」という欠点がないという点においては、Soft Machine――ソフト・マシーンを筆頭に挙げたい。

ソフト・マシーンというと、サードアルバムが名盤と評されがちだが、個人的にあの実験音楽てんこ盛りのようなサウンドはどうも好きになれない。簡潔・明解で、スンナリと聴けるという点においては、このアルバムこそが正真正銘の名盤。「プログレ放浪聴 100選」にふさわしいといっていいだろう。

まず、全編にわたってジョン・エサリッジ(アラン・ホールズワースの後任)のギター主導というのがいい。
疾走感あふれるパートではジョン・マクラフリンやトミー・ボーリンのように弾きまくり、叙情的なパートではサンタナのようにメロウな旋律を奏でてくれる。
ドラムスもなかなか。手数が多く、タイトなドラミングはまるでビリー・コブハムのよう。

こういうと、マハビシュヌ・オーケストラを連想されるかもしれないが、さにあらず。似ているようで、どこかが違う。
それはフュージョン色が若干薄いぶん、ジャズ・ロック本来の奥深さと、動と静のコントラストがあまりにも鮮やかなことが関係しているのかもしれない。

その動と静だが、双方を露骨に対比させるという手法ではなく、まるで音のグラデーションのように自然体に移行していく手法をとっている。
このへんの妙には思わずうなってしまう。

さすが、ジャズ・ロックの老舗バンドである。
例によって、YOU-TUBEを貼り付けておきました。
興味のある人は試聴してみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=kjxgXDPmg8A&list=RDkjxgXDPmg8A#t=2

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