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ラモウんの「プログレ放浪聴(ほうろうき) 100選」 その27

2015年09月27日 05時12分00秒 | 僕の私のプログレ放浪聴(ほうろうき)
Pink Floyd「A Saucerful of Secrets」(1968)
by Mr.Rapport

 ボクが生まれて初めて購入したプログレのアルバムがこれ。
 当時、確か高校二年になったばかりの頃だったと記憶しているが、同バンドの『狂気』(The Dark Side Of The Moon)が世界的に大ヒット。
 そういうこともあって、音楽の話題になると、クラスメートの多くが「ピンクフロイド」という言葉を口走るようになった。ロックの「ロ」の字も知らない女の子までもが「原子心母」とか「おせっかい」とぬかしやがる。
 HRばかり聴いていると話題についていけなくなる……。ならば、オイラも……と意気込んで購入したのが、このアルバム。

 それにしても、なぜこのアルバムを購入したのか。
 それは「神秘」という邦題のアルバムタイトルもさることながら、ジャケットに惹かれたからである。そう、いわゆるジャケ買いというやつである。

 肝心の中味であるが、レコードでいうA面はプログレというよりもサイケデリック・アートの世界。どことなく中期のビートルズを彷彿させてくれる曲もあってこれはこれでなかなかいい。全体的にどこかミステリーな雰囲気が漂うのも◎。そう、だからアルバムタイトルにもあるように「神秘」なのだ。
 このへんは本アルバム制作中に脱退したシド・バレットの影響によるものが大なのだろう。

 そして、盤をB面に返すと、コンパクトながらも壮大な四部型式のアルバムのタイトルチューン・A Saucerful of Secretsがいよいよ始まる。
 これは傑作である。とにかく、ものの見事な「起承転結」で成り立っている。今、聴いても色褪せないし、目を閉じて聴いていると、SF映画の世界に引き込まれていくような錯覚に陥ってしまう。
 たとえば、こんな感じに……。

 第一部 → 隊員たちが未知の惑星(無人島)を不時着(漂流)
 第二部 → 得体の知れない怪物が出現し、隊員たちが襲われ、逃げまどう
 第三部 → 生き残った隊員と怪物の壮絶な闘い
 第四部 → 最後はようやく勝利をおさめる

 非常に短絡的だが、これほどわかりやすくビジュアル化できる曲もそうそうないと言っていいだろう。

 続く、B面2曲目のSee Sawもなかなかの傑作。どうってことのないサイケデリック・バラードなんだけど、前曲A Saucerful of Secretsを聴いて頂点に達した緊張感をここで一気に緩和してくれる。

 第五部 → 生き残った隊員たちが惑星(無人島)で癒しの場を発見

 みたいな感じなのである。

 この展開には恐れ入谷の鬼子母神。
「狂気」も「原子心母」も「おせっかい」も、それから「炎」も「アニマルズ」も悪くはない。でも、一枚だけ挙げるとしたら、やっぱりこのアルバム。

 プログレを2000枚以上聴いてきた中で、生まれて初めて買ったプログレアルバムが「プログレ放浪聴 100選」にランクインするというのも、良い意味でものすごい因果を感じてならないのである。


https://www.youtube.com/watch?v=YLW0n2sLCG4
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